【犬・猫の事故ガイド】危険な植物まとめ|誤食しやすい観葉植物・花と中毒リスク|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

見た目がきれいな観葉植物・庭木・花でも、わんちゃんやねこちゃんにとっては危険なものがあります。
特にユリやスズランなどは、ほんの少量の誤食でも中毒を引き起こし、命を落とす危険性があります。

この記事では、獣医師監修のもと、わんちゃん・ねこちゃんに危険な植物の一覧と中毒症状、家庭でできる予防法を詳しくご紹介します。
大切な愛犬・愛猫の健康と安全を守るために、ぜひ最後までお読みください。

犬・猫が植物を誤食してしまったら、すぐにお電話ください。|044-433-2274
目次

犬・猫に危険な植物リスト|家庭や庭で気をつけたいもの

まず、わんちゃんやねこちゃんにとって危険な植物を一覧でご紹介します。

これらの植物は、観葉植物として人気のものや、お散歩中に見かけることが多い草花が含まれています。

犬・猫に危険な植物一覧

植物名危険な部位代表的な症状危険度応急対応
ユリ科(テッポウユリなど)全体(花粉・花瓶の水も危険)腎不全、嘔吐、食欲不振、元気消失★★★少量でも命にかかわる → 直ちに受診
チューリップ球根が特に危険嘔吐、下痢、皮膚炎★★食べた部分を持参し受診
スズラン全体不整脈、嘔吐、下痢、けいれん★★★すぐに受診(心臓症状に注意)
スイセン全体(特に球根)嘔吐、下痢、ふるえ、低血圧★★★誤食量を伝えて受診
ポトス葉、茎口内炎、よだれ、嘔吐★★口を洗浄し受診
アイビー葉、茎嘔吐、腹痛、皮膚炎★★誤食量を確認し受診
アロエ葉の内部下痢、嘔吐、脱水水分補給し受診
アジサイ全体(特に花や葉)嘔吐、下痢、元気消失★★口を洗浄し受診
ポインセチア樹液口内炎、嘔吐、よだれ口を洗浄、症状があれば受診
ツツジ科(シャクナゲなど)花、葉よだれ、嘔吐、ふらつき、不整脈★★★直ちに受診
ヒガンバナ球根嘔吐、下痢、ふるえ、けいれん★★★少量でも危険 → 受診
オシロイバナ全体嘔吐、下痢、腹痛★★食べた量を確認し受診
クリスマスローズ全体よだれ、嘔吐、下痢、不整脈★★★直ちに受診
ナス科(ジャガイモ、トマトなど)未熟な果実、葉、茎嘔吐、下痢、ふらつき★★食べた部位を確認し受診

代表的な有毒植物の種類と中毒症状の特徴

ここでは、特に注意が必要な植物について詳しく解説します。

ユリ科の植物(テッポウユリ・チューリップなど)

ユリ科の植物は、特にねこちゃんにとって非常に危険です。
お花の部分はもちろん、花粉、さらには花瓶のお水にまで毒性があります。
わんちゃんやねこちゃんが食べてしまうと、ほんのわずかな摂取でも急性腎不全を引き起こします。
チューリップは球根が特に危険です。

症状

  • 軽度:嘔吐、食欲不振、元気消失
  • 重度:急性腎不全、けいれん、最悪の場合死亡

スズラン(香りの強い草花)

誤食で嘔吐や痙攣などを起こす可能性があるスノーフレーク(スズランスイセン)の写真

スズランはわんちゃんやねこちゃんだけでなく、すべての動物に有毒です。
コンバラトキシンという毒成分が含まれています。
口にしなくても接触するだけで影響が出る場合もあります。
ユリ科の植物と同様に、花瓶のお水を飲んだだけでも命にかかわります。

症状

  • 軽度:嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失
  • 重度:心拍数低下、不整脈、けいれん

スイセン・ヒガンバナ科の植物

誤食による中毒症状を引き起こすスイセンの写真(犬猫に有毒な植物)

スイセンの球根には、アルカロイド系の毒(リコリンなど)が含まれており、誤食すると危険です。

症状

  • 軽度:嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振
  • 中度:よだれ、呼吸困難
  • 重度:不整脈、ふるえ、けいれん、昏睡

ポトスなどサトイモ科の観葉植物

観葉植物のポトスの写真(犬や猫にとって中毒の危険がある植物)

ポトスはつる性の観葉植物として人気ですが、に含まれるシュウ酸カルシウムが有毒です。

症状

  • 軽度:嘔吐、よだれ、口や喉の炎症
  • 重度:嚥下困難、食欲不振

アイビー・つる性植物のリスク

ペットに有毒なアイビー(ヘデラ)の写真(観葉植物として室内に置かれやすい)

アイビーはつる性の観葉植物で、に軽い毒性があります。

症状

  • 軽度:嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振
  • 重度:呼吸困難、嚥下困難、口腔内の炎症

アロエ類の観葉植物

鉢植えのアロエの写真(猫や犬に中毒を起こすことがある植物)

アロエには、サポニンバルバロインアントラキノンの成分が含まれています。

症状

  • 嘔吐、下痢、胃腸炎、腎臓への負担

アジサイ・装飾花の注意点

中毒成分を含むアジサイの写真(犬猫が誤って口にしないよう注意が必要)

アジサイに含まれるアミダグリン(青酸配糖体)が中毒を引き起こすと言われています。
わんちゃんは地面を掘ったり、ねこちゃんは身体についたお花や花粉を毛づくろいで舐めとったりしてしまう可能性もありますので、気を付けましょう。

症状

  • 軽度:嘔吐、下痢
  • 重度:昏睡、呼吸困難

ポインセチア(冬の定番観葉植物)

犬猫が口にすると下痢や嘔吐の原因になるポインセチアの写真(観賞用植物)

ポインセチアの白い樹液にはホルボールという毒性の物質が含まれています。

症状

  • よだれ、嘔吐、下痢、食欲不振
  • 軽度の皮膚炎

ツツジ科の花・庭木

犬猫が食べると中毒を起こす恐れがあるツツジの花(ピンク色の花のクローズアップ)

ツツジ科には、グラヤノトキシンという毒が含まれています。

症状

  • 軽度:よだれ、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振
  • 重度:元気消失、最悪の場合死亡

ヒガンバナなどヒガンバナ科の植物

リコリンなどの毒成分を含み、ペットに危険なヒガンバナ(彼岸花)の写真

ヒガンバナには、リコリンセキサニンガランタミンなどの、アルカロイド系の毒が含まれています。

症状

  • 軽度:嘔吐、下痢
  • 重度:けいれん、最悪の場合死亡

オシロイバナと身近な草花

嘔吐や下痢を引き起こすことのあるオシロイバナの写真(赤・白・ピンクの花)

オシロイバナ全草に毒性成分(トリゴネン)が含まれています。

症状

  • 嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振、元気消失
  • 皮膚にも有害

クリスマスローズなどキンポウゲ科の植物

ペットに有毒な成分を含むクリスマスローズ(ヘレボルス)の写真(淡い緑色の花)

キンポウゲ科は毒性を持つ植物が多く、クリスマスローズの主な毒性は強心配糖体サポニンプロトアネモニンであると考えられています。

症状

  • 軽度:よだれ、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振
  • 重度:呼吸困難、元気消失、けいれん、最悪の場合死亡

誤食・誤飲時の応急処置と受診の目安

すぐに動物病院へ連絡

摂取した植物の名前、摂取した時間を記録しましょう。

植物の写真を撮影

獣医師に写真を見せることで診断がスムーズになります。

症状がなくても油断しない

植物による中毒は時間差で症状が出る場合があります。
早めに診察を受けましょう。

観葉植物を室内に置いても大丈夫?そんな不安もお気軽にご相談ください。|044-433-2274

家庭でできる安全対策|植物との上手な付き合い方

家庭での注意

  • ペットが届かない場所に植物を配置しましょう。
  • 危険な植物は家庭内に置かないようにしましょう。

お散歩時の注意

  • リードを短く持ち、拾い食いを防止しましょう。
  • 拾い食い防止用のマズルガード(口輪)も検討すると安心です。

安全な植物を選ぶ

ペットがいる家庭では、安全とされている植物を選び、わんちゃんやねこちゃんにとって有害なものを避けましょう。

ペットに安全な植物例

  • パキラ
  • ガジュマル
  • サンセベリア
  • テーブルヤシ
    など

まとめ|大切なペットを植物中毒から守るために

植物の中には、わんちゃんやねこちゃんにとって非常に危険なものが多くあります。

わんちゃんやねこちゃんにとって危険な植物を知り、家庭やお散歩中での安全対策を徹底することで、大切なペットの健康を守ることができます。

愛犬や愛猫が安心して生活できる環境を作るために、日頃から植物の管理に注意し、何かあればすぐに動物病院に相談することを心がけましょう。

ご相談・ご予約はお電話でも受け付けております。|044-433-2274

この記事の執筆・監修
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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