フクロモモンガってどんな動物?特徴・飼育環境・お世話の基本をやさしく解説【初心者向け】

見た目の愛らしさだけじゃない、フクロモモンガの魅力

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

クリクリの大きな目、ふわふわの毛並み、ピョンピョン跳ねるしぐさ――。
フクロモモンガさんは、そのかわいらしい見た目とユニークな行動で、近年注目を集めているエキゾチックアニマルです。

しかし、見た目の愛らしさとは裏腹に、飼育には独自のポイントや配慮が必要です。

この記事では、フクロモモンガさんを初めて飼いたい方に向けて、性格・飼育環境・お世話の基本についてわかりやすく解説します。

フクロモモンガのイラスト。大きな瞳と広げた膜が特徴的で、柔らかな毛並みや手足の細部まで丁寧に表現されている。
目次

フクロモモンガの基本情報

  • 分類
    有袋類(カンガルーの仲間)

  • 原産地
    オーストラリア、ニューギニア

  • 体長
    約13~17cm(しっぽ含まず)+しっぽ:約15〜20cm

  • 体重
    約100~150g

  • 寿命
    平均7~9年(環境によっては10年以上)

特徴的なのは、前足と後足の間に「飛膜」があること。
木から木へグライダーのように滑空する習性を持ちます。

フクロモモンガの性格とふれあい方

フクロモモンガさんは非常に社会性が高く、ヒトに慣れやすい動物です。
とはいえ、夜行性であるため、活動時間は夕方から夜が中心。
日中は眠っていることが多く、起こすとストレスになります。

特徴的な性格

  • 繊細で神経質な一面も
  • 甘えん坊で、飼い主さんに懐くことも多い
  • ひとりぼっちが苦手(多頭飼育推奨)

なつかせるコツ

  • ポーチでの「匂い付け」や「慣らし」が効果的
  • 毎日少しずつ声をかけたり、手からおやつをあげる
  • 驚かせず、ゆっくり距離を縮めて

飼育に必要な環境とは?

ケージ

  • 高さのある大型ケージがベスト(上下運動が得意なため)
  • 隠れ家(ポーチ)や枝、止まり木などを設置してストレス軽減
  • 脱走しやすいので、扉や隙間には注意

温度・湿度

  • 室温
    22~28℃程度

  • 湿度
    40~60%

  • 冬場はパネルヒーターやエアコンで保温を

暑さ寒さに弱いため、急激な温度変化がないように調整が必要です。

食事の基本

フクロモモンガさんは雑食性で、果物や昆虫、樹液などを自然界では食べています。
飼育下ではバランスの取れた食事管理が必要です。

主な食事内容

  • 専用ペレット(フクロモモンガ用)
  • 野菜・果物(少量)
  • ミルワームやコオロギなどの昆虫
  • 蜂蜜入りの栄養食(樹液の代替)

与えてはいけない食材(例:チョコ、ネギ類、カフェインなど)は避け、与えすぎや偏食にも注意しましょう。

トイレ・においについて

トイレのしつけは難しく、排泄は場所を選びません
ペットシーツや新聞紙を敷いておくと清掃が楽です。
におい対策としては、こまめな掃除空気の循環がポイントです。

健康管理のポイント

フクロモモンガさんがかかりやすい病気には以下のようなものがあります。

  • 低カルシウム血症(後肢麻痺)
    カルシウム不足や日光不足で発症

  • 肥満
    おやつの与えすぎ・運動不足

  • ストレス性脱毛・自咬症
    過度なストレスや孤独によるもの

  • 栄養不良
    食事バランスの偏りによる体調不良

「鳴き声が変」
「元気がない」
「いつもと様子が違う」
など、小さな変化を見逃さずに。
年に1回の健康診断もおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q. フクロモモンガはなつきますか?
A. はい、毎日ふれあいを続けることで、飼い主によくなつきます。特に匂いに敏感な動物なので、ポーチに飼い主さんの匂いをつけたり、手からおやつをあげたりすると、信頼関係が深まりやすくなります。ただし、急にさわろうとすると驚くため、ゆっくり距離を縮めることが大切です。

Q. フクロモモンガは夜行性って本当ですか?
A. はい、本当です。夜になると活発に動き始め、ジャンプしたり遊んだりします。昼間は眠っていることが多く、無理に起こすとストレスになります。ケージを置く場所は、昼は静かで落ち着ける場所、夜は活動しても問題ない環境が理想です。

Q. 鳴き声はうるさいですか?
A. そこまで大きくはありませんが、状況によっては「キュッキュ」「シューッ」といった音を出すことがあります。驚いたり警戒しているときには甲高い声を出すこともあるため、静かな環境での飼育には多少の対策が必要です。

Q. 1匹だけでも飼えますか?
A. 基本的には多頭飼育が推奨されます。フクロモモンガはとても寂しがり屋で、単独飼育によってストレスが溜まり、自咬症(自分をかんでしまう症状)などを引き起こすことも。どうしても1匹で飼う場合は、毎日時間をかけてふれあうことが必須です。

Q. どんな部屋が飼育に適していますか?
A. 温度と湿度が安定していて、騒音や急な明かりの変化が少ない環境が適しています。夜行性のため、日中は薄暗く静かな場所、夜は自由に動き回れるスペースがあると理想です。冷暖房設備が整っている部屋が望ましいです。

Q. フクロモモンガにワクチンは必要ですか?
A. 現在、フクロモモンガに対する定期的なワクチン接種は必要ありません。その代わりに、日常的な健康チェックと年1回程度の健康診断が推奨されます。

Q. トイレのしつけはできますか?
A. フクロモモンガは決まった場所で排泄する習性がないため、トイレのしつけは難しい動物です。ケージの底にペットシーツを敷く、掃除をこまめに行うといった方法で対応します。

まとめ|フクロモモンガとの楽しい暮らしのために

フクロモモンガさんは、かわいらしい見た目と高い知能を併せ持つ、とても魅力的なパートナーです。
ですが、その反面で温度管理・食事・運動・ストレス管理など、飼育には多くの配慮が必要な動物でもあります。

初心者の方でも、しっかり準備と理解をしておけば、フクロモモンガさんとの穏やかで愛情あふれる暮らしが叶います。

「うちの子、なんだか様子が変…?」と感じたときは、どうぞお早めに動物病院にご相談ください。

フクロモモンガさんを含むエキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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