【獣医師監修】うさぎの毛球症とは?原因・症状・治療・予防まで徹底解説【川崎市の動物病院】

川崎市中原区・武蔵小杉エリアのうさぎさんの飼い主さま、こんにちは。
池田動物病院です。

うさぎさんにとって「毛球症(もうきゅうしょう)」は、とても身近でありながら、命にかかわることもある消化器の病気です。
特に換毛期はリスクが高まり、「少し元気がないかな…」と思っているうちに急激に悪化してしまうこともあります。

本記事では、うさぎさんの毛球症について、原因や症状、治療、そして日常でできる予防のポイントまで、獣医師監修でわかりやすく解説いたします。

「最近食欲がない」
「便が小さい」
といった小さな変化に早く気づくためにも、ぜひ最後までご覧ください。

優しいタッチで描かれた茶色のうさぎが白背景の上に座っているイラスト。リアルで柔らかな毛並みと、穏やかな表情が特徴的。
目次

うさぎの毛球症とは?

毛球症の定義と概要

毛球症とは、うさぎさんがグルーミングによって飲み込んだ毛が胃や腸に溜まり、塊(毛球)となって消化管の動きを妨げる病気です。
犬や猫と違い、うさぎさんは吐き戻すことができないため、飲み込んだ毛は体内に留まりやすく、重症化すると腸閉塞や食滞を引き起こします。

なぜうさぎは毛球症になりやすいのか(生理的特徴)

うさぎさんは胃腸が繊細で、常に食べ物が腸内を動き続けることで健康を保っています。
そのため、毛が詰まることで腸の動きが止まると、ガスが溜まり、食欲不振や命にかかわる状態に陥ります。

発症しやすい時期(換毛期など)

春と秋の換毛期は特に毛球症のリスクが高まります。
大量の毛を飲み込むほか、気温の変化やストレスで消化機能が低下しやすいため注意が必要です。

毛球症の主な原因

換毛期の大量の抜け毛

換毛期は全身の毛が一斉に抜けるため、グルーミングで大量の毛を飲み込みます。
日常的なブラッシングを怠ると、体内に毛が蓄積しやすくなります。

グルーミングによる被毛の摂取

うさぎさんは自分や仲間を舐める習性があります。
その際、被毛を飲み込み、体外に排出できず蓄積してしまうことがあります。

食物繊維不足

牧草などの繊維質が不足すると、腸の動きが鈍くなり、毛の排出が困難になります。

運動不足やストレス

狭いケージや環境の変化により運動不足やストレスが生じ、腸の動きが低下します。

基礎疾患(歯の不正咬合、消化器疾患など)

歯の噛み合わせが悪いと食欲が低下し、繊維質の摂取量が減って毛球症のリスクが高まります。

毛球症の症状

食欲不振・水を飲まない

大好きなペレットや野菜を食べなくなることがあります。
水分摂取も減少します。

排便量の減少や便が小さくなる

健康な便と比べてサイズが小さい、または便の数が減少する場合があります。

盲腸便を残す

通常は再摂取される栄養豊富な盲腸便を食べずに残すことが増えます。

元気消失・じっとしている

普段よりもじっとして動かない様子が見られることがあります
背中を丸める姿勢も見られます。

おなかの張りや不快感

ガスが溜まることでおなかが張り、さわられるのを嫌がります。

毛球症の診断方法

身体検査と触診

腹部の張りや腸の動きを確認します。

レントゲンやエコー検査

毛球やガスの有無、腸の動きの状態を画像で確認します。

便や食欲の状態チェック

飼い主さまからの聞き取りも重要で、便の変化や食欲の低下が診断の手がかりになります。

毛球症の治療方法

内科治療(消化管運動促進薬、整腸剤など)

腸の動きを回復させる薬や、腸内環境を整える整腸剤を投与します。

点滴治療と栄養補給

脱水改善のための皮下点滴や静脈点滴を行います。

強制給餌

食欲がない場合でも消化に良いフードをシリンジで与えます。

外科手術が必要なケース

薬で改善しない場合や腸閉塞が疑われる場合は手術で毛球を取り除きます。

毛球症の予防方法

定期的なブラッシングと換毛期ケア

特に換毛期は毎日ブラッシングを行い、抜け毛を減らします。

高繊維質の食事(牧草中心)

常に新鮮な牧草を与え、腸の動きを維持します。

十分な運動スペースの確保

ケージ外での運動時間を確保し、腸の蠕動運動を促します。

ストレスを減らす飼育環境

静かで安心できる飼育環境を整え、ストレスを最小限にします。

定期健診で早期発見

年に1〜2回の健康診断で異常を早期発見します。

池田動物病院での毛球症診療

当院での検査・治療の流れ

問診・身体検査・画像検査の後、症状に応じた内科または外科治療を行います。

ご来院時の注意点

便や食べ残しを持参いただくと診断の助けになります。

川崎市中原区・武蔵小杉エリアからのアクセス

当院は武蔵小杉駅から徒歩圏内にあり、うさぎさんの診療経験も豊富です。

まとめ

毛球症はうさぎさんにとって命にかかわる可能性のある病気ですが、日頃のケアと早期発見で予防・改善が可能です。
換毛期のブラッシングや牧草中心の食事、定期的な健康チェックを心がけましょう。

うさぎさんを含むエキゾチックアニマルの診療は、石井院長が担当いたします。
初診の方は、お電話でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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