地域密着のホームドクターとして35年
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川崎市中原区の飼い主の皆様こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。
猫ちゃんの健康を考えた時に、気をつけてあげたいことのひとつに食事があります。
猫ちゃんは7歳くらいから中高年期、10〜11歳から高齢期と言われています。
7歳では見た目ではほとんど変化がなく、歳をとっているようには思えないかもしれません。
しかし、体の機能や代謝量は徐々に低下しています。
そこで、老化に伴う食事量や運動量の変化に合わせたフードを与えることが大切になります。
7歳以降の猫ちゃんは人間と同様、加齢によって健康面での様々な変化が起こります。
運動時間が減ってきて筋肉が衰えてきたり、内臓機能も衰えてくるため必要なカロリーも減ります。
タンパク質、脂質、カロリーともに高すぎるものを避けてビタミンや腸の働きを助ける成分が含まれたフードを選んだり、高齢期に多い腎臓病の子はリンを過剰に摂りすぎる事で、病気の進行を進めてしまうため、食事が十分に取れている子はタンパク質量の多すぎないもの、リンの含有量が少ないものを選ぶなど、その子の健康状態に合わせたシニア用のフードを選びましょう。
何か症状がある場合には病気が原因の可能性もあるので、早めに動物病院で診療を受けて獣医師に相談し、その子に適した療法食や総合栄養食を選ぶ必要があります。
まずはパッケージに記載されている給与量を参考に与えてください。
その子によって消費エネルギーは異なるため、あくまで参考程度です。
体重の変化や体調などを見ながらフード量を調整してあげてください。
以下に、シニア猫の1日に必要なフード量の計算方法を載せてみました。
【1日あたりに必要なフード量の計算方法】
猫の体重から安静時エネルギー要求量(RER)を求めます
↓
RERに活動係数をかけて1日当たりのエネルギー要求量(DER)を求めます
↓
DERをフードの100gあたりのエネルギー量で割り、100をかけます
RERとはRest Energy Requirementの略称であり、正常な動物が常温環境で安静にしているときの1日に必要なエネルギー要求量のことを指します。
つまり、「ねこちゃんが安静にしているときに必要な1日あたりのエネルギー量」のことです。
RERの数値の出し方は
RER(kcal)= (体重)0.75 × 70
となります。
ちょっと難しそうに見えますが、電卓で次のように計算できます。
電卓を使ってRERを計算する場合
(体重)0.75は
体重×体重×体重の結果に √√とルートを2回押して出し、
最後に70をかけて算出します。
例)体重4.5kgのねこちゃんの場合
4.5 × 4.5 × 4.5 = 91.125
91.125に「√(ルート)」を2回押すと「約3.089」
3.08 × 70 ≒ 216kcal/day
この216kcalが、その子が静かに過ごす1日に必要なカロリー(RER)になります。
計算が苦手な方は、簡単にRERを求められる概算表があるので載せます。
Kg | RER(kcal/day) |
1.5 | 95 |
2.0 | 118 |
2.5 | 139 |
3.0 | 160 |
3.5 | 179 |
4.0 | 198 |
4.5 | 216 |
5.0 | 234 |
6.5 | 285 |
7.0 | 301 |
7.5 | 317 |
8.0 | 333 |
8.5 | 348 |
9.0 | 364 |
9.5 | 379 |
DERとはDaily Energy Requirementの略称であり、各成長段階や活動度に応じた平均的な1日あたりのエネルギー要求量のことを指します。
つまり、「日常生活を送るうえで実際に必要なカロリー量」です。
DERは
DER(kcal)= RER × 活動係数
の計算式で導かれます。
例)4.5kg・14歳のシニアのねこちゃんの場合
RER=216
216 × 1.1 = 237.6kcal/day(DER)
238(237.6)kcalが1日に必要なカロリー量となります。
ここまでで「その子に必要な1日のカロリー量(DER)」がわかりました。
あとは与えたいフードのエネルギー量(kcal/100g)を使って、必要なグラム数を計算します。
1日あたりに必要なフード量は、DERをフード1gあたりのエネルギー量で割ると求められます。
1日に必要なフードの量(g)= DER × 100 ÷ フードの100gあたりのカロリー
例)体重4.5㎏ シニア(高齢)猫 シニア猫用総合栄養食 321kcal(321kcal/100g)のフードを与えたい場合
238(DER)×100 ÷ 321 = 約74.1g
上記の式より、1日のフード量は74gと導かれ、1日にあげる回数で分けて与えてください。
計算がむずかしいときは…
「計算がちょっと苦手」「自信がない」という方は、無理にご自分でやらなくて大丈夫です。
池田動物病院では、ねこちゃんの体格や生活習慣をもとに、ぴったりのごはん量やフード選びをお手伝いしています。
どうぞお気軽にご相談ください。
シニア猫(高齢猫)は自分の食事量をコントロールすることができなくなり、多く与えてしまうと食べすぎてしまう場合もあります。
食事回数の目安は1日1~4回ですがその子の食べ方や体重の変化を見ながら調整してあげてください。
またシニア猫(高齢猫)は食べる時と食べないときの差が出るようになる子がでてきます。
そのため、いつでも食べられる環境を整えておくと猫ちゃんのストレスも少ないので、その子に合わせて回数や1回量の分配を決めてあげてください。
高齢になると咀嚼力や消化機能が衰えてきたり、歯周病や口内炎などさまざまな原因でごはんを食べてくれない事が多くなってきます。
そういう時は飲み込みやすいようにドライフードをふやかしたり、ウェットフードを与えてみたり、シニア猫(高齢猫)用のペースト状のおやつをトッピングしてみるのも方法のひとつです。
また新鮮な水も必ず用意してください。
あまり水分をとっていないようならば、上記ようにウェットフードを与えてみたり、ドライフードをふやかしてあげるなど水分補給をしやすい環境を整えてあげてください。
猫ちゃんも年を取ると筋肉が少なくなって姿勢や飲み込むのがつらい可能性があります。
楽な姿勢で食事できるように猫ちゃんの体型に合わせて器の高さを台にのせて調整してあげたり手やスプーンで食べさせてあげたりするのも良いでしょう。
シニア猫(高齢猫)になってもできるだけ健康を維持するためには自分の口から適切な栄養を摂ることがとても大切です。
愛猫の健康状態や行動の変化をよく観察して、不調や不便さを理解し食事環境や内容を整えてあげましょう。
もし、愛猫の食事のことでお悩みのことや困ったことがあれば池田動物病院スタッフへ気軽にご相談ください。
この記事の執筆・監修
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:森田 動物ケアスタッフ
森田(動物ケアスタッフ)
IKEDA ANIMAL HOSPITAL
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