漢方薬を飲んでみませんか

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

ペット達にいつまでも健康で過ごしてもらいたいというのは、多くの飼い主さんに共通の思いです。
ペット達の平均寿命が延び、一緒に過ごす時間が長くなる一方で、健康面での悩みは増えているのではないでしょうか。

年齢を重ねたペット達がより快適に生活できるように注目を集めているのが中医学です。
中医学では鍼灸治療や漢方薬で体の不調を整え、ペットの健康をサポートしてくれます。

今回は漢方薬がペット達にどのように役立つのかをお話しします。

漢方薬とは

自然界の植物や鉱物、動物性のものなど薬効のある成分である生薬を複数組み合わせたものが漢方薬です。

西洋薬と漢方薬の違い

抗生物質や鎮痛剤など、私達が普段使う薬を漢方薬に対して『西洋薬』と呼びます。
西洋薬は1つの症状に対して、1つの薬で対応します。
一方『漢方薬』は複数の薬効を持つものの組み合わせなので、複数の症状に対応する事が出来ます。

漢方薬の治療

漢方薬と聞くと西洋薬に比べて効き目が遅いのではないかと思われるかもしれませんが、適切な処方をすれば、症状改善にあまり時間はかかりません。
もちろん、体質改善などの目的で使用する場合には、長期的に服用する必要もあります。

中医学の治療の基本は、体のバランスを整えることです。
そのため、ペットの体のバランスの乱れがひどければ、長期間の治療が必要となります。
また、体は絶えず変化をするものですから、その時の体調に合わせた漢方薬を処方する必要があります。

漢方薬をはじめる前に

漢方薬をはじめる前に診察を受けましょう。
中医学では『四診』という方法で、ペットの体の状態を診察し、それに基づいて漢方薬を処方します。

中医学の診察

中医学では『四診』という方法で、ペットの体の状態を診察します。

  • 望診(ぼうしん):ペットの状態を目で見ます。
  • 聞診(ぶんしん):耳で音を聞いたり、鼻で匂いを嗅いだりします。
  • 問診(もんしん):飼い主さんから日頃の様子を聞きいて、情報を得ます。
  • 切診(せっしん):実際にペットの体を触って診察します。

これらのことを総合的に判断して、漢方薬を処方します。
また、西洋薬を服用している場合には、どのようなものを使っているのか、どのような検査を行ったかなども教えていただくようにしています。

漢方薬を使うメリットとデメリット

漢方薬のメリット

自然のものを使用しているため西洋薬に比べて、漢方薬は副作用も少ないとされています。
体に優しいものを使って、体の負担の少ない治療が出来るのが、漢方薬治療のメリットと言えます。
また、体質を改善し自然治癒力を高めるので、なんとなく調子が悪そうといった『未病』の状態や原因のわからない病気の治療にも効果的です。
年齢制限がないことも漢方薬の魅力です。

漢方薬のデメリット

デメリットは飲ませにくいことでしょうか。
西洋薬でも飲みにくい薬は多くありますから、漢方薬が特別飲みにくい訳ではありません。
投薬用のペーストを使ったり、工夫次第で改善することが出来るのでご相談下さい。

漢方薬の適応とはじめるタイミング

漢方薬をはじめるのに病気や年齢はとくに関係ありません。

  • ペットの体に不調を感じることが多くなった時
  • 若い子だけれど発育に不安がある時
  • 小さい頃からお腹を壊しやすく体が弱い
  • 西洋薬で治療をしているけれど改善しない時
  • シニアになったので健康に配慮してあげたい

    など

まとめ

漢方薬は、体の不調を整えペットが本来持つ自然治癒力を高めたり、体質改善のお手伝いをしてくれます。
ですから、その適応症は幅広く多くの病気で使用することができます。
また、年齢に関係なく使用することもできます。

漢方薬を試してみたいと思っているけれど、迷っている。
そんな時は、獣医師に相談して下さい。
漢方薬で、ペット達の健康をサポートしてあげましょう。

投稿者プロフィール

名取(獣医師)

生まれ変わっても猫と暮らしたい。

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