チンチラの低体温症とは?原因・症状・対処法をやさしく解説【川崎市・池田動物病院】

こんにちは。
川崎市中原区・武蔵小杉駅近くの池田動物病院です。

もふもふの毛並みが特徴のチンチラさん。
寒さに強いと思われがちですが、実は「湿気や急激な寒暖差」にとても弱い動物です。
特に冬場の夜間や季節の変わり目などは、体温を保つのが難しくなり、知らない間に「低体温症」に陥っていることも少なくありません。

この記事では、チンチラさんの低体温症について、原因・症状・対処法・予防策までを詳しくご紹介いたします。
初心者の飼い主さまにもわかりやすくまとめましたので、ぜひ日々のお世話の参考にしてください。

体を縮めて寒そうに丸まり、凍えている様子のチンチラのリアルなイラスト。毛並みはふわふわで、鼻や耳に寒さを感じさせる表情が描かれている。
目次

【チンチラの飼育温度と湿度】低体温を防ぐための理想環境とは?

チンチラさんは、アンデス山脈の標高の高い地域に生息していたため、「乾燥した涼しい環境」を好みます。
ただし、日本の気候は高温多湿になりやすく、油断していると温度・湿度が大きく変動してしまいます。

  • 理想的な室温
    16〜22℃(上限は25℃程度)


  • 湿度の目安
    40〜60%


  • 体温の正常範囲
    37〜39.5℃前後

ペットとして暮らすチンチラさんは、野生に比べて暑さや寒さに弱いため、温度と湿度をなるべく一定に保つ必要があります。
チンチラさんのケージが窓際や玄関付近にある場合、夜間や朝方に急激に冷え込むリスクがあります。
冷気が直接当たる場所は避け、温湿度計を設置して常にチェックしましょう。

【低体温症の原因】室温・湿度・体調不良との関係

低体温症とは、体温が正常よりも著しく下がり、身体の機能に異常が出ている状態を指します。
以下のような原因が考えられます。

  • 夜間に暖房が切れてしまった
  • エアコンの風が直接当たっていた
  • ぬれた床材やトイレで寝てしまった
  • 寒い室内で砂浴びをして身体がぬれたまま冷えた
  • 体調不良による自己発熱機能の低下
  • 換毛期や高齢・幼齢による体温調節機能の低下

とくに、体力のない子どものチンチラさん高齢のチンチラさんは、自分で体温を保つ力が弱くなっているため注意が必要です。

【低体温症の症状チェック】早期発見のためのポイント

  • うずくまって動かない、反応が鈍い
  • 耳・足・しっぽが冷たい
  • 身体を小さく丸めてふるえている
  • 食欲がない、お水を飲まない
  • 呼吸が浅く速い、または不規則になる
  • けいれんや脱力、意識がもうろうとする

初期の段階では「ちょっと元気がない」程度に見えることもありますが、進行すると命にかかわるケースもあります。
体温が急激に下がると、内臓の機能がうまく働かなくなり、重度のショック状態に陥ることもあります。

【応急処置ガイド】低体温時の正しい保温方法と注意点

「低体温かも?」と思ったときは、まず落ち着いて次のような対処を行いましょう。

  1. 室温を上げる(20〜25℃を目安に)
  2. ケージ全体を毛布で覆うなどして保温する
  3. 湯たんぽやペットヒーターを使う(低温やけどに注意)
  4. ぬれている部分を清潔なタオルでやさしく拭く
  5. フリースなどの保温素材でくるんであげる

応急処置をしても元気が戻らなかったり、食欲が出ない場合は、すぐに動物病院へご連絡ください。
無理に食べさせたり、長時間保温しすぎて逆に体温を上げすぎないよう注意が必要です。

【受診の判断】チンチラを動物病院に連れていくべき症状とは?

  • 保温しても体温が戻らない
  • 食欲がなく、お水も飲まない
  • 呼吸が荒い、けいれんが出ている
  • 意識がもうろうとしている
  • 身体の一部が異常に冷たい

少しでも「いつもと違う」と感じたら、迷わず受診しましょう。
特に、チンチラさんを診療しているエキゾチックアニマル対応の病院を選ぶと安心です。

【低体温症の予防策】冬場に注意すべき飼育ポイントまとめ

  • 温湿度計を設置して常に確認する
  • ケージの場所を見直す(窓際・玄関近くNG)
  • 夜間や留守中も冷暖房を切らない設定にする
  • 床材は毎日交換し、乾燥状態を保つ
  • 巣箱や寝床に保温性の高い素材を使用する
  • 砂浴びは室温が高い時間帯に行うようにする
  • 寒波の時期はヒーターや湯たんぽを活用する

特に秋冬シーズンは、急激な気温の低下に注意してください。
季節の変わり目は、飼い主さまが気温に慣れてしまっているぶん、動物の変化に気づきにくくなりがちです。

よくある質問(FAQ)

Q. チンチラの耳や足が冷たいのは低体温症ですか?

A. 耳や四肢が冷たくなるのは初期症状の可能性があります。
体温計測や観察を行い、異常があれば早めの対処を。

Q. 低体温症は1回治れば再発しませんか?

A. 再発のリスクはあります。
原因が環境や体調にある場合は継続的な温度管理が必要です。

Q. 夜間だけ室温が下がるのは問題ですか?

A. はい、チンチラは急な気温の変化に弱いため、夜間も一定の温度維持が必要です。

まとめ|チンチラの命を守るのは毎日の「気づき」です

チンチラさんは環境の変化にとても敏感で、寒さや湿気が原因で体調を崩すことがあります。
特に「低体温症」は、見逃してしまうと命にかかわる重い病気です。

毎日の観察で「少し元気がないかも」「なんだか動きが鈍いな」と感じたときは、どうぞ迷わずご相談ください。

川崎市中原区・池田動物病院では、チンチラさんをはじめとするエキゾチックアニマルの診療を行っております。
どんな小さなご不安でも、お気軽にお電話ください。

チンチラさんを含むエキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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