【猫の冬の冷え・関節トラブル】東洋医学でできるケアと漢方|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

冬になると、ねこちゃんの様子に小さな変化が現れることはありませんか?

  • 高い場所に登らなくなった
  • ジャンプの失敗が増えた
  • いつもより動きがゆっくり
  • 寒い日はこたつや布団から出てこない
  • トイレまで行くのに時間がかかる
  • 寝ている時間がさらに増えた

こうした変化は、冬の“冷え”や“腎の弱り”が影響している東洋医学的サインです。

東洋医学では、冬は体を温める力=「陽気(ようき)」が不足しやすく、生命力の源である「腎(じん)」も弱りやすい季節とされています。
腎は、足腰・関節・骨・元気の維持をつかさどっているため、冬になると冷えによる関節トラブルや動きの鈍さが表面化しやすくなります。

この記事では、ねこちゃんの冬の不調を東洋医学の視点からわかりやすく解説し、ご家庭でできるケアや、当院で行っている漢方治療についてご紹介します。

池田動物病院の東洋医学(漢方・鍼灸)診療のご案内|武蔵小杉・川崎市
目次

冬は「腎」と「関節」に影響が出やすい季節

冬の寒さで丸くなり、優しい表情で温まっているねこちゃんのイラスト

冬は自然界の“寒邪(かんじゃ)”が強くなることで、身体を内側から冷やす季節です。
特に影響を受けやすいのが「腎(じん)」という臓腑です。

腎は、

  • 身体を温める働き(陽気)
  • 骨・関節・足腰の健康
  • 若さや生命力
  • 水分代謝(尿の調節)

などをつかさどっています。

冬に腎が弱ると、
冷え→血流低下→関節のこわばり→動きの鈍さ・ジャンプ力低下
という流れが起こりやすくなり、特にシニア猫ではこの変化が顕著です。

猫が冬に見せる“冷え”のサイン

ねこちゃんは不調を隠す動物ですが、冬になると次のようなサインが見られることがあります。

ゆっくりしか歩かない

筋肉・関節が冷えてこわばっている可能性があります。

高い場所に登らなくなる

「痛い・不安定・踏ん張れない」などの違和感のサイン。

ずっと同じ場所で丸まっている

特に暖房の近くやこたつから動かない場合、強い冷えの可能性。

トイレの失敗や移動の遅さ

踏ん張る力が弱ったり、歩く動作がぎこちなくなっているサインです。

食欲にムラが出る

冷えや陽気不足は胃腸の働きにも影響します。

関節トラブルが悪化しやすい猫のタイプ

冬の影響を受けやすいねこちゃんには共通点があります。

  • シニア猫(7歳以上)
  • 慢性腎臓病の既往がある猫(腎虚になりやすい)
  • 肥満気味の猫(関節負担が大)
  • 高い場所に登る習慣がある猫
  • 毛づくろいが減ってきた猫

特に腎臓病を持つねこちゃんは東洋医学的にも「腎虚」に分類されることが多く、冬に足腰の弱りが強く出ることがあります。

東洋医学での見立て:猫の冬の体質タイプ

冬の不調を東洋医学では以下の3タイプで考えます。

腎虚(じんきょ)

“身体のエネルギーが減っている状態”

  • 足腰が弱る
  • ジャンプ力が落ちる
  • 毛づやがなくなる
  • 眠ってばかりいる

シニア猫にとても多い体質です。

陽虚(ようきょ)

“身体を温める力が弱っている状態”

  • 寒がり
  • 布団にもぐる
  • 朝の動きが鈍い
  • 冬に下痢をしやすい

瘀血(おけつ)

“血の巡りが悪くなっている状態”

  • 動き始めが痛そう
  • 関節のこわばり
  • 身体の一部が冷たい

ねこちゃんは痛みを隠すため、このタイプは見逃されやすいです。

自宅でできる冬の東洋医学ケア

ベッドの“底冷え”対策

床からの冷えは腎をさらに弱らせます。
ふわふわのベッドや段差のある寝床にして体温を保ちましょう。

好きな“暖かい場所”を増やす

ねこちゃんは環境温度に敏感です。
ひなた、こたつ、ペット用あんかなど複数の選択肢を作ると良いです。

高い場所へ登るステップの設置

冬は関節がこわばりジャンプが負担になります。
ソファーやキャットタワーに踏み台をつけて安全に配慮しましょう。

やさしい温灸

ねこちゃんは熱に敏感なので、短時間でOKです。
腰~お尻周りに10~15秒程度、距離を保って温めます。

温かく・水分多め”の食事

  • ウェットにぬるま湯を足す
  • スープを加える
  • 冷たいお水は避ける

腎臓ケア中のねこちゃんにもおすすめです。

冬におすすめの漢方

当院では、ねこちゃんの体質を見ながら慎重に漢方を選びます。

源気(げんき)

腎を補い、身体を温める力を高める漢方。

腎固(じんこ)

腎を補う漢方。

潤華(じゅんか)

血を補いながら腎も支える漢方。

※ねこちゃんは代謝が敏感な動物のため、必ず診察と体質判断のもとで処方します。

漢方を飲ませるのは大変というねこちゃんには、塗る漢方もおすすめです。

まとめ|冬は「冷え・腎・関節」のトラブルに注意

冬は、ねこちゃんにとって動きが鈍くなりやすい季節です。

「高い場所へのジャンプをためらう」
「いつもより動かない」
「寝てばかりいる」
「トイレの移動がゆっくり」

こうした冬の変化は、冷え・腎虚・瘀血など東洋医学的な不調のサインかもしれません。

池田動物病院では、東洋医学診療温灸体質に合わせた漢方処方食養生のアドバイス西洋医学との併用治療を組み合わせ、ねこちゃんが冬を快適に過ごせるようサポートしています。

小さな変化でも、気になることがあればお気軽にご相談ください。

東洋医学の診療は、名取獣医師が担当いたします。
初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

池田動物病院の電話予約はこちら|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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