【犬のてんかん】発作が起きたときの対処法は?症状・原因・治療を解説|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

わんちゃんが突然倒れてけいれんしたり、手足をつっぱらせたりすると、飼い主さまはとても驚かれると思います。

「これっててんかん?」
「すぐ病院へ行った方がいいの?」
「また起こったらどうしよう」
と、不安になる方も多いのではないでしょうか。

犬のてんかんは、比較的よくみられる神経疾患のひとつです。
発作の見え方や重症度はさまざまで、原因や治療方針もその子によって異なります。

この記事では、犬のてんかんの症状、原因、検査、治療法に加えて、発作が起きたときの受診の目安についてもわかりやすく解説いたします。

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目次

犬のてんかんとは

けいれん発作で倒れているわんちゃん

てんかんは、けいれんなどの発作症状を24時間以上の間隔をあけて、少なくとも2回以上くり返す脳の病気です。

犬のてんかんの原因と種類

わんちゃんのてんかんの原因には、脳の病気にともなって、てんかん発作が二次性に起こる「構造的てんかん」と、脳に脳波以外の検査で明らかな異常が見つからないのに、てんかん発作を繰り返す「特発性てんかん」とがあります。
特発性てんかんの原因は不明ですが、何らかの遺伝子の異常の影響が考えられています。

その他、脳以外の身体の異常や中毒なども同様の発作の原因になりえます(反応性発作といいます)。

犬のてんかんを発症しやすい年齢

どんな動物でも発生しますが、わんちゃんでは多くみられ、100頭に1~5頭の割合で発生します。
特発性てんかんは6か月齢から6歳までに発症することが多く、中年齢以上では構造的てんかんの可能性が高くなります。

犬のてんかんの症状

てんかん発作では、様々な症状が見られます。

代表的なものは

  • 身体がピーンとつっぱりけいれんする(硬直発作)
  • 身体をガクガクさせ、けいれんする(間代発作)

通常これらの発作時は意識がありません。

  • よだれが異常にでる
  • 身体の一部分だけがつっぱる(例えば片方の前足だけ上げているなど)
  • 筋肉が瞬間的に大きくピクッとする(ミオクロニー発作)
    などが見られます。

発作は通常、数秒から1、2分ほどで終わり、その後は何事もなかったかのように普通に戻ることがほとんどです。
しかし、てんかん発作が持続し、あるいは完全に回復せずに発作をくり返すことがあり、これを「てんかん重積状態」といいます。
重積状態はときに重い後遺症を残したり、命にかかわることもあるので、ただちに発作をおさえなければなりません。
すぐに動物病院を受診してください。

犬のてんかんの診断・検査

てんかんを疑う場合、次のような検査を行います。

問診

てんかん発作は来院時に症状が治まっているケースがあるため、「症状が本当にてんかん発作であったのか?」確認するために、問診は非常に重要なポイントとなります。
問診では、発作の時の様子を詳しく聞かせていただきます。
発作の時の動画があると診断への近道になります。

問診では以下の点について質問します。

  • どんな発作だったか?(どのように発作が始まったか?)
  • 初めての発作か?
  • 初めて発作を起こした時の年齢
  • 1回の発作の時間
  • 発作の頻度(例えば3か月に1回など)
  • 発作を起こす前にきっかけがあるか?(時間が決まっている、食事の前後など)
  • 発作後の様子(すぐに元に戻るか、目が見えないなど)
  • ワクチン接種歴、これまでの病気(以前頭を打つケガをしたなど)

身体検査・神経学的検査

身体検査では体温、心拍数、呼吸数、聴診(心音、肺音、呼吸音など)、全身の視診・触診などを行います。
神経学的検査は視診・触診をさらに深く行い、意識レベルや、認知能、歩き方に異常がないか、手足に麻痺がないか、てんかん以外の脳神経の異常が出ていないかを検査します。

血液検査・尿検査

てんかん発作の原因が反応性発作かを調べるために行います。
血液検査では、全血球検査(CBC)、血液生化学検査、必要に応じて絶食時の総胆汁酸(TBA)や、アンモニアを調べます。
尿検査では、尿比重、尿蛋白、尿糖、pH、尿沈渣を調べます。

診察および神経学的検査、血液検査の費用は、15,000~30,000円前後です。

レントゲン検査や超音波・心電図検査など

これまでの検査で異常が確認された場合、追加検査として必要に応じてレントゲン検査、超音波検査、心電図検査などを用いて画像検査を行います。

画像検査の費用は6,000~30,000円前後です。

上記に挙げた検査(問診~レントゲン・エコー・心電図)で明らかな異常がなく、初めての発作が6か月齢以上、6歳以下であれば、反応性発作の原因を除外でき、特発性てんかんである可能性が高くなります。 

上記(問診~レントゲン・エコー・心電図)までの検査は一般的な動物病院でも可能です。

MRI 検査、脳脊髄液検査

特発性てんかんの診断基準である、初めての発作が6か月齢以上、6歳以下に合わない場合や、神経学的検査で異常がある場合に行います。
これらの検査をすることで、構造的てんかんの除外もしくは診断ができます。
ただし、これらの検査は2次診療施設での全身麻酔下での検査になります。

具体的にMRI検査は、磁力を使って脳の断層像を得ることで、脳の構造に異常がないかを調べます。
脳脊髄液検査は、脳や脊髄の周りにある脳脊髄液を採取し、病原体の感染や炎症性の疾患、腫瘍性の疾患が無いかを調べます。
脳脊髄液の採取はMRI検査後に行われることがほとんどで、MRI検査で採取のリスクが高いと判断された場合は行われないこともあります。

MRIの検査は2次診療施設で行います。
施設によって費用は異なりますが、おおよそ100,000~150,000円前後の費用となります。

脳波検査

脳波計を使って脳の電気的な変化を波形として調べる検査で、特発性てんかんの診断精度を高める場合に行うことがあります。
脳波の検査も2次診療施設で、一般的に鎮静下で行います。

脳波検査は2次診療施設で行います。
施設によって費用は異なりますが、おおよそ30,000~50,000円前後の費用となります。

犬のてんかんの治療

治療

てんかんは、抗てんかん薬によって回数や発作の症状を軽くする治療が中心となります。
てんかんを治療することで、脳が壊れるのを防ぎ、てんかんの重篤化・難治化を防ぎます。

適切な抗てんかん薬の種類や投与量には個体差があるので、それぞれに合った薬が決まるまで、少し時間が必要なことがあります。
抗てんかん薬は薬の性質上、突然休薬すると発作がひどくなることがあるので注意が必要です。
ほとんどの場合で抗てんかん薬は生涯継続する必要があります。
構造的てんかんや反応性発作では、抗てんかん薬に加え、原因疾患に対する治療も重要になります。

いつ治療を始めるのか?

 以下のような時には抗てんかん薬の内服をスタートします。

  • 6か月に2回以上のてんかん発作があるとき
  • てんかん発作重積(発作が5分以上持続)あるいは群発発作(24時間以内にくり返す発作)の場合
  • 発作後徴候(発作の後の異常行動や体調不調)が特に激しい(攻撃性や失明など)あるいは24時間以上続く場合
  • 発作の頻度あるいは発作の持続時間が増えている場合
  • 構造的てんかんが明らかな場合

治療費例

特発性てんかんで、抗てんかん薬の内服が必要となり、1種類のお薬から開始した場合、体重5kgのわんちゃんで、お薬代がひと月当たり5,000円~となります。
お薬を開始した後、血液でお薬の血中濃度を確認したり、お薬の副作用が出ていないかを血液検査や尿検査で定期的に確認します。
費用は7,000~15,000円前後です。

犬のてんかんのお薬について詳しくはこちら

犬のてんかん発作が起きたときの対応

わんちゃんが発作を起こすと、飼い主さまもとても驚かれると思います。
しかし、まずは落ち着いて安全を確保することが大切です。

発作中にしていただきたいこと

  • 周囲の家具や物をどけて、わんちゃんがぶつかってけがをしないようにする
  • 発作が始まった時間を確認する
  • 可能であれば動画を撮影し、発作の様子を記録する
  • 大きな声で呼びかけたり無理に起こそうとしたりせず、静かに見守る

発作中に避けたいこと

  • お口の中に手を入れる
  • 無理に身体を押さえつける
  • お水や食べ物を飲ませる

発作中は意識がないことも多く、思わぬけがにつながることがあります。

すぐに受診したいケース

  • 発作が5分以上続く
  • いったん治まっても、24時間以内に何度もくり返す
  • 発作後も意識がはっきり戻らない
  • ぐったりしている、歩けない、視線がおかしいなど普段と違う様子が続く
  • 初めての発作である

このような場合は、できるだけ早く動物病院へご相談ください。

犬のてんかんと上手につきあうために

特発性てんかんの場合は、発作のコントロールが良好であれば、ほとんどのわんちゃんで寿命をまっとうできることがわかっています。
一方で、発作のコントロールがうまくいかず、てんかん重積状態をくり返す場合には、命にかかわることもあります。

そのため、ご家庭では発作の回数や持続時間、起こった時間帯、その前後の様子などを記録しておくことが大切です。
スマホで動画を撮影したり、てんかん日記として残したりすることで、診断や治療方針の検討に役立ちます。

また当院では、必要に応じてお薬による治療に加え、補助療法として食事療法や鍼・漢方をご提案することもあります。
発作の頻度や生活の質が気になる場合は、お気軽にご相談ください。

東洋医学の診療は、名取獣医師が担当いたします。
初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

池田動物病院の東洋医学診療(鍼灸・漢方)案内バナー

まとめ

てんかん発作の症状はその子によって異なるため、ご家庭での観察が診断や治療を進めるうえで大切な手がかりになります。
発作が起きたときは、まず安全を確保し、可能であれば動画を記録しておくと診察に役立ちます。
また、発作の頻度や持続時間、発作の前後の様子などを、てんかん日記として残しておくのもおすすめです。

初めて発作がみられたときや、発作の様子・頻度に変化があるとき、発作が長く続くときは、早めに動物病院へご相談ください。

犬のてんかん発作のご相談なら池田動物病院へ|池田動物病院電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:安川 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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