川崎市近隣にお住まいの飼い主さまへ:「猫の膀胱炎」完全ガイド

川崎市近隣にお住まいのねこちゃんの飼い主さまへ。

「最近、トイレの回数が増えた気がする」
「血尿のような赤いおしっこが出ている」
「おしっこのときに鳴いてつらそう」
など、こうした変化をご自身のねこちゃんに感じたら、「膀胱炎」かもしれません。

当院では、ねこちゃんの排尿の問題を西洋医学と東洋医学の両方の視点で診断し、1頭1頭に合った治療を提供しています。

この記事では「猫の膀胱炎」にまつわる原因・症状・治療法・日々のケアについて、初めての飼い主さまにも分かりやすいよう、具体的に解説いたします。

排尿時に踏ん張ってつらそうな表情をしている茶トラのねこちゃん(膀胱炎の症状イメージ)
目次

猫の膀胱炎ってどんな病気?

多くの飼い主さまが最初に気になるのは、
「どうしてねこちゃんに膀胱炎が起こるのか」
「どんな症状があるのか」
「早く気づくポイントは何か」
です。

以下の仕組みと症状をご覧ください。

  • 膀胱の内側がただれたり、炎症を起こしてしまう状態を「膀胱炎」と呼びます。
  • 原因は
    細菌感染
    結晶(ストルバイトなど)」
    ストレス
    腫瘍
    体内のバランスの乱れ(東洋医学でいうところの“気(エネルギー)”や“血(けつ)”の滞り)」
    など、いくつかの要因が重なることが多いです。

主な原因と見逃せないリスク

原因が分かれば、予防に繋げられる

ねこちゃんの膀胱炎を防ぐために、代表的な原因とリスクを整理します。

  • 細菌感染
    高齢だったり、体重が多めのねこちゃんに起こりやすいです。
    尿路に入り込んだ細菌が膀胱の炎症を起こします。

  • 尿中の結晶(ストルバイトなど)
    水分不足や食生活の偏りで尿が濃くなり、結晶ができて炎症を引き起こします。

  • ストレス
    引っ越し、多頭飼育、トイレ環境の変化などがストレスになり、膀胱炎につながります。

  • 腫瘍
    膀胱や尿道にできた腫瘍が、排尿の異常や炎症を引き起こすことがあります。
    当院では腫瘍科の専門性を生かして診断・治療しています。

  • 身体のバランスの乱れ(東洋医学的視点)
    東洋医学の観点では血流やエネルギーの滞りが影響する場合があるため、漢方・鍼灸などで全身の調整を行います。

症状のサインとその見つけ方

よく見られる主な症状

飼い主さまが気づきやすい症状を具体的にご紹介します。

  • 排尿の回数が増え、少しずつ何度もトイレに行くようになる
  • 排尿時に鳴く、何度も姿勢をとる
  • トイレ以外の場所で排尿してしまう
  • 尿の色が赤い・泡立つ・強い匂いがする

症状が進行すると、尿道が詰まってしまう「尿道閉塞」や、腎臓に負担がかかる「急性腎不全」に発展するおそれがあります。

正確な診断の流れ

検査内容を分かりやすくご紹介します。

  1. 問診
    トイレの回数・排尿量・食事内容・生活環境の変化などを詳しくお伺いします。

  2. 身体検査
    脱水や発熱、膀胱の位置や張り具合を触診で確認します。

  3. 尿検査
    試験紙でpH・血尿の有無・蛋白・比重を調べ、沈渣検査で細菌や結晶の有無を見ます。

  4. 画像検査(超音波など)
    膀胱の壁の厚さや結石、腫瘍の有無を確認します。

  5. 必要に応じた追加検査
    尿道造影、膀胱鏡、腫瘍が疑われる場合の細胞診や組織診を行うケースもあります。

また、東洋医学の専門家による“脈をとったり、おなかの張り具合をみる東洋医学的な診察”も行い、全身のバランスから診断をしていきます。

治療法とそれぞれの特徴

どんな治療があるのか、選択肢を理解する

治療法メリット注意点
西洋医学炎症を早く抑えられる/即効性あり薬剤耐性・腎臓への負担
東洋医学体質改善・再発予防即効性はない/通院が必要
外科的対応根本原因を取り除ける麻酔や入院の負担あり

西洋医学による治療(抗菌薬・鎮痛剤など)

  • メリット
    細菌の感染や炎症を早く抑え、症状の改善が見込まれます。
    例えば、抗菌薬では多くの場合、早ければ2日以内に改善が見られることもあります。
  • 注意点
    薬剤耐性リスク、腎臓への負担、また投薬そのものがねこちゃんにとってストレスになることもあります。

東洋医学による治療(漢方・鍼灸など)

  • メリット
    全身のバランスを整えることで免疫力向上や再発予防につながります。
    実際、2~3週間続けることで再発率が当院の臨床でも、明らかに再発が減ったねこちゃんが多くいます。
  • 注意点
    即効性はないため、効果を感じるまでに数日から1週間ほど時間がかかることがあります。
    通院頻度や治療費の負担も考慮が必要です。

東洋医学の診療は、名取獣医師が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

外科的対応(結石除去・腫瘍摘出など)

  • メリット
    原因となる結石や腫瘍を取り除くことで、根本的な問題解決を期待できます。
  • 注意点
    麻酔や術後のケアが必要で、入院期間や費用など飼い主さまのご負担が一時的に増える可能性があります。

当院では、症状の程度やねこちゃんの性格、飼い主さまのご都合に応じて、西洋医学と東洋医学を組み合わせた最適な治療プランをご提案しています。

家庭でできる予防法

普通の器からお水を飲んでいるねこちゃん
  • 水分をしっかり摂らせる
    ウェットフードの活用や、循環式の給水器を使うと飲水量がアップしやすいです。
    ドライフードをふやかすのもひとつです。

  • トイレ環境の整備
    清潔なトイレをねこちゃんの頭数プラス1個用意しましょう。
    素材や粒の大きさにこだわりのあるねこちゃんも多いので、好みに合わせてあげるとストレスが減ります。

  • ストレスを減らす工夫
    高い場所(キャットタワー)や安全スペース(隠れ家)を用意して、ねこちゃんに安心できる環境を作ってあげてください。

  • 定期的な検診を受ける
    年に1回は尿検査を含んだ健康チェックをすることで、早期の異常発見・早期治療につながります。

まとめ&ご案内

ねこちゃんの膀胱炎は早期発見がとても大切です。
ストレスや水分不足も関係していますので、日頃のケアと早めの相談が予防のカギとなります。

池田動物病院では「腫瘍科」「東洋医学科」の専門性を活かし、ねこちゃん1頭ずつに合わせた診療を行っています。

泌尿器トラブルの相談を受けることも多く、日々のケア方法のご提案も行っています。

小さなことでも構いませんので、気になるサインがあればいつでもご相談ください。

東洋医学の診療は、名取獣医師が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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