【ポメラニアンに多い病気】気をつけたい遺伝性疾患と初期症状を獣医師が監修|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

ふわふわの被毛と明るい性格が魅力のポメラニアンさん。
家族に甘えん坊な子も多く、初めてわんちゃんを迎えるご家庭でも人気の犬種です。

一方で、ポメラニアンさんには体質的に注意したい病気がいくつかあります。
気管が細いため「気管虚脱」が起こりやすく、また膝の関節・皮膚・心臓・目の病気も比較的多いことが特徴です。

初期症状はとても分かりにくく、
「よくある咳だと思っていた」
「よくかくのはクセだと思っていた」
といった“ささいな変化”が病気のサインであることも珍しくありません。

この記事では、ポメラニアンさんに特に多い病気を中心に、初期症状から予防のポイントまでやさしく解説いたします。
日々のケアや気づきのヒントとして、ぜひお役立てください。

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目次

ポメラニアンに多い病気とは?

ポメラニアンが3頭並んで座っているイラスト

ポメラニアンさんは、

  • 気管が細い
  • 骨格が華奢
  • 被毛が密で皮膚が蒸れやすい
  • 目が大きく乾燥しやすい

という身体の特徴が、多くの病気と関係しています。

特に当院でご相談が多いのは、気管虚脱・膝蓋骨脱臼・皮膚トラブル(アロペシアX)・心臓病・目の病気(流涙症・白内障)などです。

身体の特徴と病気の関係

ポメラニアンさんは気管が細く、柔らかいため、興奮したときやお散歩のあとに咳が出やすい体質です。
また、被毛が非常に密で皮膚が蒸れやすいため、若い頃から皮膚炎や脱毛症が現れることもあります。

骨格は華奢で、膝に負担がかかると膝蓋骨脱臼につながります。
そして、丸く大きな瞳は乾燥しやすく、流涙症や角膜トラブルが起こりやすい傾向があります。

このように、身体のつくりそのものが病気のリスクにかかわっているため、日常的な観察がとても大切です。

特に注意したい5つの病気

気管虚脱

ポメラニアンさんで最も有名な病気です。
気管が押しつぶされて空気の通り道が狭くなる病気で、特徴的な「ガーガー」「ケッケッ」という咳が出ます。

よく見られるサイン

  • お散歩の後に咳き込む
  • 興奮すると「ガーガー」と苦しそう
  • 首輪で引っ張るとむせる
  • 夜間に咳が続く

軽度でも進行することがあり、重度では呼吸困難に陥ることもあります。

治療のポイント

  • 鎮咳薬、気管支拡張薬
  • ハーネスへの切り替え
  • 興奮させすぎない環境づくり
  • 肥満予防(体重は気管に大きく影響します)

当院おすすめの気管サポートハーネス

当院では、気管を圧迫しにくいやさしいハーネスを取り扱っています。

アニサポ ハーレスト (anifull)

  1. 気管に当たらない
    気管を避けたY字形状の首もと
    で、愛犬の気管を圧迫しにくくしています。
  2. 胸や脇を締め付けない
    肩部分にクッションパッドを配置することで、胸や脇部分に加わる衝撃を逃がし、圧力を軽減しています。
  3. 動きを妨げない
    首の後ろを締め付けないので、歩く・走る動作がしやすく、わんちゃんの身体の丸みに合わせ縫製しフィット性を追求しています。

アニサポ ハーレストの公式サイトはこちら
▶ 気管にやさしい犬の散歩用ハーネス アニサポ ハーレスト

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝のお皿が正常位置から外れてしまう病気で、小型犬に特に多く、ポメラニアンさんも例外ではありません。

こんなサインはありませんか?

  • 片足を突然浮かせて歩く
  • 階段を嫌がる
  • 着地のときに「カクッ」とする
  • さわると痛がることがある

初期は元気に見えるため気づかれにくいですが、放置すると関節炎や痛みにつながります。

治療はサプリ・内服・リハビリ・外科手術など、重症度に応じて選択します。

皮膚トラブル(アロペシアX・皮膚炎)

ポメラニアンさんは皮膚トラブルがとても多い犬種です。

特に密な被毛により、

  • アロペシアX(脱毛症)
  • アレルギー皮膚炎
  • 脂漏症

などが長期化しやすい傾向にあります。

よくある症状

  • おしりや太ももの毛が薄くなる
  • 身体の特定の場所だけ丸く脱毛
  • 皮膚の赤み・フケ
  • においが強い

「よく抜ける犬種だから」と油断しやすいですが、実は疾患が原因の脱毛のこともあります。

心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)

小型犬でとても多い心臓病で、ポメラニアンさんも発症が多い傾向にあります。
心臓の弁がうまく閉じなくなることで、血液が逆流し、放置すると咳や疲れやすさにつながります。

初期症状

  • 運動するとすぐ疲れる
  • 寝ているときに咳が出る
  • 呼吸が深く速い

1歳を過ぎたら早めの心臓チェックをおすすめします。

目の病気(流涙症・角膜炎・白内障)

丸く大きな瞳はとても可愛い一方で、乾燥や傷に弱いのが特徴です。

よくあるトラブル

  • 涙やけが目立つ
  • 涙が常にあふれている
  • 目をしょぼしょぼする
  • 黒目が白く見える(白内障の初期)

目は悪化が早いため、「いつもと違う」と思ったときは早めに受診をしましょう。

気づきにくい初期症状に注意

ポメラニアンさんの病気は、日常の“ちょっとした変化”から始まります。

たとえば…

  • 興奮した後の咳
  • 片足を浮かせて歩く
  • 目やにが増えた
  • 皮膚をよくかく涙が多い
  • 階段の上り下りを嫌がる

どの症状も軽く見えますが、実は病気の初期サインである可能性があります。

早期発見のポイント

定期検診のすすめ

若い時期でも年1回、シニア期では年2回の健康診断が理想的です。
特に「目・皮膚・気管・膝」のチェックを重点的に行いましょう。

自宅で気にしてほしいこと

  • 咳の出方
  • 涙の量
  • 歩き方
  • 皮膚や毛並みの変化
  • 体重の増減

小さな変化を見逃さないことが最大の予防になります。

生活環境の工夫

  • 滑りやすい床は避ける
  • ソファなどの高い場所へ登らないよう工夫
  • 興奮しすぎないよう声かけ
  • ブラッシングで皮膚の状態チェック
ポメラニアンの体質改善|東洋医学|池田動物病院

よくある質問(FAQ)

Q. 咳は必ず気管虚脱ですか?

A. 心臓病やアレルギーでも咳は出ます。
早めの受診がおすすめです。

Q. アロペシアXは治りますか?

A. 完全に治るケースは多くありませんが、治療により改善することはあります。

Q. 膝蓋骨脱臼は運動させない方がいい?

A. 安全な運動はむしろ筋力維持に大切です。
過度なジャンプだけ避けましょう。

まとめ|ポメラニアンと健康に暮らすために

ポメラニアンさんは、明るく穏やかな性格でとても人気の犬種ですが、関節・皮膚・気管・目などの病気が出やすい体質も持っています。
大切なのは、日常の小さな変化に早めに気づき、必要に応じて診察や検査を受けてあげることです。

池田動物病院では、ポメラニアンさんに多い病気の検査・治療にも対応しています。
気になる症状がある際は、どうぞお気軽にご相談ください。

ポメラニアンのことなら池田動物病院へ|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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