【中高齢犬に多い甲状腺機能低下症】元気がない・脱毛などのサインに注意|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

わんちゃんが中高齢になるとなりやすい病気のひとつに「甲状腺機能低下症」があります。

以前よりも元気がなくなった、反応が鈍くなった、そういった症状は年齢のせいではなく、甲状腺機能低下症のサインかもしれません。

当院では、甲状腺の数値をチェックできる血液検査もございますので、甲状腺機能低下症かも?と思ったら、ご相談ください。

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目次

犬の甲状腺機能低下症とは?

犬の喉元にある甲状腺の位置を示すイラスト

甲状腺ってどんな器官?|甲状腺ホルモンの働き

甲状腺は、喉頭、気管の両側にあり、甲状腺ホルモン(FT4)を分泌する内分泌器官です。
この甲状腺ホルモンには、身体の基礎代謝を活発にする作用があります。
「甲状腺機能低下症」は、甲状腺ホルモンの分泌が不足するため、身体の組織の代謝が低下し、さまざまな症状が引き起こされます。

どんな病気?猫との違いは?

甲状腺機能低下症は、甲状腺の腫瘍や萎縮によって、甲状腺ホルモンが産生できなくなる病気です。
ねこちゃんと比べるとわんちゃんに多く、わんちゃんで最もよく見られる内分泌疾患のひとつです。
ねこちゃんの場合は、甲状腺機能亢進症が多く見られますが、甲状腺機能低下症はほとんど見られません。
中高齢のわんちゃんに多くみられます。

原因|なぜ甲状腺機能が低下するのか

主な原因(自己免疫・萎縮など)

わんちゃんの甲状腺機能低下症の原因は、ほとんどが甲状腺組織の自己破壊によって、甲状腺ホルモンが産生できなくなる原発性甲状腺機能低下症です。
自分の組織を自分で破壊してしまうリンパ球性甲状腺炎や、原因不明の甲状腺萎縮によって起こります。

まれなケース(先天性・腫瘍・脳下垂体の異常)

先天的な甲状腺機能低下症(クレチン病)や、甲状腺の腫瘍、下垂体や視床下部(脳にある、甲状腺を刺激するホルモンを出す臓器)の腫瘍や外傷などが原因となることもありますが、非常にまれです。

好発犬種と発症しやすい年齢

甲状腺機能低下症は中高齢のわんちゃんでよく見られる病気です。
特に以下の犬種では発症しやすいといわれています。

  • トイ・プードル
  • チワワ
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ラブラドール・レトリーバー
  • シベリアンハスキー
  • ドーベルマン
  • ビーグル

ただし、これ以外の犬種でも発症する可能性はあります。
「年齢を重ねたわんちゃんで最近なんだか元気がない…」と感じたら、早めに血液検査でチェックすることが大切です。

犬の甲状腺機能低下症の症状

甲状腺ホルモンが不足すると、身体の新陳代謝がゆっくりになっていきます。
その結果として、次のような症状が現れることがあります。

初期に気づきにくいもの

  • 元気がなくなる
  • 活動性が低下(お散歩に乗り気でなくなる)
  • 反応が鈍くなる
  • 食欲が落ちる

身体の変化として現れるもの

  • 体重は増えるのに動きがゆっくりになる
  • 肥満
  • 左右対称の脱毛(ホルモン性両側性脱毛)
  • 尻尾の毛が抜ける(ラットテイル)
  • 皮膚が黒ずむ・フケが増える
  • 脂っぽい被毛・膿皮症

その他の症状

  • 低体温
  • 徐脈(心拍数が遅い)
  • 便秘
  • ふらつき

症状はゆっくりと進行するため、家族が気づかないうちに進行していることもあります。
日頃と違う変化があれば、ぜひ早めにご相談ください。

診断方法|血液検査と超音波検査

甲状腺機能低下症の診断は、いくつかの検査を組み合わせて行います。

血液検査

血液検査では次の項目を中心に調べます。

  • T₄(サイロキシン)
  • fT₄(遊離サイロキシン)
  • TSH(甲状腺刺激ホルモン)

甲状腺ホルモンが低い、かつTSHが高い場合は、甲状腺機能低下症が疑われます。

また、この病気ではコレステロール値が高くなることがよくあるため、合わせて確認します。

甲状腺ホルモンの値は他の病気やお薬の影響で低下することもあります。
例)他のお薬の影響、糖尿病やクッシング症候群、麻酔や手術後など

超音波検査

超音波検査では、甲状腺の大きさや形の変化を確認します。
萎縮や腫瘍の有無をチェックすることで、より正確な診断につなげます。

治療法

甲状腺機能低下症の治療は、不足した甲状腺ホルモンを補うことが基本です。

内服薬(内科的治療)

一般的な治療として、甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)の投与を行います。
この薬は体内のホルモン量を補い、症状の改善を目指します。

投薬のポイント

  • 多くの場合、生涯にわたる投薬が必要です。
  • 初めは投薬前後の血液検査で適切な量を決めます。
  • 投薬量が適切でないと、逆に甲状腺機能亢進症のような状態になる可能性があります。

副作用として見られること

  • 頻脈(早い心拍)
  • パンティング(呼吸が速くなる)
  • 食欲不振
  • 元気消失

副作用や気になる変化があれば、すぐにご相談ください

外科的治療

甲状腺腫瘍が原因の場合には、手術が選択されることがあります
ただし、手術には麻酔や術後ケアのリスクもあるため、わんちゃんの年齢や体調と相談しながら進めます。

  • 片側だけ摘出した場合
    残った甲状腺が十分なら、ホルモン補充は不要なこともあります。

  • 両側摘出した場合
    生涯にわたって甲状腺ホルモン薬の投与が必要です。

治療をしないとどうなる?

治療せずに放置してしまうと、次第に身体の機能が低下し、

  • 低体温
  • 呼吸不全
  • 昏睡状態

などの重篤な状態に進む可能性があり、命にかかわることもあります
早期の診断・治療が何より大切です。

予防と早期発見のポイント

残念ながら、甲状腺機能低下症を完全に「防ぐ」方法はありません。
ですが、定期的な健康診断と血液検査を受けることで、早期に見つけることができます

池田動物病院では、春(3~5月)と秋(9~11月)に健康診断キャンペーンを実施しています。
中高齢のわんちゃんには、甲状腺検査・腎臓検査を含むセット健診がおすすめです。

気になる症状がある場合は、キャンペーン時期にかかわらずいつでもご相談ください。

犬の甲状腺機能低下症のまとめ

「元気がない」「脱毛が増えた」などの症状は、年齢のせいだけではないことがあります。
甲状腺機能低下症はゆっくり進行するため、見逃されやすい病気です。

定期的な健康診断でチェックすることが、わんちゃんの長く元気な生活を守る第一歩になります。
気になる変化があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

気になる症状がありましたら、お気軽にお問い合わせください|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師 
監修:石井院長 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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