【フクロモモンガの病気ガイド】症状・予防・受診の目安をやさしく解説|川崎市・池田動物病院

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

「ちょっと元気がない」
「食べる量が減ったかも」
――そんな小さな変化に気づけるかどうかが、フクロモモンガさんの健康を左右します。
身体が小さく、症状を隠すのが得意な動物だからこそ、早めのケアが非常に重要です。

この記事では、フクロモモンガによく見られる病気とその特徴、症状、予防のコツ、そして「どんなときに動物病院を受診すべきか」をわかりやすくお伝えします。
フクロモモンガさんと安心して長く暮らすための目安としてお役立てください。

丸まってうずくまり、元気がない様子を見せるフクロモモンガ
目次

【フクロモモンガの病気一覧】初心者が知っておきたい主な症状と原因まとめ

以下は、フクロモモンガさんによく起こる病気・身体の不調の例です。
飼育年齢・環境・食事によってリスクが異なります。

分類主な病気・症状の例
代謝・栄養不良カルシウム不足(後肢麻痺など)、ビタミン・ミネラルのバランス異常
歯・口のトラブル歯肉炎、歯の膿瘍、過度な歯石の付着など
消化器疾患下痢、便秘、寄生虫(例:Giardia, Cryptosporidium)、鼓腸など
肥満運動不足やおやつの過剰摂取による体重過多、脂肪の蓄積、肝臓・心臓への負担など
外傷・物理的なケガ落下、ケージ内の事故、尾や足の怪我など
呼吸器疾患くしゃみ、鼻水、肺炎など
感染症細菌・真菌・寄生虫感染、口や皮膚の膿瘍など

代表的な病気とその症状・対処法

【栄養不良・カルシウム不足】後肢麻痺などの症状・原因・対処法

症状

  • 後ろ足に力が入らない(後肢麻痺)
  • 歩き方がおかしい・ふらつく
  • 骨がもろくなる、骨折しやすくなる
  • 食欲不振、体重減少

原因

  • 食事の栄養バランスの偏り(果物ばかりなど)
  • カルシウム不足やリンとの比率の乱れ
  • ビタミンDの不足や日光不足

対処法

  • フクロモモンガ用のバランスフードを使用する
  • 獣医師の指導のもと、カルシウムを補うサプリメントを使うと安心
  • 日光浴や紫外線ライトの活用する
  • 症状が出たらすぐに動物病院で検査と治療を受ける

【歯の病気】歯肉炎・膿瘍の症状とケア方法

症状

  • よだれが出る
  • 食べるのが遅くなる・固い物を嫌がる
  • 口のまわりに膿や出血、ニオイが出る

原因

  • 歯のかみ合わせ異常
  • 不衛生な口腔環境
  • ビタミンC・ミネラル不足による歯茎の弱化

対処法

  • 歯のチェックと必要な処置(削る・抜歯など)
  • 清潔な環境維持とバランスの良いお食事
  • 症状があれば早めに動物病院で診察を受ける

【消化器疾患】下痢・便秘・寄生虫の症状と治療法

症状

  • 下痢、軟便、悪臭のある便
  • 便秘・腹部のふくらみ
  • 食欲不振、体重の変化

原因

  • 水分不足・不適切な食事内容
  • 食物繊維の不足や急な食事の変化
  • 寄生虫感染(例:ジアルジア、クリプトスポリジウム)

対処法

  • 水分をこまめに補給する
  • 安定した食事内容にする(急な切り替えは避ける)
  • 便に異常があれば検便・駆虫を含めた診察を受ける

【肥満】運動不足による健康リスクと改善ポイント

症状

  • 動きが鈍くなる
  • 飛んだり登ったりするのを避ける
  • 体重が増えすぎる

原因

  • 高カロリーなおやつの与えすぎ
  • 運動不足(広いスペースで遊べていない)
  • 遺伝的体質

対処法

  • 食事管理(おやつを減らし、フード量を調整)
  • 飼育スペース内での運動環境を工夫する
  • 定期的な体重チェック

外傷(落下・足のけがなど)

症状

  • 足を引きずる
  • 出血・腫れ・変形
  • グルーミングをしなくなる

原因

  • ケージ内での事故(棚から落下など)
  • 爪や指のひっかけ
  • 他の個体とのケンカ

対処法

  • 高さをおさえた安全なレイアウトに変更
  • 床材や止まり木の素材を見直す
  • けががあればすぐに受診(放置すると悪化します)

病気を予防するためにできること

フクロモモンガさんの健康を守るためには、日々の飼育環境や食事の管理がとても大切です。
以下のポイントを押さえて、病気の予防につなげましょう。

バランスのとれた食事

  • 主食にはフクロモモンガ専用のフードを選び、果物・野菜・昆虫などは補助的に与えましょう
  • カルシウム(Ca)とリン(P)のバランスを意識(理想はCa:P=2:1)しましょう
  • 甘いおやつや脂質の多い食材は控えめにしましょう
  • 清潔なお水をいつでも飲めるようにしましょう

快適な飼育環境

  • 温度は22~28℃、湿度は40~60%を目安にキープしましょう
  • 夜行性なので、昼間は静かで落ち着ける空間を用意しましょう
  • 飼育ケージには高低差をつけて登れる場所を作ると運動不足の防止にもなります

ストレスの軽減

  • 騒音や強い光、急な環境の変化は避けましょう
  • 過度なふれあいや頻繁なケージの模様替えは控えましょう
  • 単独飼育の場合は、飼い主さんとのふれあいで愛情を注ぐのも大切です

定期的な健康チェック

  • 毎日、食欲・便・行動パターンを観察しましょう
  • 月に1度は体重を量って記録しましょう
  • よだれ、脱毛、異臭、歩き方の異常があればすぐにチェックして動物病院を受診しましょう

定期健診を受ける

  • 年1回を目安に、エキゾチックアニマル対応の動物病院で健康診断を受けましょう
  • 高齢になるほど半年に1回など頻度を上げると安心です

こんなときはすぐに動物病院へ

フクロモモンガさんは不調を隠す習性があるため、「いつもと違うかも」と思ったら、早めに動物病院を受診しましょう。
以下のようなサインが見られたら、放置せず相談をおすすめします。

体調や行動の変化

  • 食欲が明らかに落ちた、または全く食べない
  • 便が下痢・血便・異臭を放つ
  • 体重が短期間で急に減る
  • 元気がなく、ほとんど動かない
  • 夜行性のはずが、昼間に動きすぎる

外見の異常

  • 毛がごっそり抜ける、かゆがる
  • よだれが出ている、口の周りが汚れている
  • 目や鼻に分泌物がある
  • 腫れ・しこり・傷が見られる

動き・姿勢の異常

  • 足を引きずる、よろける、うまく飛べない
  • 呼吸が荒い、口呼吸になっている
  • けいれんやふるえ、倒れるような仕草

その他の心配な兆候

  • 鳴き方が変わった(普段より大きな声・断続的な鳴き声・叫ぶような声など)
  • 異常なほど隠れて出てこない
  • 排泄回数が極端に少ない、または多すぎる

これらの症状は、命にかかわる病気の初期症状である可能性もあります。
迷ったときは、どうぞ早めにエキゾチックアニマルに対応した動物病院へご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. フクロモモンガが突然動かなくなりました。病気ですか?

A. ストレスや低体温症、神経疾患などが原因の可能性があります。
すぐに動物病院を受診してください。

Q. おなかが膨れているのは病気ですか?

A. 腹部膨満は内臓疾患や寄生虫感染のサインかもしれません。
様子を見ずに獣医師に相談を。

Q. 鼻水が出ているのですが大丈夫?

A. 風邪や呼吸器感染症の可能性があります。
鼻水が続くようなら受診をおすすめします。

まとめ|フクロモモンガの健康を守るためにできること

フクロモモンガさんは、小さな身体にたくさんの魅力を秘めた動物ですが、そのぶん体調の変化にもとても敏感です。
「ちょっと元気がないかも」
「よく掻いているな」
といった小さなサインが、大きな病気の始まりであることも少なくありません。

毎日の観察、適切な食事と環境管理、そして少しでも異変を感じたときにすぐに行動できることが、フクロモモンガさんの健康寿命を延ばすカギとなります。

川崎市・中原区の池田動物病院では、フクロモモンガさんをはじめとするエキゾチックアニマルの診療も行っています。
気になることがあれば、小さなことでもお気軽にご相談ください。

フクロモモンガさんを含むエキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次