【サイベリアンに多い病気】遺伝性疾患と気をつけたい皮膚・泌尿器トラブルを獣医師が監修|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

ふわふわでボリュームのある被毛、落ち着いた性格、そして人との距離感がちょうどいい魅力的なサイベリアンさん
「低アレルゲン猫」として見かけることもありますが、体質や生活環境によっては、一般のねこちゃんと同じように病気になることがあります。

当院にも、サイベリアンさんの来院が少しずつ増えており、診察を通じて傾向として多い病気や気をつけたい体質が見られます。

この記事では、サイベリアンさんと暮らす飼い主さまに向けて、気づきづらい病気のサイン・多い傾向の疾患・お家でできるケア方法をまとめました。

「最近気になる仕草がある…」
「迎えたばかりなので、健康管理のポイントを知りたい」
という飼い主さまにもぜひ読んでいただきたい内容です。

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目次

サイベリアンに多いと言われる遺伝性疾患

サイベリアンの成猫2頭とグレーの子猫が並んで座っているイラスト

サイベリアンさんは健康的な体型の印象がありますが、遺伝的な背景から注意が必要な病気があります。
特に以下の2つは、定期的な検査や意識が大切です。

肥大型心筋症(HCM)

大型猫や一部の猫種で見られる心臓の筋肉が厚くなる病気です。

初期はほとんど症状がなく、

  • 呼吸が早い・浅い
  • 運動を嫌がる
  • 寝ている時間が増える

など、気づきにくいサインで進行してしまうことがあります。

心臓エコー検査(超音波)により早期発見が可能です。
サイベリアンさんの場合、1歳~定期的な検査がおすすめです。

多発性嚢胞腎(PKD)

腎臓に袋状の嚢胞ができ、徐々に腎臓が正常に働けなくなる病気です。
遺伝的な要素が関係しているとされ、若いうちからエコー検査で確認できることがあります

次のような様子がある場合は要注意です。

  • お水をよく飲む
  • 尿の量が多い
  • 食欲が落ちる
  • 体重が減ってきた

サイベリアンさんは成長につれて毛量も増えるため、見た目では体重変化が分かりにくいこともあります。

被毛が豊かだからこそ気をつけたい「皮膚トラブル」

サイベリアンさんの大きな魅力はふわふわのダブルコート
しかし、この特徴により以下のトラブルが起きやすくなります。

  • 皮膚炎
  • マラセチア皮膚炎
  • 外耳炎
  • 毛玉による不快感

湿度が高い季節(梅雨〜夏)は、毛の中に湿気や皮脂がこもりやすく、

  • かゆがる
  • 頭や背中をよく掻く
  • フケが増える
  • お耳が臭う、赤い

などの症状が現れることがあります。

ブラッシングの頻度は週2~3回ほどが目安ですが、換毛期はもう少し増やしても良いでしょう。
特にお耳のケアは見落とされやすいため、月1回ほどお耳チェックの習慣をつけると安心です。

膀胱炎・尿石症など「泌尿器疾患」にも注意

サイベリアンさんは体格がしっかりしている分、お食事量や代謝の変化が泌尿器に影響しやすい傾向があります。
特に次の病気が比較的多くみられます。

  • 膀胱炎
  • ストルバイト結石
  • シュウ酸カルシウム結石

排尿の様子はチェックポイントが多いので要観察です。

こんな時はなるべく早くご相談ください。

サイン要チェック例
排尿回数の変化何度もおトイレに行く・長く座っている
尿の見た目赤い、濁りがある、量が少ない
行動排泄時に鳴く、痛そうにする

泌尿器トラブルはお食事・水分摂取・トイレ環境の見直しで予防や改善しやすい病気でもあります。

太りやすい体型?体重管理はとても大切

成長期のサイベリアンさんは骨格がしっかりしてくるため、「標準体型なのか太っているのか分からない」というご相談をいただくことがあります。

しかし、肥満は心臓・肝臓・関節・泌尿器系への負担となるため、定期的な体重・体型チェックが必要です。

特に…

  • 運動量が少ない
  • 高カロリーなおやつが多い
  • 多頭飼育でごはんを奪い合う

といった場合は要注意です。

サイベリアンと暮らすための健康チェックポイント

サイベリアンさんと安心して暮らしていくためには、日々のケアだけでなく、定期的な健康チェックがとても大切です。
特にサイベリアンさんに多いと言われる心臓・腎臓・泌尿器・皮膚トラブル・体重管理は、早期発見・早期ケアが健康寿命に大きくかかわります。

ここでは、飼い主さまが意識しておきたい健康ポイントを、項目別にまとめました。
ご家庭での目安として、ぜひ参考にしてください。

心臓検査(心エコー)…年1回

サイベリアンさんでは、肥大型心筋症(HCM)が見つかることがあります。
症状が出る前に気づくことがとても重要な病気のため、若い頃から年1回の心臓エコー検査を続けることがおすすめです。

腎臓のチェック…年1回(7歳以上は半年に1回)

多発性嚢胞腎(PKD)を含め、腎臓の病気は早期に発見しにくいのが特徴です。
血液検査とエコー検査を組み合わせることで異常を早く察知できるため、定期的な検査習慣が大切です。

皮膚・耳のケア…週2~3回

豊富な毛量とダブルコートという特徴から、湿気や皮脂がこもりやすい傾向があります。
週2~3回のブラッシングに加え、お耳の赤み・におい・かゆみなどもチェックしましょう。
特に梅雨~夏は皮膚トラブルが増えやすいため注意が必要です。

体重チェック…月1回

サイベリアンさんは毛量が多く、太っているかどうかが見た目では判断しにくい猫種です。
月に1回程度、体重を数字で把握しておくことで、肥満や急な痩せを早期に気づくことができます。

泌尿器ケア…毎日観察

膀胱炎や尿石症など、泌尿器系のトラブルが見られる場合があります。
おしっこの回数・量・色・排尿姿勢の様子などを毎日観察し、もし普段と違う様子があれば早めの受診がおすすめです。
水分摂取量とトイレ環境の工夫も、予防の大切なポイントです。

最後に|小さな変化が大きなヒントになります

サイベリアンさんは穏やかで我慢強い性格の子が多く、体調不良が分かりにくいことがあります。
そのため、早めの検査や日々の観察が健康を守る鍵になります。

池田動物病院では、健康診断・体重管理・食事相談・皮膚ケア・泌尿器ケアなど、サイベリアンさんに合わせたサポートが可能です。
気になる症状や「これって大丈夫?」という小さなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

池田動物病院|電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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