【猫の貧血・元気がない症状に】遺伝性疾患「ピルビン酸キナーゼ欠損症」とは|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主さま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

ねこちゃんが
「なんとなく元気がない日が多い」
「よく寝ていて、疲れやすそう」
「歯ぐきの色が白っぽい気がする」

そんな様子を感じたことはありませんか?

その背景に、「ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)」という遺伝性の血液の病気が隠れていることがあります。
今回は、ねこちゃんのピルビン酸キナーゼ欠損症について、症状・原因・診断・治療の考え方・日常生活での注意点まで、飼い主さまに知っておいていただきたいポイントを詳しく解説いたします。

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目次

猫のピルビン酸キナーゼ欠損症とは?どんな病気?

ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)は、赤血球の中にある酵素(ピルビン酸キナーゼ)が生まれつき不足している病気です。

ピルビン酸キナーゼは、赤血球がエネルギーを作るために必要な酵素です。
この酵素が不足すると赤血球が壊れやすくなり、慢性的な溶血性貧血を起こします。

遺伝性疾患のため、感染する病気ではありません。
症状の出方には個体差があり、軽い場合は無症状で経過することもあります。

初期症状は?「なんとなく元気がない」はサインかも

ねこちゃんのピルビン酸キナーゼ欠損症で多く見られる症状は、はっきりしない体調不良です。

次のような様子が見られることがあります。

  • 元気がなく、疲れやすい
  • 寝ている時間が長い
  • 食欲が落ちることがある
  • 歯ぐきや舌の色が白っぽい
  • 体重が増えにくい、成長がゆっくり
  • 状態が良い時と悪い時をくり返す

ねこちゃんは不調を隠すのが上手なため、「性格かな?」「体質かな?」と見過ごされてしまうことも少なくありません。

猫の貧血との関係|見落としがちな病気のきっかけ

ねこちゃんのピルビン酸キナーゼ欠損症は、「貧血」をきっかけに見つかることが多い病気です。
貧血とは、身体に酸素を運ぶ赤血球が不足した状態を指し、ねこちゃんでは次のような症状として現れることがあります。

  • 元気がなく、すぐ疲れてしまう
  • 寝ている時間が増える
  • 食欲が落ちる
  • 歯ぐきや舌の色が白っぽく見える

ねこちゃんの貧血には、腎臓病・感染症・出血・免疫の病気など、さまざまな原因がありますが、ピルビン酸キナーゼ欠損症は「赤血球が壊れやすい体質」によって起こる遺伝性の貧血という点が特徴です。

「貧血があると言われたけれど原因がはっきりしない」
「治療しても貧血が良くなったり悪くなったりをくり返す」

このような場合には、遺伝性疾患の可能性も含めて詳しく調べることが大切です。

原因は遺伝?猫種による違いや発症のしくみ

ねこちゃんのピルビン酸キナーゼ欠損症は、遺伝子の異常によって起こる病気です。

特に、以下の猫種で報告が多いとされています。

  • アビシニアン
  • ソマリ
  • ベンガル
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症に多いと言われている猫種|アビシニアン・ソマリ・ベンガル

ただし、特定の品種だけの病気ではなく、雑種のねこちゃんでも発症する可能性があります。
両親が遺伝子を持っている場合に発症するため、若いねこちゃんでも見つかることがあります。

検査・診断|血液検査と遺伝子検査でどうわかる?

ピルビン酸キナーゼ欠損症の診断には、血液検査が重要な役割を果たします。

主に行われる検査は以下の通りです。

  • 血液検査による貧血の評価
  • 赤血球の数や形の確認
  • 溶血の兆候がないかの確認
  • 必要に応じて遺伝子検査(確定診断)

貧血は、腎臓病・感染症・出血などでも起こるため、他の原因との鑑別がとても重要です。

治療とケア|完治は難しくても穏やかに過ごすには

現在の獣医学では、ピルビン酸キナーゼ欠損症を根本的に治す治療法は確立されていません

治療は、ねこちゃんの状態に応じた対症療法が中心となります。

  • 貧血が軽度の場合:経過観察
  • 症状が強い場合:輸血が必要になることも
  • 体調の波に合わせたサポート

すべてのねこちゃんが重症化するわけではなく、無症状~軽症のまま生活できるケースも多い病気です。

ご家庭でのサポート|気をつけたい日常のケアポイント

ピルビン酸キナーゼ欠損症のねこちゃんと暮らすうえで大切なのは、体調の変化に早く気づくことです。

飼い主さまに意識していただきたいポイントは以下です。

  • 無理な運動をさせない
  • 急な環境変化や強いストレスを避ける
  • 食欲・元気・呼吸の変化を観察する
  • 体調が悪そうな時は早めに受診する

日常の小さな変化が、早期対応につながります。

なぜ健康診断が大切?早期発見・経過観察のすすめ

ピルビン酸キナーゼ欠損症は、見た目だけでは判断が難しい病気です。

  • 若いねこちゃんでも発症する
  • 元気そうに見える時期がある
  • 症状が波のように変化する

このような特徴があるため、定期的な血液検査を含む健康診断が重要になります。
早めに状態を把握することで、ねこちゃんの生活の質を守ることにつながります。

よくあるご質問(FAQ)|猫のピルビン酸キナーゼ欠損症について

Q. 猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は治りますか?

A. 残念ながら、根本的に治す治療法は現在のところありません。
ただし、症状が軽く、長期間安定して生活できるねこちゃんもいます。

Q. どのくらい生きられますか?

A. 症状の重さによって異なります。
軽症の場合は、適切な管理で通常に近い生活ができることもあります。

Q. 必ず貧血になりますか?

A. 多くのねこちゃんで貧血が見られますが、程度には個体差があります。

Q. 繁殖しても大丈夫ですか?

A. 遺伝性疾患のため、繁殖は慎重に考える必要があります。
詳しくは獣医師にご相談ください。

Q. 元気そうでも検査は必要ですか?

A. はい。
症状が軽くても、定期的な検査で状態を把握することが大切です。

まとめ|「最近少し元気がない」その感覚が大切です

ねこちゃんのピルビン酸キナーゼ欠損症は、完治が難しい病気ではありますが、早く知り、正しく向き合うことで穏やかな生活を送ることができます

「最近ちょっと元気がないかも」
「疲れやすい気がする」

そんな小さな変化でも構いません。
気になることがあれば、いつでも池田動物病院へご相談ください。

猫のピルビン酸キナーゼ欠損症については池田動物病院へ|池田動物病院電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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