猫の便秘に注意!見逃しやすいサインと今すぐできる家庭ケア【川崎市の飼い主さま向け】

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。​

当院では、日々さまざまな健康相談をいただいておりますが、中でも見逃されがちな症状のひとつがねこちゃんの「便秘」です。

「なんとなく最近うんちが出ていないような…」
「トイレの時間が長くなった気がする…」

このような変化を感じたら、早めに対応することがとても大切です。

この記事では、ねこちゃんの便秘について、原因やサイン、家庭でできるケア方法、予防策についてわかりやすくご紹介します。

うずくまって元気のない様子の茶トラ猫(便秘のサインが見られる)
目次

猫の便秘とは?どんな状態を指すのか

ねこちゃんの便秘とは、通常よりも長期間排便が見られず、便が硬くなってしまった状態をいいます。
具体的には、48時間以上便が出ていない場合や、明らかに便の量・回数が減っているときは便秘を疑う必要があります。

腸内に長く留まった便は水分が吸収されてどんどん硬くなり、さらに排便が困難になるという悪循環に陥ります。
放置すると、消化器のトラブルだけでなく、全身の健康に影響を及ぼすこともあります。

猫が便秘になる原因とは?

ねこちゃんの便秘には、さまざまな要因が関係しています。
どのような原因があるのかを理解することで、予防にもつながります。

猫の便秘と水分不足の関係

ねこちゃんは元々、あまりお水を飲まない習性があります。
ドライフードを主食としている場合、お食事からの水分摂取がほとんど期待できず、結果的に便が乾燥しやすくなります。
特に夏場や暖房の効いた冬場は、水分不足が進行しやすいため注意が必要です。

猫の運動不足が便秘に与える影響

室内での生活が中心となるねこちゃんの場合、どうしても運動量が少なくなりがちです。
運動不足は腸の蠕動運動を低下させ、便がスムーズに排出されなくなります。
特に、高齢のねこちゃんや肥満傾向にあるねこちゃんでは、便秘のリスクが高まります。

毛玉や腸閉塞が原因になることも

換毛期の長毛種やグルーミング好きなねこちゃんは、毛を大量に飲み込むことで毛玉が腸内に蓄積し、便の通過を妨げることがあります。
重度の場合、腸閉塞を引き起こすこともあり、緊急対応が必要になります。

高齢猫・病気の猫が便秘になりやすい理由

年齢とともに筋力が落ちたり、腸の働きが鈍くなることで、排便がうまくいかなくなります。
また、慢性腎臓病や糖尿病、甲状腺機能低下症などの基礎疾患がある場合も、便秘の原因になります。

猫の便秘とストレスの意外な関係

環境の変化(引っ越し・トイレの場所変更・来客)などは、ねこちゃんにとって大きなストレスとなります。
ストレスは自律神経を乱し、腸の動きを弱める要因にもなります。

猫の便秘のサインと見分け方

便秘を早期に発見するためには、日々の排便状態に注意することが大切です。
以下のような行動が見られる場合は、便秘の可能性があります。

  • 2日以上排便がない
  • トイレに何度も行くのに、便が出ていない
  • 排便時に鳴いたり、うずくまる姿勢をとる
  • 便がコロコロしていて硬い
  • 食欲が落ちる、吐く、元気がない
  • おなかが張っていて、さわられるのを嫌がる

これらのサインを放置すると、症状が進行してしまうこともあるため、見逃さないようにしましょう。

自宅でできる猫の便秘ケア方法

青い器からおいしそうに水を飲んでいる茶トラ猫(水分補給をしている様子)

軽度の便秘であれば、家庭での工夫で改善するケースもあります。

以下のようなケア方法を試してみましょう。

  • 新鮮なお水を複数の場所に設置する
  • ウェットフードやスープごはんを取り入れる
  • 獣医師に相談のうえ、毛玉ケア用サプリメントを活用する
  • ブラッシングで抜け毛の摂取を防ぐ
  • トイレを常に清潔に保ち、落ち着ける場所に設置する

便秘が48時間以上続く場合や、元気や食欲の低下が見られる場合には、家庭だけで対処せず、早めに病院を受診してください。

猫の便秘で動物病院に行くべきタイミングと治療法

便秘が進行している場合や、原因がはっきりしないときは、動物病院での診察が必要です。

以下のような治療や検査が行われます。

  • 便を柔らかくする薬の処方(例:ラクツロースなど)
  • 浣腸処置による一時的な便の排出
  • 点滴による水分補給と全身状態の安定化
  • レントゲンやエコー検査で腸の状態を確認
  • 食事療法やサプリメントの指導
  • 漢方や鍼灸治療による慢性化した便秘への治療

当院では、腫瘍など重篤な原因が疑われる場合には、腫瘍科の視点から精密検査をご提案しています。

また、高齢のねこちゃんや体力低下に伴う便秘では、漢方や鍼灸治療も行っています。

東洋医学(漢方・鍼灸)の診療は、名取先生のみとなります。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。
鍼治療に関しては、2回目以降もお電話か窓口でのご予約のみとなります。

猫の便秘を予防するためにできること

便秘は、日頃の生活習慣の見直しで予防できることが多いです。

以下の点を心がけてみてください。

猫の便秘予防に効果的な食事と水分補給

  • ウェットフードやスープ系のトッピングで水分摂取を促す
  • 自動給水器を活用して、飲水量を増やす
  • 食物繊維が適度に含まれたフードを選ぶ(可溶性と不溶性のバランスが大切)

猫の便秘予防に運動とストレス対策が大切な理由

  • キャットタワーやおもちゃで上下運動を取り入れる
  • トイレは静かで落ち着ける場所に設置する
  • 家族の騒がしさや模様替えに配慮する

便秘を早期発見するための健康チェックのすすめ

  • 年に1~2回の健康診断を実施
  • シニア期(7歳以上)のねこちゃんは半年ごとのチェックがおすすめ
  • 日々の便の状態・排便の頻度を記録しておく

便秘が病気のサインであることも

慢性便秘が続くと、「巨大結腸症」と呼ばれる状態になることがあります。
これは大腸が異常に拡張してしまい、自然排便が困難になる状態です。

また、便秘の裏には腫瘍や腸閉塞、泌尿器疾患などの重篤な病気が隠れていることもあります。
便秘を軽く考えず、異変に気付いたら早めにご相談ください。

まとめ:猫の便秘に気づいたら早めの対処を

便秘は小さな変化から始まりますが、放置するとねこちゃんの健康に大きな影響を及ぼします。
日頃から排便の様子を観察し、水分や運動、環境を整えることが予防につながります。

「なんだか便が出ていないかも?」と感じたら、ぜひ早めに動物病院にご相談ください。

川崎市でねこちゃんの便秘についてお困りの際は、池田動物病院までお気軽にご相談をお寄せください。

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護士

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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