うさぎの熱中症について

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。​

夏の到来とともに、うさぎさんの熱中症のリスクは一気に高まります。
特に川崎市のような高温多湿の地域では、エアコン管理や湿度調整を怠ると、わずか数時間のうちに命に関わる状況になることもあります。

この記事では、うさぎさんの熱中症の症状、原因、予防法、対処法を解説いたします。

うさぎの熱中症とは

うさぎさんの熱中症とは、体温が急上昇し、身体の中の熱がうまく外に逃げないことで、命にかかわる状態になってしまうことです。
うさぎさんには汗腺がほとんどなく、ヒトのように汗で体温を調節することができません。
体温の調整は主に鼻呼吸や耳の血流に頼っているため、少しの気温や湿度の変化にも大きく影響されます。

特に、梅雨明けから8月中旬にかけて、気温が30℃を超える日は注意が必要です。
2023年の川崎市のデータでは、7月の平均最高気温は31.5℃、湿度は70％を超える日が続いています。
こうした環境では、わずか数時間でもうさぎさんが熱中症を起こす可能性があります。

うさぎの熱中症の原因

うさぎさんが熱中症になる主な原因には、以下のようなものがあります。

室内の温度・湿度管理の不備

エアコンの設定温度が高すぎる、あるいはエアコンを切って外出してしまうことで、室温が上昇し、熱中症のリスクが高まります。
特に窓際にケージを置いている場合、直射日光が当たりやすく、室温以上にケージ内が高温になることもあります。

換気不足や風通しのわるさ

うさぎさんの飼育環境が密閉されていたり、風の通りがわるかったりすると、熱がこもりやすくなります。
うさぎさんは湿度にも敏感なため、風が通らない環境では、体内に熱がこもってしまいます。
「28℃くらいなら大丈夫」と思いがちですが、うさぎさんには暑すぎる場合があり、さらに湿度が高いと、実際の体感温度はもっと上がります。

被毛による断熱効果

うさぎさんの被毛は季節に応じて換毛しますが、夏毛になってもふわふわとした毛が断熱材のように働いて、体内の熱が逃げにくくなってしまいます。
熱がこもりやすいため、定期的にブラッシングで通気性を保つことが大切です。

うさぎの熱中症の症状

熱中症の初期症状は見逃しやすいですが、進行が早いため注意が必要です。

これらの症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
時間との勝負になります。

うさぎの熱中症の予防法

エアコンと除湿器の併用

理想的な室温は20～24℃、湿度は40～60％です。
川崎市の夏は高温多湿になりやすいため、エアコンだけでなく、除湿器を併用して、上記の温度・湿度を保ちましょう。

直射日光を避ける工夫

ケージを窓際に置くのは避け、日当たりの少ない部屋に移動させることが大切です。
カーテンや遮光フィルムを活用して日差しを遮りましょう。

クールマットや凍らせたペットボトル

市販のうさぎさん用のクールマットをケージに設置することで、体温の上昇を防ぐことができます。
また、ペットボトルに水を入れて凍らせ、タオルで巻いてケージの外に設置すると、即席の冷却装置になります。

毎日の体調チェックと記録

食欲や排便状態、行動の変化を毎日チェックし、異常があれば早めに動物病院へ相談しましょう。
体調の記録をつけておくと、変化に気づきやすいです。

水分補給

いつでも新鮮な水を飲めるようにし、ボトルの中の水がぬるくなっていないかも確認しましょう。
1日2回以上は飲み水の交換をしましょう。

うさぎが熱中症になったときの対処法

万が一、うさぎさんに熱中症の兆候が見られた場合には、以下のように行動してください。
すぐに対処することが命を守るポイントです。

急激に冷やしすぎるとショック症状を引き起こす可能性があるため、ゆっくりと体温を下げることが大切です。

うさぎの熱中症のまとめ

うさぎさんは、暑さと湿気に非常に弱いため、熱中症対策が重要となってきます。

川崎市のような高温多湿の地域では、エアコンや除湿器、冷却グッズなどを活用して、うさぎさんに快適な室内環境を整えてあげましょう。

また、毎日の観察とこまめなケアが、うさぎさんの健康を守るうえで最も大切です。