地域密着のホームドクターとして35年
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川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。
「うちの子も、もうすぐ5か月に」
「大きくなってきたけれど、まだ子猫用のフードでいいのかな?」
そんなご相談を、飼い主さまからよくいただきます。
生後5〜12か月の子猫ちゃんは、見た目はすっかり小さな成猫のようですが、まだまだ成長の途中です。
骨格や筋肉がしっかりと発達し、避妊・去勢手術の有無によって体型や必要なカロリーも変わってくる時期です。
このブログでは、生後5〜12か月の子猫ちゃんを対象に、食事の選び方、与える量や回数、体重管理のポイントをわかりやすくご紹介いたします。
5か月を過ぎた子猫ちゃんは、身体つきがしっかりとしてきて、動きもますます活発になります。
見た目は「小さな成猫」のように見えますが、まだ成長の真っ最中です。
このため、食事の質と量の調整がとても大切になります。
こうした疑問に応える形で、この後の章では食事管理のポイントを解説していきます。
生後5か月を過ぎると、見た目はすっかり大きくなってきて「もう成猫用フードでもいいのかな?」と迷う飼い主さまも多いのではないでしょうか。
ですが、この時期はまだ「子猫用フード(キトンフード)」を与えるのが基本です。
見た目はすっかり成猫のように見える生後5〜12か月の子猫ちゃんですが、必要な栄養バランスは成猫とは大きく異なります。
項目 | 子猫ちゃん用フード | 成猫用フード |
---|---|---|
エネルギー量 | 高め(体重1kgあたり約2倍必要) | 維持に必要な量のみ |
たんぱく質 | 豊富(成長・発達に必須) | 維持量に調整 |
脂質 | やや高め(効率的なエネルギー源) | 過剰は肥満につながる |
カルシウム・リン | 骨格形成に必要な比率で調整 | 成長が止まると必要量は減る |
DHA・EPA | 脳や視覚の発達に必要 | 成猫では必須度は低い |
子猫ちゃんの成長には、十分なエネルギー(カロリー)が必要です。
ただし与えすぎも肥満につながるため、計算を目安にしながら調整しましょう。
以下に、5か月~12か月頃の猫の1日に必要なフード量の計算方法を載せてみました。
【1日あたりに必要なフード量の計算方法】
猫の体重から安静時エネルギー要求量(RER)を求めます
↓
RERに活動係数をかけて1日当たりのエネルギー要求量(DER)を求めます
↓
DERをフードの100gあたりのエネルギー量で割り、100をかけます
RERとはRest Energy Requirementの略称であり、正常な動物が常温環境で安静にしているときの1日に必要なエネルギー要求量のことを指します。
つまり、「ねこちゃんが安静にしているときに必要な1日あたりのエネルギー量」のことです。
RERの数値の出し方は
RER(kcal)= (体重)0.75 × 70
となります。
ちょっと難しそうに見えますが、電卓で次のように計算できます。
電卓を使ってRERを計算する場合
(体重)0.75は
体重×体重×体重の結果に √√とルートを2回押して出し、
最後に70をかけて算出します。
例)体重2kgのねこちゃんの場合
2 × 2 × 2 = 8
8に「√(ルート)」を2回押すと「約1.681」
1.681 × 70 ≒ 117.67kcal/day
この118kcalが、その子が静かに過ごす1日に必要なカロリー(RER)になります。
計算が苦手な方は、簡単にRERを求められる概算表があるので載せます。
体重(kg) | RER(kcal/day) |
---|---|
0.5 | 42 |
1.0 | 70 |
1.5 | 95 |
2.0 | 118 |
2.5 | 139 |
DERとはDaily Energy Requirementの略称であり、各成長段階や活動度に応じた平均的な1日あたりのエネルギー要求量のことを指します。
つまり、「日常生活を送るうえで実際に必要なカロリー量」です。
DERは
DER(kcal)= RER × 活動係数
の計算式で導かれます。
例)2kg・6か月齢のこねこちゃんの場合
RER=118
118 × 2.5 = 295kcal/day(DER)
295kcalが1日に必要なカロリー量となります。
猫の活動係数(DER計算用の目安)
状況・ライフステージ | 活動係数(目安) |
---|---|
成猫(避妊・去勢済み、室内飼い) | 1.2〜1.4 |
成猫(未避妊・未去勢、活動的) | 1.4〜1.6 |
成猫(とても活発/屋外に出る) | 1.6〜1.8 |
成猫(肥満傾向で減量が必要) | 1.0 |
子猫(生後4か月まで) | 3.0 |
子猫(生後4〜12か月) | 2.5 |
妊娠期 | 2.0〜2.5 |
授乳期(ピーク時) | 4.0〜5.0 |
シニア猫 | 1.1〜1.2 |
ここまでで「その子に必要な1日のカロリー量(DER)」がわかりました。
あとは与えたいフードのエネルギー量(kcal/100g)を使って、必要なグラム数を計算します。
1日あたりに必要なフード量は、DERをフード1gあたりのエネルギー量で割ると求められます。
1日に必要なフードの量(g)= DER × 100 ÷ フードの100gあたりのカロリー
例)体重2㎏ 5か月齢子猫 子猫用総合栄養食 407kcal(407kcal/100g)のフードを与えたい場合
295(DER)×100 ÷ 407 = 約72.48g
上記の式より、1日のフード量は73gと導かれ、1日にあげる回数(3~4回)で分けて与えてください。
これを1日3〜4回に分けて与えるのが理想です。
計算がむずかしいときは…
「計算がちょっと苦手」「自信がない」という方は、無理にご自分でやらなくて大丈夫です。
池田動物病院では、ねこちゃんの体格や生活習慣をもとに、ぴったりのごはん量やフード選びをお手伝いしています。
どうぞお気軽にご相談ください。
体重(kg) | RER(kcal) | DER(kcal) |
---|---|---|
1.0 | 70 | 175 |
1.5 | 95 | 238 |
2.0 | 118 | 295 |
2.5 | 139 | 348 |
3.0 | 160 | 400 |
3.5 | 179 | 448 |
4.0 | 198 | 495 |
生後5〜12か月の子猫ちゃんは、身体の成長が続いている一方で、消化機能は安定してきます。
そのため、食事回数は少しずつ減らしても大丈夫になってきます。
月齢 | 食事回数 | ポイント |
---|---|---|
5〜6か月 | 3〜4回/日 | まだ小分けが安心。肥満防止のため量は調整。 |
7〜9か月 | 3回/日 | 消化器も発達し、回数を減らしてOK。 |
10〜12か月 | 2〜3回/日 | 成猫に近づき、1日2回でも大丈夫に。 |
最終的には1歳を目安に、成猫と同じ「1日2回食」へ移行します。
生後5〜12か月は「子猫から成猫へ移行する時期」。
この間に飼い主さまから特に多いのが体重管理とフード切り替えに関するご相談です。
生後5〜12か月の子猫ちゃんは、見た目は成猫に近づいていても、身体の中ではまだまだ成長が続いています。
この時期の食事管理は、成猫になってからの健康を大きく左右する大切な準備期間です。
「もう大きくなったから大丈夫」と思いがちですが、5〜12か月の時期はまだ発育の途中です。
この期間に正しいフード選びと量の調整をしてあげることが、成猫になったときの健康を守ります。
池田動物病院では、ねこちゃんのライフステージに合わせた食事のアドバイスを行っています。
「この量で合っているのかな?」「太りすぎが心配」など、どんな小さなことでもご相談ください。
🐾 猫のお食事シリーズはこちら
ねこちゃんの年齢やライフステージに合わせたごはん選びの参考に、以下の記事もあわせてご覧ください。
▶ 生後0〜4か月の子猫のお食事と栄養|ミルクから離乳へ健康な成長をサポート
▶ 生後5〜12か月の子猫のお食事と栄養|成猫に向けた健康な成長と体重管理 (この記事)
▶ 成猫のお食事と栄養|健康を維持するフード選びと体重管理
▶ シニア猫のお食事と栄養|年齢に合わせた健康管理
この記事の執筆・監修
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師
菊地(さ)愛玩動物看護師
ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。
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