地域密着のホームドクターとして35年
当院は予約制で診察を行っています。
- 緊急の際は
お電話ください - 044-433-2274

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。
「最近、お水を飲む量が増えた気がする」
「おしっこの回数が多い」
「しっかり食べているのに痩せてきた」
このような変化が気になったことはありませんか?
わんちゃんの糖尿病では、“多飲多尿”や“体重減少”などの症状が見られることがあります。
初期は気づきにくいこともありますが、放置すると命にかかわる状態になることもあるため、早めの発見と治療が大切です。


食事から取り込まれた糖分(ブドウ糖)は、身体を動かすための大切なエネルギー源です。
この糖分を細胞に取り込むために必要なのが、「インスリン」というホルモンです。
糖尿病は、このインスリンが不足したり、うまく働かなくなることで血糖値が高くなってしまう病気です。
わんちゃんの糖尿病は、原因によって「Ⅰ型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)」と「Ⅱ型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)」の2種類に大別されます。
Ⅰ型糖尿病は、膵臓からインスリンが分泌されなくなり、インスリンの絶対的分泌不足を原因とした糖尿病です。
このため、治療にはインスリン製剤が欠かせません。
わんちゃんでは、Ⅰ型糖尿病が占める割合が非常に高いことが知られています。
Ⅱ型糖尿病は、インスリンは分泌されているものの、働きが悪くて血糖値が下がらないケースや分泌そのものが減っているケースを背景として、過食(太り過ぎ)や運動不足が加わった結果、発症する糖尿病です。
生活環境の改善によって回復が見込める一方、その状態が治療されずに続くとⅠ型糖尿病へと移行していきます。
ヒトやねこちゃんの糖尿病ではⅡ型糖尿病が占める割合が高い一方、わんちゃんでは稀となります。
糖尿病を発症すると、病気の進行によって症状が変化していきます。
重症化すると命にかかわることもあるため、早い段階で変化に気づき、治療を始められるように注意しましょう。
わんちゃんが糖尿病にかかってしまった場合、以下のような症状が現れます。
糖尿病になり、細胞にエネルギー源であるグルコースが取り込まれないと栄養供給が満足にされないため、常に飢餓状態になります。
それでもなんとか栄養を取り込もうとして食欲が増えることがあります。
また、血液中のグルコースが高い状態にあると、摂取した糖分は尿中に排泄され体外へ出ていきます。
このとき、浸透圧によって尿量がふえてしまい、飲水量も増加します。
一般的には、体重1kgあたり100ml以上のお水を飲む場合、「多飲」の可能性があります。
たとえば、10kgのわんちゃんで1日1L以上飲んでいる場合は注意が必要です。
この状態が続くと、体内に蓄えているたんぱく質や脂肪といった他の栄養素を切り崩して生命維持に充てるため、脂肪や筋肉の量が徐々に減少し、痩せていってしまうのです。
糖尿病が進行すると「糖尿病性ケトアシドーシス」という命にかかわる状態に陥ることがあります。
「糖尿病性ケトアシドーシス」に陥ると…
といったより重篤な症状を示すようになります。
細胞に糖分が供給されない状態が続き、糖の代わりに脂肪をエネルギー源として使用すると、「ケトン体」という物質が生成されます。
このケトン体が増えすぎることが原因となります。
進行し続けると、昏睡状態になり死に至ることもあります。
そのため、「糖尿病性ケトアシドーシス」となった場合は迅速かつ適切な治療を行わなくてはなりません。
糖尿病は他の合併症を引き起こすリスクも持ち合わせています。
合併症として以下の疾患が挙げられます。
このように糖尿病は進行するほど重症度が増していくほか、他の疾患の発生を引き起こしやすくなり、治療を難しくしていきます。
そのため、放置すると重症化してしまうことがあります。
わんちゃんの糖尿病では、白内障を合併することがあります。
「急に目が白くなった」
「物にぶつかるようになった」
という変化から糖尿病が見つかるケースもあります。
犬の白内障について詳しくはこちら

どのようにしてインスリンの分泌量が減ったり、効きにくくなったりするのでしょうか。
原因はいくつかあります。
わんちゃんの糖尿病は、中高齢で発症することが多い病気です。
おおよそ7歳を超えると糖尿病を発症するリスクが高くなっていきます。
特徴的なのは、発症リスクとして性別差があるということです。
女の子のわんちゃんでは、発情後に黄体ホルモンが増える時期に発症しやすく、男の子と比べて2〜3倍発症しやすいといわれています。
糖尿病の原因には、遺伝的要因も含まれるため、以下のような好発犬種が存在します。
糖尿病の診断は、血液検査や尿検査を実施してその結果から判断します。
血液検査は、空腹時の血糖値と長期血糖コントロールマーカー(糖化アルブミンもしくはフルクトサミン)などの数値を調べ、高血糖の存在がなかったかを調べます。
尿検査では尿中のブドウ糖の出現を確認し、同時に併発疾患として、膀胱炎の有無やケトンの出現がないかを調べます。
尿もしくは血漿中にケトン体が出現していた場合、ケトーシスもしくは「ケトアシドーシス」として診断されます。
ケトン体の出現は前述のとおり、糖尿病の進行を示しており、特にケトアシドーシスに陥っていた場合は強い脱水と酸塩基平衡障害といった重篤な状態が生じているため、早急な入院治療が必要になることがあります。
血糖値のコントロールが治療の主体となります。
わんちゃんの糖尿病はⅠ型糖尿病が多くを占めます。
不足しているインスリンを注射で補う治療が必要になります。
個体に合わせて適切な種類のインスリンを選択したうえで、投与量を設定し、定期的に血糖値の変動が安定しているかをチェックします。
インスリンの量は入院もしくは日中の通院により数日かけて決定します。
安定した後は1~2か月ごとに長期血糖コントロールマーカーの測定、もしくは血糖値の複数回測定によるモニタリングを行いながらその都度食事量およびインスリン量の調節します。
インスリンは、原則1日2回注射することが多くみられます。
また、インスリンを投与する時間帯はできるだけ固定することが望ましいです。
毎日注射が必要なので、飼い主さま自身が注射を行うことが多くなります。
安心して家で注射できるように注射の方法や器具の取り扱い方を病院でしっかり練習する必要があります。
注意したいのは身体の外からインスリンを使用するため、効きすぎると血糖値が下がりすぎる「低血糖」という状態を引き起こす可能性があるということです。
このような症状がみられた場合はインスリン投与による「低血糖」の可能性があります。
軽度であれば普段の食事を与えます。
食べられない場合はグルコース溶液もしくはガムシロップをかかりつけの獣医師の指示のもと適切な量を与えます。
糖尿病によって高血糖状態が続くと腎臓の浸透圧利尿作用によって尿量が増加します。
本来、体内でとどめておかなくてはならない水分が余分に排泄されることとなるので、必要に応じて輸液による治療を行うことがあります。
特に、糖尿病性ケトアシドーシスの状態に至っている場合には、厳重なインスリン管理と輸液の投与によって体内の水分や電解質のバランスを改善させなくてはなりません。
糖尿病のわんちゃんには療法食があります。
これらは繊維質を多く含み、食事後に急激に血糖値が上昇しないような配慮がされています。
フードの量は理想体重の推定からカロリー設定を行います。
お食事の時間や量はある程度統一するように心がけましょう。
糖尿病が進行すると徐々に体重減少が現れてきますので、指向性の高い総合栄養食を給与することもあります。
治療を始めたばかりの頃は、インスリンの必要量を調べるために治療前後での血糖値測定を数時間おきにする(血糖曲線の作成)ため、数日間の入院もしくはできるだけ連日の通院が必要になります。
血糖値を経時的に測定してくれる機械を身体に装着する方法もあります。
血糖値の測定方法や回数によって費用が変わるため、確定的な金額はお伝え出来ませんが、入院や通院の初回時は最低でも2~3万円程度、翌日以降も1日1~2万円程度の費用がかかってくると思います。
継続治療へ移行した場合、インスリン注射代と定期血液検査として月に約2~3万円程度の費用がかかってくると思います。
もし、糖尿病がケトアシドーシスに進行していた場合、上記の費用とはかなり異なってくると思います。
なぜなら、ケトアシドーシスは緊急疾患で命の危険があるため、連日の集中治療と計1週間以上の長期入院が必要になることが多く、かかってくる費用は合計15万円以上になるかもしれません。
糖尿病の予防に効果的なのは、適切な食事管理と運動習慣です。
肥満にならないように注意しながら、ストレスをできるだけ与えないように過ごすことも重要です。
女の子で未避妊の場合は、女性ホルモンがインスリンの作用を減弱させることがあるため、避妊手術を行うことも、予防となります。
また、糖尿病は他の合併症を誘発しやすいため、日頃より体調の変化がないかよく観察しておくことも必要です。
糖尿病になると、その治療は一生涯続くことが多いのが実情です。
進行すると、糖尿病性ケトアシドーシスという状態に至ることもあり、適切な治療がなされないと命にかかわることがあります。
糖尿病にならないように予防としては、日ごろから愛犬が肥満にならないよう適切なお食事量と運動管理を心がけましょう。
「最近お水をよく飲む」
「おしっこの量が増えた」
「食べているのに痩せてきた」
このような変化は、糖尿病のサインかもしれません。
糖尿病は早期発見・早期治療がとても大切です。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

この記事の執筆・監修
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:吉窪 獣医師
菊地(さ)愛玩動物看護師
ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。
IKEDA ANIMAL HOSPITAL
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 休診 |
| 16:00〜19:00 | ▲ | ● | ● | ● | ● | ● | 休診 | 休診 |
来院前に必ず電話でのご連絡をお願いいたします。
〒211-0002 神奈川県川崎市中原区
上丸子山王町2-1328

診療内容・予約・料金・お悩みなど
お気軽にご相談下さい
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 休診 |
| 16:00〜19:00 | ▲ | ● | ● | ● | ● | ● | 休診 | 休診 |