うさぎの皮膚病について

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。​

「最近、うちの子がよく毛づくろいをしている」
「抜け毛が増えてきた気がする…」
そんな小さな変化、もしかすると皮膚病のサインかもしれません。

うさぎさんはデリケートな動物で、皮膚のトラブルが起こりやすいペットです。
特に川崎市のように湿度が高く、室内飼育が中心の地域では、皮膚病に悩む飼い主さまが年々増えています。

この記事では、うさぎさんの皮膚病について、よくある原因、症状の見分け方、治療法、そして予防のポイントまで、解説いたします。

目次

うさぎの皮膚病とは

うさぎさんの皮膚病とは、皮膚や被毛に何らかの異常が現れる疾患の総称です。
フケ赤みかゆみ脱毛などの症状から始まり、放置すると湿疹炎症かさぶた化膿にまで悪化するケースもあります。

うさぎさんは頻繁にグルーミングを行う動物ですが、皮膚に異常があると、過度に同じ部位をなめたり、噛んだり、足でひっかいたりといった行動が目立つようになります。
こうした行動の変化は、皮膚病の初期サインであることが多く、早期に気づいてあげることが大切です。

うさぎの皮膚病の主な種類と特徴

ここでは、代表的なうさぎさんの皮膚病について解説いたします。

真菌性皮膚炎(皮膚糸状菌症)

真菌(カビの一種)による感染症で、円形脱毛フケかゆみが特徴です。
他の動物ヒトにも感染するリスクがあるため注意が必要です。
他の動物との接触や、床材やグルーミング用品の使い回しが原因となることが多いです。

外部寄生虫(ダニ・ノミ)による皮膚炎

ミミダニ」や「毛包ダニ」、「ノミ」などの外部寄生虫が皮膚に寄生し、強いかゆみ赤みかさぶた脱毛を引き起こします。
特に背中などに症状が集中します。

アレルギー性皮膚炎

食べ物環境要因(ホコリ、洗剤、花粉など)に対する過敏反応で発症します。
かゆみ湿疹赤みが慢性的に続くのが特徴です。
原因の特定が難しいことが多く、長期的な管理が必要です。

自咬症(じこうしょう)

ストレス違和感から、うさぎさんが自分の身体をかじってしまい、皮膚にができる症状です。
単なる皮膚病ではなく、行動面心理面のケアも必要になります。
環境の見直しやストレス緩和が治療のポイントです。

うさぎの皮膚病の主な原因とは?

うさぎさんの皮膚はとても薄くてデリケートです。
また、うさぎさんは全身が毛で覆われているため皮膚のトラブルが見つかりにくく、悪化しやすい傾向にあります。

皮膚病を引き起こす原因はさまざまですが、代表的なものは以下の通りです。

飼育環境の不備

不衛生なケージ、換気不足、湿気の多い場所などは皮膚トラブルの温床となります。
特に室内飼育の場合、ケージの清掃や湿度管理が不十分ですと、カビやダニが繁殖しやすくなります。

栄養バランスの乱れた食生活

ペレットだけ、あるいは野菜だけなど偏った食事は、皮膚のバリア機能を低下させます。

ストレスや運動不足

ストレスを感じると免疫が低下し、皮膚トラブルが起こりやすくなります。
環境の変化、騒音、狭いケージなども原因になります。

他の動物との接触による感染

ペットホテルや里帰りなどで他の動物と接する機会があると、ダニや真菌に感染するリスクが高まります。

うさぎの皮膚病の診断方法

当院では以下のような手順で診断を行います。

  • 視診・触診
    皮膚の状態、かゆみの有無、脱毛の部位などを観察します。
  • 皮膚掻爬検査
    皮膚をこすり、ダニなどの寄生虫を顕微鏡で確認します。
  • 真菌培養検査
    皮膚片を専用の培地に置いてカビの有無を判定します。

うさぎの皮膚病の治療法

治療方法は原因に応じて異なります。

  • 抗真菌薬や駆虫薬の処方
    外用薬・内服薬があります。
  • 抗アレルギー薬や食事療法
    アレルギーが原因の場合に行います。
  • 保湿スプレーや皮膚保護剤
    外傷やかゆみには保湿剤などを併用します。
  • ストレス軽減のための環境調整
    清掃や湿度の管理など、環境の改善(ストレスを取り除く)が必要になってくる場合もあります。

治療には数週間から数か月かかることもありますが、正しいケアをすれば回復するケースが多いです。

うさぎの皮膚病の予防方法

  1. ケージやトイレをこまめに清掃する
    週に2〜3回は床材を交換して清潔に保ちましょう。

  2. 換毛期には毎日ブラッシングする
    ブラッシングをして毛玉や蒸れを防止しましょう。

  3. 食事は牧草中心+ペレットを与える
    牧草と高品質なペレットで栄養バランスを考えましょう。

  4. 湿度は40〜60%を目安に管理する
    エアコンや除湿器の活用しましょう。

  5. ストレスを減らす環境づくり
    静かな場所にケージを設置したり、レイアウトを考えましょう。

  6. 定期的な健康診断で皮膚の状態をチェック
    半年に1回は健康診断を受けましょう。

早期発見・早期治療のためには、日々の観察が最も重要です。
「ちょっと変かも?」と感じたら、すぐに相談することがうさぎさんの命を守ることにつながります。

うさぎの皮膚病のまとめ

うさぎさんの皮膚病は命にかかわる病気ではありませんが、放置すれば悪化する可能性があります。

かゆみや脱毛など、気になる症状がみられた場合は、早めの診察がおすすめです。

お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護士

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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