【スコティッシュフォールドに多い病気】特徴と注意したい遺伝性疾患を獣医師が監修|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

丸く大きな瞳と折れ耳が特徴のスコティッシュフォールドさん。
優しい性格で、初めてねこちゃんを迎える方にも人気の高い猫種です。
一方で、スコティッシュフォールドさんは身体のつくりに特有の特徴があり、ほかの猫種よりも注意したい病気がいくつかあります。

特に多いのが骨軟骨異形成症(遺伝性の関節疾患)や肥大型心筋症(HCM)といった病気で、初期は気づきにくいものの、進行すると歩行異常や痛み、呼吸の異常などにつながることがあります。

この記事では、スコティッシュフォールドさんに多い病気と、その初期サイン、予防・早期発見のポイントを、動物病院ならではの視点でやさしく解説いたします。

大切な家族がいつまでも快適に過ごせるよう、日々のケアや気づきのヒントとして、ぜひお役立てください。

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目次

スコティッシュフォールドに多い病気とは?

スコティッシュフォールドの成猫が3頭並んで座っているイラスト

スコティッシュフォールドさんは軟骨形成の遺伝的特徴により、関節・心臓・耳の病気が特に多い猫種です。

丸い頭と折れ耳が特徴的なスコティッシュフォールドさんは、穏やかで人懐っこい性格から人気が高い猫種です。
一方で、身体の特徴に関連した遺伝性疾患が多い猫種としても知られています。

特に注意したいのが、

  • 骨軟骨異形成症(関節の遺伝性疾患)
  • 肥大型心筋症(HCM)
  • 外耳炎、皮膚トラブル

などです。

スコティッシュフォールドの身体の特徴と遺伝性疾患

折れ耳を作り出す遺伝子は「軟骨形成に関わる遺伝子」と密接に関係しています。
耳が折れる=軟骨が弱い性質を持っており、耳以外の骨・関節にも影響が出ることがあります。

そのため、後ろ足の関節やしっぽの付け根などに痛みや変形が起こりやすく、生涯にわたるケアが必要になることもあります。

特に注意したい3つの病気

進行性遺伝性関節症(骨軟骨異形成症)

スコティッシュフォールドさんでもっとも代表的な疾患です。
耳が折れるのと同じ遺伝子が、関節や骨の形成異常を引き起こすため、若い頃から足の痛み・歩行異常が現れることがあります。

よく見られる症状

  • 歩き方がぎこちない
  • 高いところに登りたがらない
  • さわると痛がる
  • 足を引きずる
  • ジャンプを避ける

痛みが強くなると、動きが減り、筋力低下や体重増加につながることもあります。

治療法

  • 痛み止め
  • 関節のサプリメント
  • レントゲン検査・進行度チェック
  • 生活環境の調整(段差をなくす、滑らない床にする)

進行性のため、「よく動かない」「ジャンプをしなくなった」などの日常の変化に早く気づくことが大切です。

心臓病(肥大型心筋症)

スコティッシュフォールドさんに限らず、ねこちゃんに多い心臓病が肥大型心筋症(HCM)です。
心臓の筋肉が厚くなり、血液をうまく送り出せなくなる病気で、最初は無症状のことも多く、突然悪化するケースもあります。

初期症状

  • 呼吸が早い、浅い
  • 落ちつきがない
  • 食欲低下
  • なんとなく元気がない

進行すると、胸水や心不全を引き起こし、呼吸困難につながることもあります。

検査と治療

  • 血液検査
  • 聴診
  • 心エコー検査
  • 心電図
  • レントゲン
  • 内服薬(血栓予防薬・心臓の負担を減らす薬)

スコティッシュフォールドさんは遺伝的にリスクが高いため、1歳を過ぎたら一度は心臓の健診をおすすめします。

外耳炎・皮膚トラブル

耳トラブル

折れ耳(fold耳)によってお耳の中が蒸れやすく、

  • 外耳炎
  • マラセチア感染
  • かゆみ
  • 耳垢の増加

などが起こりやすいのも特徴です。

皮膚トラブル

また皮脂分泌が多い子では、

  • 脂漏症
  • 膿皮症
  • アレルギー体質

などのトラブルが長期化することもあります。

早めに気づくためには、こまめなお耳チェック・皮膚の状態観察が大切です。

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気づきにくい初期症状に要注意

スコティッシュフォールドさんの疾患は「分かりにくいサイン」から始まることがあります。

関節のサイン

  • ジャンプの回数が減った
  • 上り下りをためらう
  • 走り方が変

心臓のサイン

  • 休んでいても呼吸が早い
  • 咳をする
  • ストレスがかかると呼吸が乱れる
  • 歩くとすぐに疲れる

外耳炎のサイン

  • お耳をかく
  • 頭を振る
  • 黒い耳垢、におい

「なんとなく動きが少ない」「よく寝ている」という変化も病気の前触れであることがあります。

病気を早期発見するためにできること

定期検診のおすすめ

スコティッシュフォールドさんは、1歳を過ぎたら

  • 年1回の健康診断(血液検査・レントゲン)
  • 心臓の検診

を受けることで、早期発見につながります。

高齢になったら年2回が望ましいです。

自宅でできるチェック

  • 歩き方、ジャンプの回数
  • お耳のかゆみ、耳垢
  • 呼吸の速さ
  • 食欲・飲水量
  • 体重の変化

小さな変化が大きな病気のヒントになります。

関節の負担を減らす工夫

  • 滑らないマットを敷く
  • 段差を少なくする
  • 高い場所へ登らない工夫
  • 体重管理(肥満は関節に負担)

痛みを軽減し、暮らしやすさにつながります。

スコティッシュフォールドと快適に暮らすために

スコティッシュフォールドさんは穏やかで優しい性格の子が多く、一緒に暮らす喜びも大きい猫種です。
大切なのは、特有の体質を理解しながら、無理のない生活環境を整えてあげることです。

運動量・遊び方のコツ

急なジャンプや高い場所への昇降は控えめに。
おもちゃ遊びで負担の少ない運動を。

食事管理と体重コントロール

関節症対策にも、心臓病対策にも重要です。

ストレスの少ない室内環境

安心できるスペース、静かな環境、適度な遊びが健康維持に役立ちます。

よくある質問(FAQ)

Q. スコティッシュフォールドは必ず病気になりますか?

耳が折れる遺伝子により、関節や骨のトラブルが出やすい体質はありますが、「必ず」病気になるわけではありません。
早期発見・体重管理・環境調整によって、負担を減らしながら生活できます。

Q. 関節症は若い猫でも発症しますか?

はい。
スコティッシュフォールドさんは若齢期(1歳未満~2歳)でも発症することがあります。
ジャンプを避ける・歩き方が変などの初期サインが大切です。

また、将来のためにも早めのケアが必要です。

Q. 心臓病(HCM)は遺伝しますか?

HCMは遺伝要因が関与するとされ、スコティッシュフォールドさんはリスクが高めの猫種です。
1歳を過ぎたら心エコー検査を一度受けることをおすすめします。

Q. 折れ耳の子と立ち耳の子で、病気のリスクは違いますか?

折れ耳のほうが関節のリスクは高い傾向ですが、立ち耳でも遺伝子を受け継いでいる場合は発症することがあります。
お耳だけでは判断できないため、定期的な健康チェックが大切です。

まとめ|早期発見とケアでずっと元気に

スコティッシュフォールドさんは、見た目の可愛らしさと性格の良さから人気の高い猫種ですが、遺伝性疾患や関節、心臓に関する病気が多い猫種です。

「少し変だな」「いつもと違うかも」と感じたら、早めに受診することで進行を防ぎ、痛みや不調を和らげることができます。

池田動物病院では、スコティッシュフォールドさんに多い病気の検査・治療にも対応しています。
気になる症状がある際は、どうぞお気軽にご相談ください。

池田動物病院の院長と電話番号 044-433-2274 が掲載されたお問い合わせバナー

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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