【フェレットの病気ガイド】インスリノーマ|症状・治療・予防をやさしく解説|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。​

「最近ふらついている気がする」
「ごはんを食べているのに痩せてきた」
――そんな様子に心当たりはありませんか?

フェレットさんによく見られる病気のひとつに「インスリノーマ(膵臓腫瘍)」があります。
これは、インスリンという血糖値を下げるホルモンが過剰に分泌される病気で、特に中高齢のフェレットさんで多く見られます。

この記事では、インスリノーマの原因・症状・治療法・予防のポイントを、フェレット初心者の方にもわかりやすく解説いたします。

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目次

【インスリノーマとは】フェレットに起こる膵臓腫瘍の基礎知識

インスリノーマとは、膵臓にできる腫瘍の一種で、インスリンというホルモンを過剰に分泌する腫瘍です。
インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、これが過剰に出ると「低血糖(ていけっとう)」という危険な状態を引き起こします。

フェレットさんは糖の代謝に敏感な動物で、低血糖になると体調を大きく崩し、命にかかわることもあります。

原因・リスク要因|何が発症を引き起こすか

インスリノーマの原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

  • 年齢
    4歳以上の中高齢のフェレットさんに多く見られます

  • 食生活
    高糖質のお食事(甘いおやつや果物、ヒトの食べ物など)

  • 肥満や代謝異常

  • 遺伝的な要因
    一部の血統や繁殖ラインによっては発症リスクが高まる可能性があります

インスリノーマの症状チェック|フラフラ・けいれん・体重減少など

元気がなく痩せた様子でふらついているフェレット。被毛は少し乱れており、表情には疲れが見える。

インスリノーマの症状は、「低血糖」が引き起こす神経系への影響として現れます。

特に以下のようなサインは要注意です。

  • フラフラ歩く、バランスを崩す
  • ぼんやりして反応が鈍い
  • 倒れる、けいれんする
  • 食欲がなくなる
  • よだれを垂らす、口をくちゃくちゃする
  • 体重が減少する
  • 急に元気がなくなる、寝てばかりになる

これらの症状は一時的に回復することもあるため、つい見過ごしがちですが、繰り返す場合はすぐに受診しましょう。

診断法ガイド|血糖値・画像検査でどう判断するか

インスリノーマの診断は、主に以下の方法で行います。

  • 血糖値の測定
    空腹時に60mg/dL以下の低血糖が見られると疑われる

  • 血液検査
    他の病気との鑑別や健康状態のチェック

  • 超音波検査や画像診断
    膵臓や他臓器の異常を確認する

これらの検査を組み合わせて、総合的に判断します。

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治療とケア|薬・食事・管理で生活質を保つ

インスリノーマは完治が難しい病気ですが、早期に発見し、適切に管理することで、フェレットさんの生活の質(QOL)を保つことができます。

1. 食事療法

  • 高たんぱく・低糖質のフェレット専用フードを選びましょう
  • 空腹時間を作らないよう、1日3〜5回の少量頻回給餌が基本です
  • おやつは控えめにし、甘いものは避けましょう

2. 薬物療法

  • ステロイド剤
    血糖値を安定させるために使用されることがあります
  • ジアゾキシド
    インスリンの分泌を抑制するお薬(場合により使用します)
  • 症状が重い場合や進行している場合は、獣医師の指導で適切な薬を使用します

3. 緊急時の対応

  • 意識がもうろうとする・倒れた・けいれんがある場合は、すぐに砂糖水を口の中に少量含ませるなどの応急処置をし、早急に病院へ連れて行きましょう
    (※必ず事前に獣医師に確認しておくと安心です)

こんなときは受診を|早めに対応したいサイン

以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • ごはんを食べているのに体重が減っている
  • フラフラしている、倒れそうになる
  • 舌を出す、よだれが多い
  • 意識がもうろうとしている時間がある
  • いつもより活動量が極端に少ない

これらのサインは、命にかかわる病気の可能性があります。

予防と管理のヒント|食事・体重・定期健診でサポート

インスリノーマを完全に予防することは難しいですが、日々の生活の中で発症リスクを下げることはできます。

  • 栄養バランスの整ったフェレット用フードを与える
  • 甘いおやつやヒトの食べ物は与えない
  • 肥満にならないよう、体重管理をする
  • ストレスを減らし、静かで落ち着いた環境を整える
  • 年1回以上の健康診断を受ける(高齢期は半年に1回程度)

よくある質問(FAQ)

Q. インスリノーマは完治しますか?

A. 完治は難しい病気ですが、適切な治療と管理で長く穏やかに暮らすことができます

Q. 手術で治せますか?

A. 症例によっては手術が選択されることもありますが、再発リスクや高齢個体への負担も考慮する必要があります。

Q. 予防接種で防げますか?

A. インスリノーマには予防接種はありません。
食事・生活環境の管理と定期的な検査が予防のカギです。

まとめ|インスリノーマは早期発見と管理が大切

フェレットさんはとても感受性の高い動物で、病気のサインを隠してしまう傾向があります。
日々のちょっとした変化に気づけるかどうかが、健康を守る第一歩です。

「最近様子が変だな」と思ったら、迷わず動物病院を受診しましょう。

川崎市中原区の池田動物病院では、フェレットさんをはじめとしたエキゾチックアニマルの診療にも対応しています。
ご相談だけでもお気軽にどうぞ。

川崎市・武蔵小杉の池田動物病院|動物のお悩み・診療のご相談は044-433-2274まで(お電話でご予約ください)

フェレットさんを含むエキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:鈴木 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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