【獣医師監修】ハムスターに多い病気とは|初心者向けにやさしく解説【川崎市・池田動物病院】

川崎市中原区のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅近くの池田動物病院です。

今回は、ハムスターさんに多く見られる病気や、そのサイン・予防法・対処法について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

ハムスターさんはとても小さな身体をしているため、体調の変化に気づきにくく、病気の進行が早いこともあります。
毎日のちょっとした変化を見逃さずにチェックすることが、健康を守るカギになります。

元気がなく、ぐったりと横たわっている茶色のハムスター(体調不良の様子)
目次

ハムスターに多い病気って?

イギリスの王立獣医カレッジ(RVC)が行った大規模な調査によると、ハムスターさんに多く見られる病気には次のようなものがあります。

  • ウェットテイル(7.3%)
  • 噛み傷(5.9%)
  • 爪が伸びすぎた状態(4.1%)
  • 前歯が伸びすぎた状態(3.98%)
  • けが(3.8%)

また、おなかにしこりができる腫瘍(できもの)も死因のひとつとされており、ハムスターさんの平均寿命は約1.75年と報告されています。

特に気をつけたい「ウェットテイル」

ウェットテイルとは、強い下痢と脱水を引き起こすおなかの病気で、とくに子どものハムスターさんに多く見られます。
環境の変化やストレス、不衛生な飼育環境が原因となることがあり、症状が出てから2日以内に命にかかわることもあるため注意が必要です。

主な症状

  • 下痢でおしり周りの毛がぬれている
  • 食欲がない
  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 背中を丸めて同じ場所を行ったり来たりする

早めに抗生物質や点滴などの治療が必要です。
できるだけ早く病院を受診してください。

咬傷・ケガ・爪・歯のトラブル

他のハムスターさんと一緒に飼っていると、ケンカによる咬み傷(咬傷)ができたり、ケージの中での事故でけがをすることもあります。
また、前歯や爪が自然に削れないと、伸びすぎてごはんが食べづらくなることがあります。

予防のポイント

  • 基本的に1匹ずつで飼うようにしましょう
  • 爪や歯の長さを定期的にチェックしましょう
  • かじり木をケージに入れて、自然に歯が削れる環境を作りましょう

呼吸器や目のトラブルにも注意

ハムスターさんがくしゃみをしていたり、鼻水や目やにが出ていたりする場合は、風邪のような呼吸器の病気や、アレルギーのサインかもしれません。

こんな症状があれば注意

  • 目やにや涙が出ている
  • くしゃみが続く
  • 鼻が赤くなっていたり、湿っている

ケージ内の湿度が高すぎたり、ほこりが多い床材を使っていると悪化することがあります。

腫瘍・内臓の病気にも気をつけて

年齢を重ねると、乳腺や皮膚にしこり(腫瘍)ができやすくなります。
早く見つけることができれば、手術で取り除けるケースもあります。

心臓や腎臓の病気、糖尿病などの内臓疾患が隠れていることもあります。

注意したいサイン

  • 身体のどこかにしこりがある
  • 呼吸が荒くなる、疲れやすい
  • お水をたくさん飲む、トイレの回数が増えた

皮膚や毛のトラブルも見逃さないで

外からくる寄生虫(ダニやノミ)や、カビの感染(真菌症)もよく見られます。
かゆがったり、毛が抜けたりしていたら注意しましょう。

こんな変化に気づいたら

  • かゆそうに身体をかいている
  • 毛が抜けている部分がある
  • フケのような粉が床材にたまっている

ケージを清潔に保つことが予防につながります。

毎日のケアが病気予防につながる!

環境づくりのポイント

  • 温度は25℃前後、湿度は40~60%を保ちましょう
  • ケージは週に1回以上、床材の交換・掃除を行いましょう
  • ストレスの少ない、静かで安心できる場所に設置しましょう
  • ペレットと新鮮なお水をいつでも用意しましょう
  • 毎日、食欲・うんち・毛並み・動きなどをチェックしましょう

飼い主さまの「気づき」が何より大切です

ハムスターさんは、身体が小さいぶん、ちょっとした異変が命にかかわることもあります。
「いつもと違う」と思ったら、迷わず動物病院に相談してください。

よくある質問(FAQ)

Q. ハムスターが下痢をしています。すぐ病院に行ったほうがいいですか?
A. はい。とくに「ウェットテイル」の可能性がある場合は、すぐに診察を受けてください。

Q. かじり木を入れているのに、歯が伸びてしまいます。
A. 個体差や食事の影響で削れにくいこともあります。定期的に動物病院でチェックしましょう。

Q. くしゃみをしますが、元気そうです。様子を見てもいいですか?
A. 症状が続く場合は、呼吸器の感染症やアレルギーの可能性があります。一度診察を受けると安心です。

Q. 高齢のハムスターに健康診断は必要ですか?
A. はい。1歳を過ぎたら健康診断をおすすめします。

まとめ|早めの気づきが命を守ります

ハムスターさんは、見た目のかわいらしさだけでなく、飼いやすさから人気の高いペットです。
ただし、身体が小さいぶん、病気の進行が早く、ちょっとした体調不良が命にかかわることもあります。

日ごろからの健康チェックや快適な飼育環境が、長く元気に過ごすためのポイントです。

池田動物病院では、ハムスターさんを含む小動物の診療に力を入れています。
どんな小さなことでも、気になることがあればお気軽にご相談ください。

エキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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