【犬のアトピーに漢方は効く?】治らない理由と体質改善の考え方|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

最近、

「犬のアトピーに漢方は効果がありますか?」
「薬を続けているのに、かゆみがくり返す」
「できればステロイドを減らしたい」

このようなご相談をいただくことがあります。

犬のアトピー性皮膚炎は、慢性的なかゆみが続く皮膚疾患で、長期的な管理が必要になることの多い病気です。

当院では西洋医学による標準治療に加えて、漢方や鍼治療を取り入れた統合医療という選択肢についてもご相談を受けています。

結論からお伝えすると、犬のアトピーは漢方だけで「治す」ことは難しいですが、体質に合わせて取り入れることで再発の波を抑えることが期待できます。

この記事では、犬のアトピーと漢方治療について、体質ごとの考え方や実際の治療例をわかりやすく解説いたします。

池田動物病院|東洋医学科ページ
目次

犬のアトピー性皮膚炎とは?原因と症状

犬のアトピーとかゆみに対する漢方治療をイメージしたイラスト

犬のアトピー性皮膚炎は、体質的なアレルギー反応によって慢性的なかゆみが起こる病気です。

よく見られる症状には次のようなものがあります。

  • 顔や耳をよくかく
  • 足先をなめ続ける
  • おなかや内股が赤くなる
  • 外耳炎をくり返す
  • 皮膚が黒ずんで厚くなる(苔癬化)

若い頃から症状が出ることも多く、長期管理が必要になることの多い皮膚疾患です。

犬のアトピー性皮膚炎について詳しくはこちら

なぜ「薬を続けても治らない」と感じるのか

現在、アトピー治療では

  • ステロイド
  • アポキル
  • サイトポイント
  • ゼンレリア

などがよく使われます。

これらはかゆみを抑える効果が高い治療ですが、

  • 炎症やかゆみを抑える治療が中心
  • 体質そのものを変える治療ではない
  • 中止すると再燃することがある

という特徴があります。

そのため、

「薬を使っている間は落ち着くけれど、やめるとまた悪くなる」

と感じる飼い主さまも少なくありません。

アトピー性皮膚炎は、症状を抑える治療だけでなく、長期的に安定させる視点も大切な病気です。

そのため近年では、

「抑える治療」+「整える治療」

の両方を組み合わせて考えることが重要とされています。

中医学ではアトピーをどう考える?

東洋医学(中医学)では、皮膚のトラブルを身体の内側のバランスの乱れのサインとして捉えます。

犬のアトピーでは、次のような体質タイプが見られることがあります。

痰湿(たんしつ)タイプ

身体の中に余分な水分や老廃物がたまりやすい体質です。

特徴

  • 皮膚がベタつく
  • ジュクジュクした赤み
  • 外耳炎をくり返す
  • 湿気の多い季節に悪化

脂漏性皮膚炎をくり返すわんちゃんで見られることがあります。

実熱(じつねつ)タイプ

炎症が強く、身体に熱がこもりやすい体質です。

特徴

  • 真っ赤な炎症
  • 強いかゆみ
  • 急に悪化する
  • 興奮しやすい

若いわんちゃんや炎症が強いケースで多く見られます。

血虚(けっきょ)タイプ

皮膚を潤す力が不足している体質です。

特徴

  • 皮膚の乾燥
  • フケが多い
  • 慢性的なかゆみ
  • 毛ヅヤの低下

乾燥型のアトピーで見られることがあります。

気虚(ききょ)タイプ

身体のエネルギーが不足している状態です。

特徴

  • 疲れやすい
  • 回復が遅い
  • 胃腸が弱い
  • 免疫が安定しにくい

慢性的に症状が続く場合に見られることがあります。

気滞(きたい)タイプ

ストレスの影響を受けやすい体質です。

特徴

  • 環境変化で悪化する
  • 神経質
  • 舐め壊しが強い

自律神経との関係が深いタイプです。

体質はひとつとは限りません

実際には

  • 痰湿+実熱
  • 血虚+気虚

など、複数の体質が重なっていることが多くあります。

そのため、画一的な治療ではなくその子に合わせた評価が大切になります。

犬のアトピーに漢方治療という選択肢

漢方治療の目的は

  • 炎症を起こしにくい身体づくり
  • 皮膚バリア機能のサポート
  • 免疫バランスの調整
  • 再燃頻度の軽減

です。

即効性というよりも身体の土台を整える治療といえます。

内服が難しいわんちゃんには、塗るタイプの漢方を提案することもあります。

犬の漢方治療について詳しくはこちら

鍼治療が役立つケース

鍼治療では

  • 血流改善
  • 自律神経の安定
  • 炎症の鎮静
  • ストレス軽減

を目的に行います。

特に

  • ストレスで悪化する
  • 夜間に強くかく
  • 慢性的に波がある

といったケースでは、漢方と併用することで安定することがあります

犬の鍼治療について詳しくはこちら

季節とアトピーの関係

アトピーは

  • 春(花粉)
  • 梅雨(湿気)
  • 夏(高温多湿)

に悪化しやすい傾向があります。

東洋医学では「湿」や「熱」の影響を考慮し、季節に合わせて体質を調整することもあります

食事との関係

胃腸が弱いわんちゃんでは

  • 脂質が多い食事
  • 急なフード変更
  • 消化しにくい食事

が悪化要因になることがあります。

そのため、体質に合わせた食事管理も重要なポイントです。

実際によくあるご相談例

ケース①

3歳頃からアトピーと診断され、春と夏に悪化。
体質評価では「痰湿+実熱」傾向があり、体質調整を併用したところ再燃の波が小さくなりました。

ケース②

皮膚症状と慢性軟便が併発していたケース。
胃腸を整える方向で治療を行い、皮膚症状も安定しました。

※すべてのわんちゃんに同じ結果が出るわけではありません。

若齢犬とシニア犬での違い

若いわんちゃんでは炎症反応が強いことが多く、まずは炎症コントロールを優先します。

シニア期になると

  • 皮膚の乾燥
  • 代謝低下
  • ホルモン変化

などの影響が出ることもあり、補う治療を意識することが大切です

漢方や鍼を始めるタイミング

「薬が効かなくなってから考える」のではなく、

  • 症状が安定している時期
  • 再燃をくり返す前

に取り入れることで、長期的に安定しやすいケースもあります。

統合医療という考え方

池田動物病院では

  • 今必要な治療
  • 将来的な安定
  • 生活の質(QOL)

を総合的に考えながら治療を行っています。

標準治療で炎症を抑えながら、漢方や鍼で体質を整える。

それが当院の統合医療の考え方です。

統合医療についてについて詳しくはこちら

よくあるご質問

Q. 犬のアトピーは漢方で治りますか?

A. アトピー性皮膚炎は体質的な疾患のため、完全に治すことは難しいとされています。
ただし、体質に合わせて漢方を併用することで、かゆみの波が小さくなったり再燃頻度が減るケースもあります。

Q. 漢方だけで治療することはできますか?

A. 症状が強い場合は、まず西洋医学による炎症コントロールが必要です。
そのうえで体質調整として漢方を併用することがあります。

Q. アポキルやサイトポイントと併用できますか?

A. 多くの場合、併用は可能です。
状態に応じて薬の量を調整しながら治療を進めていきます。

まとめ

犬のアトピー性皮膚炎は、完治を目指すというより、長く安定させていく病気です。

抑える治療と整える治療を組み合わせることで

  • 再発頻度の軽減
  • かゆみの緩和
  • 薬量の調整
  • 生活の質(QOL)の向上

が期待できる場合があります。

川崎市・武蔵小杉エリアで犬のアトピーや皮膚トラブルにお悩みの飼い主さまは、池田動物病院までお気軽にご相談ください。

東洋医学の診療は、名取獣医師が担当いたします。
初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

名取(獣医師)

生まれ変わっても猫と暮らしたい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次