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川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。
膝蓋骨脱臼とは、膝のお皿が内側や外側にズレてしまう関節疾患です。
膝蓋骨脱臼は英語で『patellar luxation』と呼ばれることから、略して『パテラ』と呼ばれることがあります。
小型犬の場合、膝蓋骨が内側にずれる『内方脱臼』を起こすことが多いとされています。
その症状も、無症状のものから歩行障害まで様々です。
今回は、犬の膝蓋骨脱臼について、原因や日常生活での注意点、治療法などを説明していきたいと思います。
脱臼とは、骨が本来あるべき正常な位置にない状態をいいます。
その中で、膝蓋骨脱臼は、後肢の膝蓋骨が内側や外側に変位して起こる脱臼の状態です。
大腿骨の大腿骨小型犬種では、一般的に内側脱臼を起こすことが多いとされ、大型犬種は外側脱臼が多いとされます。
また、膝蓋骨は左右両側にあるため、左右のどちらかの後肢、または両側同時に起こる可能性もあります。
膝蓋骨脱臼の犬では、歩くたびに膝関節のズレを繰り返すため、膝軟骨表面に炎症や変形が生じたり、骨格に影響を及ぼすことがあります。
具体的には、スキップして歩く、後ろ足をケンケンして歩く、後ろ足を地面に着地しなくなってしまう、歩くときにキャンと鳴くなどです。
散歩中に急に座り込んでしまったり、立ち上がりにくそうにすることもあります。
また、抱っこをする際に、膝がポキポキ・コキコキと音を鳴らすこともあります。
脱臼の程度によって、グレード1からグレード4までに分類され、ほとんど症状の見られないものから、痛みや歩行障害を伴うものまで様々です。
無症状であっても、骨が変形するほど進行しているケースもあるため注意が必要です。
普段はほとんど無症状で飼い主さんが気づかないこともあります。何かの拍子に膝蓋骨がズレると、キャンと鳴いて後肢を挙げたり、スキップしているような歩行が見られます。
後肢を曲げ伸ばしすることで、自然に元に戻ったり、手で膝蓋骨を押してやることで、膝蓋骨を元に戻すことができます。脱臼時には、後肢を地面に着地できない状態になります。
後肢を曲げたままの状態で、うずくまるように歩きます。
後肢は曲げたままの状態で、うずくまるように歩きます。
犬の膝蓋骨脱臼は、トイ・プードル、ポメラニアン、チワワ、マルチーズ、ヨークシャテリア、パピヨンなどの小型犬種で発症しやすいとされていますが、柴犬、ゴールデン・レトリーバーなど全犬種でみられる病気です。
また、猫でも見られることがあります。
原因は、主に先天的要因が関係していると言われています。
子犬の頃から骨や関節、靭帯や筋肉に問題があり、成長に伴って進行してすることもあります。
後天的な要因としては、交通事故や階段やソファーなど高いとこからの転落、室内や屋外での運動時にぶつかったりひねったり、膝に強い力が加わることで生じます。
膝蓋骨脱臼を診断するには、歩行の検査や触診、レントゲン検査を実施します。
実際に歩いている姿を確認し、各足への体重のかかり具合や、動き始めの違和感などがないかどうかを診ます。
病院では緊張してしまい、動けなくなってしまう子もいるので、日常の散歩の様子や室内での歩き方を動画撮影してきていただくと、参考になることもあります。
触診では、実際に膝を触り、後肢を曲げ伸ばしをしたり、膝蓋骨を内側や外側に押すことで、膝蓋骨がズレるのかを確認します。
レントゲン検査では、膝関節を撮影します。膝蓋骨のズレだけでなく、周囲の骨の変形や関節炎の有無なども同時に評価します。
膝蓋骨脱臼が存在する場合には症状がほとんどない場合や、手術ができない場合には、保存療法を行います。
痛みの程度に応じて、鎮痛剤やサプリメントを処方します。
鎮痛剤の副作用が気になる場合には、漢方もおすすめです。
投薬に加え、運動制限や生活環境の改善、体重管理も必要です。
鍼治療やレーザー照射も痛みの緩和に効果的です。
ただし、これらは根本的な治療ではないため、症状がコントロールできずに悪化する場合もあります。
歩行の異常や痛みが頻繁にみられる場合や保存療法で悪化をする場合、根本的な治療を希望する場合には、外科手術を行います。
膝蓋骨脱臼を患っている場合、膝への負担を減らす生活を心がけることが大切です。
フローリングなどの滑りやすい床は、膝蓋骨脱臼発症のきっかけになりやすいため、マットを敷くなど足元が滑らない工夫が必要です。
階段の上り下りやソファーの上からのジャンプなども膝の負担になるため、生活環境を整える工夫が必要です。
適度な運動をし、膝蓋骨を支える後肢の筋肉を保つよう心がけましょう。
ただし、痛みが強い場合は安静が必要です。体重管理も重要となります。
適正体重を知り、維持するよう心がけましょう。
また、爪や肉球の間の毛が伸びていると、滑りやすくなるため、定期的にお手入れをお勧めします。
犬の膝蓋骨脱臼は、小型犬に多く見られる病気です。
子犬の頃から、一生の付き合いになることもあります。
生活環境や体重などに気を付けることで、症状が悪化を予防することもできますが、気を付けた生活をしていても、歩行の異常や痛みなどの症状が改善しないこともあります。
症状が見られたら我慢せず、早めに動物病院を受診してください。
名取(獣医師)
生まれ変わっても猫と暮らしたい。
IKEDA ANIMAL HOSPITAL
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