猫のリンパ腫|見逃しやすい初期症状と早期発見のポイント【池田動物病院|川崎市中原区】

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

ねこちゃんに多く見られる腫瘍のひとつに、「リンパ腫」があります。
特に中高齢のねこちゃんに多く、がんの一種であるため、発見が遅れると進行してしまうことがあります。

この記事では、「猫のリンパ腫とはどんな病気か?」という基礎知識から、見逃しやすい初期症状、リンパ腫の種類、診断方法、早期発見のポイントまで、獣医師の視点からわかりやすく解説いたします。

目次

猫のリンパ腫とは?

真剣な表情をしたキジトラ猫のアップ。猫のリンパ腫の初期症状に気づくための観察ポイントを示すイメージ。

リンパ腫の概要と特徴

リンパ腫とは、リンパ球という白血球の一種ががん化し、リンパ組織を中心に全身の臓器へ広がる腫瘍です。
ねこちゃんにおいては、犬に比べて多様な部位に発生しやすく、症状もさまざまです。

発症しやすい年齢やリスク因子

中高齢のねこちゃんに多く見られるほか、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染している場合、リンパ腫のリスクが高まるといわれています。

猫に多いリンパ腫の種類と症状

消化器型リンパ腫

もっとも一般的なタイプで、高齢のねこちゃんに多く見られます。
腸や胃などに腫瘍ができ、慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振、体重減少などの症状が出ます。
進行すると栄養が吸収できず、痩せ細ってしまうこともあります。

縦隔型リンパ腫

若いねこちゃんに多く、胸の中心部(縦隔)に発生します。
腫瘍や胸水の影響で、呼吸困難や元気の低下が見られます。
猫白血病ウイルスとの関連性が高いタイプです。

多中心型リンパ腫

複数のリンパ節が同時に腫れるタイプで、あごの下、わきの下、後ろ足の付け根などでしこりが触れることがあります。
しこりはコリコリとした感触が特徴です。

節外型リンパ腫

リンパ節以外(皮膚、鼻腔、腎臓、中枢神経など)に発生します。
皮膚型ではしこりや脱毛、鼻腔型では鼻血や顔の変形、神経型ではけいれんやふらつきが見られることもあります。

リンパ腫の初期症状と見逃しやすいサイン

代表的な初期症状

フードボウルの前で食欲がなく元気のない様子の茶トラ猫。猫のリンパ腫に見られる食欲不振のイメージ。

リンパ腫の初期症状はあいまいで、風邪やストレスと間違えられることが多いです。

以下のような症状が続く場合は注意が必要です。

  • 食欲不振
    ごはんを残す、好きなおやつにも反応しない
  • 体重減少
    ダイエットしていないのに痩せてきた
  • 嘔吐・下痢
    特に1週間以上続く場合
  • 元気がない
    遊ばない、寝てばかり、反応が鈍い
  • 呼吸の異常
    口を開けた呼吸、苦しそうな息づかい
  • しこりの発見
    首元や足の付け根に硬いしこりが触れる

これらは一見軽い不調に思えるかもしれませんが、リンパ腫の兆候である可能性もあるため、様子をよく観察しましょう。

動物病院での検査と診断方法

身体検査・血液検査

身体検査と触診でしこりの有無やリンパ節の腫れを確認します。
血液検査では貧血やFeLV/FIVの有無もチェック。

画像診断・細胞診

エコーやレントゲンで内臓の状態や胸水を調べます。
また、しこりから細胞を採取してがんの性質を調べる細胞診も重要です。

飼い主さまができる早期発見のための習慣

食事・排泄・体重のチェック

毎日の食事量やトイレの状態を記録しておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。

スキンシップと行動観察

スキンシップ中にしこりがないか触れてみましょう。
また、おもちゃへの反応や歩き方の変化も見逃さないようにしましょう。

まとめ|早期発見がねこちゃんの未来を守ります

ねこちゃんは不調を隠す動物といわれています。
だからこそ、飼い主さまが「いつもと違うかも?」と感じたら、すぐに動物病院にご相談いただくことが大切です。

池田動物病院では、川崎市中原区・武蔵小杉エリアで地域に根ざした医療を提供しております。
「最近、ねこちゃんの様子が少し変かも」と感じたら、どうぞお気軽にご来院ください。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

院長 石井 隼

あなたは犬派?猫派?どっち派?

わたしは…どっちも好き!とどちらか選べない院長です。

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