【ハムスターの下痢】原因・治療・家庭での注意点|獣医師が監修|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

小さな身体と愛らしい動きで、多くのご家庭で癒しを届けてくれるハムスターさん。
しかし、そんなハムスターさんが「下痢」をしている様子を見かけたとき、「ちょっと体調が悪いのかな」と軽く考えてしまっていませんか?

実は、ハムスターさんの下痢は命にかかわる重大な症状であり、早急な対応が必要なケースも多く見られます。
特に身体の小さいハムスターさんは、数時間で急変することもあります。

この記事では、ハムスターの下痢について原因・症状・治療・予防までを飼い主さま向けにわかりやすく解説いたします。

目次

ハムスターの下痢とは?下痢と軟便の違い

下痢でお尻が汚れているハムスター。茶色と白の毛並みで立ち姿、大きな黒い瞳が特徴。

通常、健康なハムスターさんの便は、黒~こげ茶色で乾燥したコロコロした形状です。

しかし、以下のような場合は「下痢」を疑いましょう。

  • 便が水っぽい
  • 形が崩れている
  • べたついている
  • 強いにおいがする
  • お尻が濡れている

「軟便」は、一時的なストレスで起きることがありますが、べたつく便が続く場合は病的な下痢です。

ハムスターの下痢の主な原因

食事や感染症、環境変化など、さまざまな要因が考えられます。

食事の変化・おやつの与えすぎ

急なフード変更、ヒトの食べ物(乳製品、果物、パンなど)や甘いおやつを与えることで、腸内のバランスが崩れ下痢になることがあります。
ヨーグルトやパンは消化に向いておらず、特に注意が必要です。

水分の摂りすぎ

レタスやキュウリなど、水分の多い野菜を与えすぎると腸の動きが過剰になり、水様便が出やすくなります。
与える場合はごく少量にしましょう。

飼育環境の変化・ストレス

掃除不足、温度や湿度の急激な変化、騒音、ケージの移動なども、ハムスターさんの免疫を低下させ、腸の働きを乱します(ストレス性の下痢)。
特に、湿度が高い梅雨時期は注意が必要です。
ハムスターさんは非常に繊細な生き物です。

細菌・寄生虫・ウイルス感染症

「ウェットテイル(湿った尻尾病)」と呼ばれる下痢は、主に子ハムスターに多く、細菌(大腸菌、サルモネラ)や寄生虫(ジアルジア、クリプトスポリジウム)感染が原因です。
重症化しやすく、命にかかわることもありますので、早急な治療が必要です。

腸疾患や腫瘍

高齢のハムスターさん(特に2歳以上)では、腸管の腫瘍や慢性の腸炎が下痢の原因になっていることもあります。
慢性化している場合には精密検査が必要です。

ハムスターの下痢の症状とチェックポイント

便だけでなく、全身の変化を見逃さないようにしましょう

以下のようなサインが見られたら、注意が必要です。

  • 便が水っぽく、お尻や巣箱が汚れている
  • 被毛がベタつき、においがきつくなる
  • 食欲がなくなる(好物にも反応しない)
  • 動かずじっとしていることが多い、活動量が著しく低下する
  • 呼吸が浅く早い
  • 痩せてきた、背骨がゴツゴツ当たる
  • 抱き上げたとき、ぐったりしている
  • 目がくぼんでいる、皮膚のハリがなくなる(脱水のサイン)

これらの症状が1つでもあれば、すぐに動物病院での診察をおすすめします。

元気がなくうずくまるハムスター。茶色と白の毛並みで目を細め、座っている様子。
受診を迷われている場合はお気軽にご相談ください|池田動物病院 エキゾチック診療

当院で行うハムスターの下痢の検査・診断方法

見た目では判断が難しいので、以下のような検査を実施します。

問診と視診

便の様子(色・形状・頻度)、食事内容、飼育環境などを丁寧にヒアリングし、体重や全身の状態をチェックします。

糞便検査

寄生虫(ジアルジア、クリプトスポリジウムなど)や細菌の有無、未消化物を確認し、下痢の直接的な原因を特定します。

血液検査

脱水の程度や炎症の有無、肝臓や腎臓の状態などを把握し、全身への影響を評価します。

画像診断(レントゲン・エコー)

腸管のガス貯留、拡張、腫瘍の有無など、視診ではわからない内部の異常を確認します。

ハムスターの下痢の治療法

治療の基本は、脱水の補正・原因除去・腸内環境の改善です。
状態や年齢によっては入院治療が必要な場合もあります。

点滴による脱水の補正

皮下点滴や経口補水によって水分と電解質を補います。
小動物は水分喪失に非常に弱く、迅速な補正が命を守ります。

抗生剤や駆虫薬

細菌感染や寄生虫が原因と判明した場合には、適切な薬剤を体重に合わせて投与します。
効果が出るまでには数日~1週間ほどかかることがあります。

整腸剤の投与

ビフィズス菌や乳酸菌などの整腸剤を投与し、腸内の善玉菌バランス(腸内フローラ)を整えます。
下痢の再発防止にも役立ちます。

食事療法

消化にやさしいペレットを中心に切り替え、腸への負担を減らします。
野菜や果物などのおやつは一時的に控えて、回復を待ちます。

ハムスター診療・検査の詳細はこちら(エキゾチックページへ誘導)

ハムスターの下痢の経過と予後

ハムスターさんの下痢は、原因と治療のタイミングによって予後が大きく異なります。

早期に治療をした場合

数日から1週間以内に改善し、予後良好なケースが多いです。

中程度の脱水や感染症がある場合

2週間程度の治療が必要です。
体力回復には時間がかかることもあります。

ウェットテイルなど重症感染症

致死率が高く、半日で状態が急変することもあるので、迅速な対応が不可欠です。

      「おかしいな」と思ったタイミングで動くことが、命を守る大切な行動です。
      「お尻がぬれている」「巣の中が臭う」など、小さなサインを見逃さないことが、回復の鍵となります。

      ハムスターの下痢|家庭でできる予防法

      家庭でできる予防策を習慣にしましょう

      1. 急なフードの切り替えは避け、1週間以上かけて少しずつ行いましょう。
      2. 水分の多い野菜(レタス・キュウリなど)は週に1〜2回少量を与える程度にとどめましょう。
      3. ケージ内は毎日掃除し、常に清潔を保ちましょう
      4. エアコンや加湿器を活用して、室温22~26℃湿度40~60%を保ちましょう
      5. 半年に1回の健康診断を習慣化し、腸内環境や体重の変化を把握しましょう(1歳以上のハムスターさんは特に推奨)。

      よくある質問(FAQ)

      Q. 下痢をしても元気なら様子見で良いですか?

      A. 元気そうでも脱水が進む可能性があるため、早めの受診をおすすめします。

      Q. 下痢はヒトにうつりますか?

      A. サルモネラなど一部の細菌はヒトにも感染するため、衛生管理が重要です。

      ハムスターの下痢のまとめ

      ハムスターさんの下痢は、小さな身体にとって非常に大きな負担となります。
      体力の消耗も早く、脱水が進行すれば命にかかわることも珍しくありません。

      「なんだかお尻が濡れている」「最近食欲がない」など、少しでも気になることがあれば、どうぞお早めにご相談ください。
      大切なハムスターさんと飼い主さまの生活が、安心で健やかなものであるよう、スタッフ一同、全力でサポートいたします。

      ハムスターさんを含むエキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
      初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。

      初診予約はこちら|044-433-2274|再診ネット予約OK

      この記事の執筆・監修 
      執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
      監修:名取 獣医師

      投稿者プロフィール

      菊地(さ)愛玩動物看護師

      ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

      よかったらシェアしてね!
      • URLをコピーしました!
      • URLをコピーしました!
      目次