【チワワに多い病気とケア】水頭症・気管虚脱・目のトラブルなど注意点と対策を解説｜池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

つぶらな瞳とコンパクトな身体が魅力のチワワさん。
愛らしい存在ですが、その小さな身体には独特の構造があり、他の犬種とは異なる病気のリスクを抱えています。

この記事では、特に注意したい水頭症、角膜炎などの目のトラブル、気管虚脱、僧帽弁閉鎖不全症、低血糖について、それぞれの症状と当院での対応方法をご紹介します。
また、チワワさんのケアに役立つ東洋医学のアプローチについても触れています。

チワワの身体の特徴と病気のリスク

チワワさんは、身体全体が小さく、骨や内臓、関節などが非常に繊細です。
頭頂部が丸く出ている「アップルヘッド型」の頭や、突出した大きな眼、狭い口腔内など、見た目にも特徴があり、それぞれの構造が健康管理にかかわってきます。

• 頭と脳のバランスが崩れやすく、水頭症のリスクがある
• 気管や心臓などの呼吸・循環器系がコンパクトで負担がかかりやすい
• 歯が密集しやすく、歯周病や口腔トラブルが起こりやすい

こうした特性から、日常のちょっとした変化にも注意を払うことが、病気の早期発見につながります。

チワワに多い代表的な病気と症状・対策

水頭症とは？小型犬に多い脳の病気とそのケア

脳の中を循環する脳脊髄液が過剰にたまることで、脳に圧がかかり、神経症状を引き起こします。
チワワさんのような頭部が小さい犬種では、先天的に発症することが多いです。

主なサイン

• 壁に頭を押し付けるような行動
• ふらつき、同じ場所をぐるぐる回る
• けいれん発作、反応が鈍い

当院では、神経学的な診察や画像診断を行い、必要に応じて内科治療や鍼灸などを組み合わせて対応しています。

角膜炎・目のトラブル｜チワワの大きな目に多い疾患

大きな眼は傷がつきやすく、涙の分泌量やまぶたの形も関係して炎症が起きやすくなります。

主なサイン

• 目を細める、しょぼしょぼする
• 涙が多い、目やにが増える、充血
• 前足で顔をかく仕草

日常的に目のまわりを清潔に保ち、症状があれば早めに受診をしましょう。
必要に応じて点眼や内服に加え、東洋医学では肝の働きを整える漢方を用いたサポートも行っています。

気管虚脱｜咳や呼吸の異常に注意

呼吸時に気管が潰れてしまう状態で、超小型犬のチワワさんに多い疾患です。

主なサイン

• ガーガーという咳、ゼーゼーとした呼吸音
• 運動後や興奮時に息苦しそうにする
• 首輪で引っ張ると咳き込む

予防としては、ハーネスの使用（下記FAQ参照）や体重管理、室内の空調管理が大切です。
当院では咳の程度や呼吸の検査をもとに、薬の処方や生活環境のアドバイスも行っています。
また、東洋医学的なケアも行っています。

僧帽弁閉鎖不全症｜中高齢チワワに多い心臓病

心臓の弁がしっかり閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
小型犬に多く見られ、チワワさんも中高齢になると注意が必要です。

主なサイン

• 初期には無症状なことも多く、健診で心雑音が発見のきっかけになる
• 咳が出る、お散歩を嫌がる、疲れやすい

当院では定期的な心エコー検査や聴診を通じて早期に発見し、投薬管理のほか、漢方薬を使った循環機能のサポートも行っています。

低血糖｜小柄な子犬に多い急変トラブル

小柄で食の細い子に起こりやすく、子犬のチワワさんでは特に注意が必要です。
空腹時間が長いと、体内の血糖が急激に下がってしまうことがあります。

主なサイン

• 急にふらつく、元気がなくなる
• けいれん、失神

小分けにしてお食事を与えることが重要です。
当院では、食事内容や間隔のアドバイスに加え、脾の働きを整える漢方薬なども取り入れています。

その他：膝蓋骨脱臼・歯科トラブル｜小型犬に共通する注意点

小型犬全般に多い病気ですが、チワワさんにもよく見られます。

• 膝蓋骨脱臼（パテラ）
  膝のお皿がずれてしまい、歩き方に違和感が出ます。
  滑りやすい床やジャンプが多い生活環境では悪化しやすいです。

• 歯科トラブル
  歯が密集しているため、歯垢・歯石がつきやすく、歯周病から内臓疾患に発展することもあります。

チワワの健康チェックリスト｜日常の観察ポイント

• 歩き方に違和感がないか、階段や段差を嫌がらないか
• 咳や呼吸が気にならないか
• 目や耳、顔まわりにかゆみや異常がないか
• 食欲や排泄、体重の変化に気づいているか
• 口の中のにおいや歯ぐきの色などにも注目しましょう

池田動物病院のチワワ向け東洋医学的ケア

東洋医学の診療は、名取獣医師が担当いたします。
初診の方は、お電話（044-433-2274）でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

よくあるご質問

Q. 水頭症は治りますか？

A. 完全に治すのは難しいこともありますが、症状を抑えてQOL（生活の質）を保つことは可能です。
早めの相談が大切です。

Q. チワワには首輪とハーネス、どちらが良いですか？

A. 気管虚脱を避けるためにも、首への負担が少ないハーネスをおすすめしています。

当院おすすめの気管サポートハーネス

当院では、気管を圧迫しにくいやさしいハーネスを取り扱っています。

Q. 子犬がふらついています。低血糖かもしれませんか？

A. その可能性があります。
すぐに受診し、お食事の見直しや必要なケアを行いましょう。

Q. 鍼灸や漢方はチワワでも使えますか？

A. はい。
体質に合わせて無理なく行えますので、ご安心ください。

まとめ｜チワワの病気予防と長く健康に暮らすために

チワワさんは、その小さな身体にたくさんの個性と愛らしさを持っています。
その分、ちょっとした異変が病気のサインであることも少なくありません。

普段の様子をよく観察し、早めの受診・ケアを心がけることで、大切なチワワさんとの暮らしがより穏やかで健やかなものになります。

当院では、外科・東洋医学などが連携し、総合的にサポートしています。

「なんとなく気になる」というタイミングでこそ、お気軽にご相談ください。

この記事の執筆・監修 
執筆：菊地（さ）　愛玩動物看護師
監修：名取　獣医師