【アメリカンショートヘアに多い病気】特徴と注意したい遺伝性疾患を獣医師が監修|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

丸い頭に美しい縞模様、穏やかで人懐っこい性格が魅力のアメリカンショートヘアさん。
「丈夫で育てやすい猫」というイメージを持たれることが多い猫種ですが、実は体質的に気をつけたい病気がいくつかあります。

特に多いのが

  • 肥大型心筋症(HCM)
  • 尿路結石(尿石症)
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 歯周病

これらは初期症状がとても分かりにくく、日常のほんの小さな変化から始まることが多いため、飼い主さまの気づきがとても大切です。

この記事では、アメリカンショートヘアさんに多い病気をわかりやすく解説し、早期発見のポイントやご家庭でのケアのヒントをまとめました。
ぜひ、日頃のお世話の参考にしてください。

池田動物病院のトップページへ(アメリカンショートヘアの病気に対応)
目次

アメリカンショートヘアに多い病気とは?

アメリカンショートヘアが2頭並んで座っているイラスト

アメリカンショートヘアさんは穏やかで育てやすい反面、「太りやすい体質」「心臓病の遺伝的リスク」「泌尿器のトラブル」を抱えやすい猫種です。

特に気をつけたいのが次の5つの病気です。

特に注意したい5つの病気

肥大型心筋症(HCM)

アメリカンショートヘアさんに限らず多くのねこちゃんに発生しやすい代表的な心臓病です。
心臓の筋肉が厚くなることでうまく血液を送り出せなくなる病気で、発症の原因には遺伝要因が関係しているとされています。

初期症状が少ないため、飼い主さまが気づいた時には進行しているケースもめずらしくありません。

よく見られるサイン

  • あまり遊ばなくなる
  • 呼吸が早い、浅い
  • 食欲のムラ
  • ぐったりして寝ている時間が長い
  • 後ろ足が動かなくなる(血栓症)

特に「呼吸の乱れ」は緊急性が高いため、早めの受診が必要です。

検査と治療

  • 心エコー(もっとも重要)
  • レントゲン
  • BNPを含む血液検査
  • 内服薬で心臓への負担を軽減

1歳を過ぎたあたりで一度、心臓の健康チェックを受けておくと安心です。

尿路結石(尿石症)

アメリカンショートヘアさんは体質的に尿が濃くなりやすく、結晶・結石ができやすい傾向があります。

初期で気づけると治療しやすい一方、悪化すると痛みを伴ったり、詰まり(尿閉)を起こして命にかかわることもあります。

初期症状

  • 何度もおトイレに行く
  • 尿が少ししか出ない
  • おトイレでうずくまる
  • 血尿
  • 強いにおい

男の子のねこちゃんは特に尿道が細いため、詰まりやすく注意が必要です。

肥満

アメリカンショートヘアさんは食欲旺盛で、のんびりした性格の子が多いため、体重管理が非常に難しい猫種とされています。

肥満が進むと、

  • 心臓病の悪化
  • 関節への負担
  • 尿路結石の再発
  • 糖尿病の発症

など、多くの病気を併発しやすくなります。

「よく食べて元気なら大丈夫かな?」と思われがちですが、太りやすい体質の子ほど注意が必要です。

糖尿病(とうにょうびょう)

肥満と深く関係している病気の1つが糖尿病です。
インスリンが不足したりうまく働かなくなることで血糖値が高くなり、早期治療を逃すと重症化することがあります。

よく見られる症状

  • お水をたくさん飲む
  • おしっこの量が増える
  • 食べているのに痩せていく
  • 毛づやがわるい
  • 足元がふらつく
  • おトイレの砂の減りが早い

糖尿病は早期治療でコントロールしやすくなるため、日頃の「多飲・多尿」は必ずチェックしたいサインです。

歯周病

アメリカンショートヘアさんは歯垢がたまりやすく、歯石→歯肉炎→歯周病と進行してしまう子も多い印象です。

サインの例

  • お口が臭う
  • よだれ
  • 固いフードを嫌がる
  • お顔をさわられるのを嫌がる

口腔ケアは難しく感じられるかもしれませんが、できる範囲のケアや定期的な歯科チェックで健康寿命を延ばすことができます。

気づきにくい初期症状に注意

アメリカンショートヘアさんの病気は、
「よく寝ている」
「食べる量が少し変わった」
など、本当に小さな変化から始まります。

特に注意したいサインは、

  • お水を飲む量の変化
  • おトイレ回数の増減
  • 呼吸の速さ
  • 遊び方の変化
  • 毛づやがわるい
  • 急な体重増減

飼い主さまが気づいたその感覚が、早期発見につながります。

早期発見のためにできること

定期検診のすすめ

  • 若い頃:年1回の健康診断
  • 7歳以降:年2回の検診

とくにアメリカンショートヘアさんの場合、心臓・泌尿器・体重管理は必ずチェックしたい項目です。

自宅でのチェックポイント

  • 飲水量
  • 尿の色・回数
  • 体重変化
  • 呼吸の速さ
  • おしっこのにおい
  • 食欲のムラ

毎日の観察が、病気のサインを見逃さない最良の方法です。

よくある質問(FAQ)

Q. アメリカンショートヘアは心臓病になりやすいのですか?

A. 遺伝的な傾向があるため、若いうちから心エコー検査をおすすめしています。

Q. 多飲多尿は糖尿病だけが原因ですか?

A. 糖尿病・腎臓病・甲状腺機能亢進症など、多くの病気で起こる症状です。

Q. 尿路結石は療法食で治りますか?

A. 結晶・結石の種類によります。
改善するものもありますが、詰まりを起こしている場合は緊急対応が必要です。

まとめ|アメリカンショートヘアさんを健康に保つために

アメリカンショートヘアさんは丈夫なイメージがある一方、心臓病・肥満・尿路結石・糖尿病など、体質的に注意したい病気が多い猫種です。

大切なのは、「いつもと違うかも?」という小さな変化を見逃さないことです。

池田動物病院では、アメリカンショートヘアさんに多い病気の検査・治療に幅広く対応しております。
気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

池田動物病院の電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次