猫の熱中症を防ごう|川崎市の高温多湿の夏に気をつけたいポイント

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

夏の到来とともに、ねこちゃんにとっても危険な季節がやってきます。
近年は地球温暖化の影響もあり、川崎市の夏は年々暑さが厳しさを増しています。
完全室内飼いのねこちゃんであっても、熱中症にかかるリスクは決してゼロではありません。

本記事では、ねこちゃんの熱中症について、発症の仕組み・原因・初期症状・応急処置・後遺症・予防法などをわかりやすく解説いたします。
ねこちゃんと暮らす飼い主さまにとって、大切な家族を守る知識となる内容です。
どうぞ最後までご覧ください。

暑さでぐったりしている猫(熱中症のような症状が見られる)
目次

猫も熱中症になる!川崎市の夏に潜むリスクとは

ねこちゃんの熱中症とは、体温が異常に上昇し、体内の生理機能が破綻する緊急性の高い疾患です。
体温が40.5℃を超えると、心臓・肝臓・腎臓などの重要な臓器がダメージを受け、命にかかわることもあります。

ねこちゃんは汗腺が肉球にしかなく、ヒトのように全身で汗をかいて体温を下げることができません。
そのため、暑い室内で体温が上昇しても、うまく放熱できず、短時間で熱中症に至る可能性があります。

特に以下の猫は熱中症リスクが高まります。

  • 7歳以上の高齢猫
  • 肥満体型の猫
  • 長毛種の猫(ペルシャ、メインクーンなど)
  • 短頭種の猫(ペルシャ、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤンなど)
  • 呼吸器や心臓に持病を抱えている猫

猫の熱中症の初期症状|早期発見がカギ

ねこちゃんの熱中症は、初期症状を見逃すと急速に重症化します。
飼い主さまが異変に気づき、迅速に対応することが何より大切です。

よくある初期症状のサイン

  • 呼吸が速くなる(パンティング)
  • よだれを垂らす
  • 耳や肉球が異常に熱くなる
  • 食欲がなくなる
  • 水を飲まなくなる
  • 動きが鈍くなる、ぐったりする

これらの症状は、「なんとなく元気がない」程度に見えることが多く、見落とされがちです。
しかし、放置すると次第に意識がもうろうとし、けいれんや失禁、昏睡といった重篤な症状へと進行していきます。

猫が熱中症になる原因|室内でも注意すべき4つのポイント

完全室内飼育のねこちゃんでも、以下のような状況下では熱中症を発症します。

1.エアコン未使用による室温上昇

真夏の閉め切った部屋では、室温が30℃を超えることは珍しくありません。
お留守番中にエアコンを切ってしまうと、ねこちゃんは自力で涼しい場所に移動できない場合もあり、熱中症のリスクが急上昇します。

2.湿度の高さ

室温だけでなく、湿度の高さも体温調節に影響します。
湿度が60%を超えると、ねこちゃんが放熱できる効率が低下します。
特に日本の夏は「高温多湿」であり、湿度管理は必須です。

3.水分摂取不足

ねこちゃんは喉の渇きを感じにくいため、水分をとる量が少ない傾向にあります
このため、脱水状態に陥りやすく、体温調節がうまくいかず熱中症になりやすいのです。

4.直射日光や換気不足

窓際で長時間過ごすねこちゃんは、直射日光によって体温が上昇します。
さらに、換気のわるい室内では熱がこもり、逃げ場のないサウナ状態になることもあります。

猫の熱中症を防ぐには?今日からできる5つの予防法

ねこちゃんの熱中症は、日頃の環境管理で確実に予防できます
以下の5つのポイントを意識しましょう。

1.室温管理(24~26℃)

日中だけでなく、夜間や留守番中もエアコンを適切に設定しておきましょう。
タイマーや自動運転機能を活用し、快適な温度をキープすることが重要です。

エアコンと団扇で涼んでいる猫(熱中症対策をしている様子)

クーラーを使用していても、クーラーの風を嫌がり、別室に移動してしまうねこちゃんも少なくありません。
こういう場合は、ねこちゃんが過ごしているお部屋の隣の部屋でクーラーをつけ、扉を開けておくなどして、室内に熱がこもらないようにしてあげましょう。

2.湿度管理(50~60%)

湿度が高すぎると、ねこちゃんの熱放散が妨げられます。
エアコンの除湿モードや除湿器を使い、湿度管理を徹底しましょう。

3.水分摂取の工夫

水を飲んで水分補給をしている猫(脱水対策をしている様子)

ウォーターファウンテンや氷を浮かべた水など、ねこちゃんが興味を持ちやすい方法で水分摂取を促します。
複数の部屋に水を置くのも効果的です。

4.ひんやりグッズの活用

アルミ製のマット、冷感ジェルシート、タイルなどを部屋の複数の場所に置いて、ねこちゃんが自分で涼しい場所を選べるようにしましょう。

5.日差し・換気対策

UVカットカーテン、すだれ、ブラインドなどを活用して直射日光を防ぎましょう。
定期的に窓を開けて空気の入れ替えをするのも効果的です。

猫に熱中症の症状が現れたときの応急処置とは

もしもねこちゃんに熱中症の兆候が現れたら、すぐに以下の処置を行ってください

  1. 涼しい場所に移動させる
  2. 濡らしたタオルで体を包む
  3. 扇風機で風を当てて冷やす
  4. 水を飲ませる(無理に与えない)
  5. すぐに動物病院へ連絡・受診

氷水を直接当てたり、保冷剤を裸で使うのは逆効果です。
血管が収縮して熱がこもる場合があります。

猫の熱中症と後遺症|回復後の注意点も確認

一命をとりとめても、熱中症は臓器に大きなダメージを残すことがあります

代表的な後遺症には以下があります。

  • 脳障害(けいれん、行動異常など)
  • 腎機能障害(尿の出が悪くなる、慢性腎不全)
  • 肝機能障害(食欲不振、嘔吐)

また、一度熱中症になったねこちゃんは、再発しやすい体質になる可能性があります
そのため、今後の生活環境にはよりいっそうの配慮が求められます。

まとめ|猫の熱中症は予防と早期対応が命を守ります

ねこちゃんの熱中症は、完全室内飼育だからといって安心できるものではありません
川崎市のような高温多湿の地域では、温度・湿度管理と水分補給の工夫が必須です。

飼い主さまのちょっとした配慮が、ねこちゃんの命を守ります。
この夏も、大切な愛猫が健康に過ごせるように、できる対策を今日から始めてみませんか?

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護士

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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