地域密着のホームドクターとして35年
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川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。
わんちゃんやねこちゃんは、好奇心旺盛で何でも口に入れてしまう習性があります。
しかし、食べるべきではないモノを誤って飲み込んでしまうと、中毒症状や消化器のトラブルを引き起こし、場合によっては命に関わることもあります。
この記事では
について詳しく解説します。
飼い主の皆さんが愛犬・愛猫を「誤食・誤飲」事故から守るために、ぜひ参考にしてください。
わんちゃんやねこちゃんの「誤食・誤飲」とは、本来食べるべきではない食べ物やモノを口にしてしまうことを指します。
これには毒性のある食材や異物(おもちゃ、ヒモなど)も含まれ、場合によっては命に関わるケースもあります。
わんちゃんやねこちゃんが誤食をしてしまう主な理由は以下の通りです。
「誤食・誤飲」のリスクは、飼い主さんの注意次第で減らせる部分も多いですが、それでも完全に防ぐことは難しいため、「誤食・誤飲」のリスクを事前に把握することが大切です。
わんちゃんやねこちゃんが「誤食・誤飲」してしまう危険なものは、意外と身近に存在しています。
ここでは特に注意すべき代表的な食べ物・食べ物以外で「誤食・誤飲」しやすいものを挙げます。
チョコレート、ネギ類、ブドウ、キシリトール、アボカド、マカダミアナッツ、アルコールなどの食品は、少量であってもわんちゃんやねこちゃんに中毒を引き起こす可能性があり、場合によっては命に関わることもあります。
“犬・猫に絶対与えてはいけない食べ物”についてまとめたブログがありますので、こちらをご覧ください。
わんちゃんやねこちゃんは、好奇心旺盛で、食べ物以外の日用品にも興味を示します。
以下のものにも注意しましょう。
ヒモやリボン、毛糸などの“ヒモ状のもの”の「誤食・誤飲」は、ねこちゃんに多く見られます。
ヒモ状のものを飲み込んでしまうと、腸閉塞や消化管穿孔のおそれがあります。
針や串、骨などの鋭利なものを「誤食・誤飲」してしまった場合は、消化管穿孔を起こし、腹膜炎のリスクがあります。
また、臓器を刺してしまうおそれもありますので、注意しましょう。
ビニール袋やラップ類は、「誤食・誤飲」してしまうと窒息や腸閉塞のおそれがあります。
ペットシーツ(トイレシート)、猫砂などを「誤食・誤飲」した場合は、腸閉塞や窒息のリスクがあります。
ペットシーツ(トイレシート)をかじってしまう子には、プラスチックケースなどを利用し対策しましょう。
ヒト用の薬や洗剤・漂白剤などを「誤食・誤飲」してしまうと、中毒症状を示す場合があります。
皮膚に付いたり、眼に入ったりするだけでも危険です。
タバコにはニコチンが含まれており、わんちゃんやねこちゃんにとって、非常に有害です。
「誤食・誤飲」してしまうと、嘔吐、下痢、呼吸困難などの中毒症状を引き起こすおそれがあります。
日用品の一部やおもちゃを「誤食・誤飲」してしまうことがあります。
布、靴下、おもちゃ、ボール、ボタン、電池などの小物類は、飲み込んでしまうと腸閉塞や窒息のリスクがあります。
食べ物ですが、わんちゃん用のガムも大きいまま飲み込んでしまうと、窒息のリスクがあります。
おもちゃやガムは、目の届く範囲で与えましょう。
特に、ユリやポインセチア、アジサイなどは有毒です。気を付けましょう。
“犬・猫に危険な植物”についてまとめたブログがありますので、こちらをご覧ください。
「誤食・誤飲」した場合、わんちゃんやねこちゃんに以下のような症状が見られることがあります。
症状の進行が早い場合も多いため、早急な対応が求められます。
特に、異物を飲み込んだ場合は、腸閉塞や消化器の損傷を引き起こす可能性が高いため、これらの症状が出たらすぐに動物病院に連絡してください。
言葉で説明が難しい場合は、動画や写真を撮っておくと良いでしょう。
○症状が現れるまでの時間
よだれ、嘔吐、下痢、ふるえ、元気消失、ふらつきなど、目に見える異常がないかを観察します。
特に、呼吸困難、意識不明の場合は、緊急な対応が必要となってきます。
「誤食・誤飲」に気が付いたら、すぐに動物病院へ電話連絡して受診しましょう。
その際に伝えるべき情報は以下の通りです。
ほとんどのケースの場合、来院の指示があると思います。
来院の際には「誤食・誤飲」してしまったもののパッケージ(包装紙)や現物(同じもの)があれば、一緒にお持ちいただけると診断や治療の参考になります。
また“はっきりと何かはわからない”あるいは“何かを飲み込んでしまったかもしれない”場合も、早めに動物病院へご相談ください。
動物病院へ連れて行く際は、以下のものを持参すると診察がスムーズです。
獣医師の指示に従い、適切な対応をしてください。
自宅で自己判断での処置を行うのは危険です。
特に、以下の行動は控えましょう。
「誤食・誤飲」の内容や症状に応じて、動物病院で以下のような処置が行われます。
体重、体温、心拍数、呼吸状態などをチェックします。
中毒症状がある場合や血液に影響を及ぼすものを「誤食・誤飲」した場合にチェックします。
経過チェックでも血液検査をします。
「誤食・誤飲」した異物が体内にあるかどうかを確認します。
異物の種類によりますが、大きさや位置がわかります。
「誤食・誤飲」をしてから、あまり時間が経過していない(胃の中にまだ異物が残っている)場合、胃の中に毒素である成分が残っている可能性がある場合は、薬を使用し、嘔吐を誘発して排出させることがあります。
「誤食・誤飲」後の時間が短いほど効果的です。
「誤食・誤飲」した物が、催吐処置で取り出せず、消化器官に残っている場合、内視鏡で取り除くことがあります。
内視鏡などで取り出せない場合には開腹手術が必要となります。
催吐処置をしても嘔吐してくれない場合や、有害なものを「誤食・誤飲」してしまった場合に胃洗浄を行うことがあります。
胃の中にある有害物質を洗い流します。
脱水症状や腎臓・肝臓に負担がかかる場合、解毒のために点滴や薬を使用することがあります。
有害物質を体内で吸着するために活性炭を使うことがあります。
診察終了後も再診での経過チェックや、手術を行った場合は入院管理が必要となります。
「誤食・誤飲」しやすい物を放置してしまうと、思わぬ事故につながることもあります。
ここでは「誤食・誤飲」を防ぐために、飼い主さんができる具体的な対策をご紹介します。
「誤食・誤飲」のリスクを減らすために、まずは生活環境を見直しましょう。
○危険なものはしっかり管理する
○誤飲しやすいものを片付ける
○定期的に環境をチェックする
○食事中は特に注意する
○子犬や子猫は特に目を離さない
○しっかり運動させてストレスを軽減する
○噛みたい欲求を満たす
○しつけを行う
○拾い食いを防ぐ
○外での誤食を防ぐ工夫をする
○家族みんなで気を付ける
○安全な代替品を活用する
○少しなら大丈夫?
「少し食べただけだから大丈夫」と思うのは危険です。
有毒な物質は少量でも深刻な中毒を引き起こすことがあります。
食べた物の量やわんちゃん・ねこちゃんの体格によっては中毒が出ずに済んでくれることもあります。
個体差もあるので、飲み込んだものが少量であっても、早めに動物病院へ連絡しましょう。
○「誤食・誤飲」が発覚しないこともある
「誤食・誤飲」をしても症状がすぐに現れない(数時間後や翌日に現れる)場合があります。
症状がでるまでに数日かかる場合や、症状がでてからでは治療が遅れてしまうこともあります。
症状がなくても「誤食・誤飲」の可能性がある場合は、早めに動物病院に相談してください。
わんちゃんやねこちゃんの「誤食・誤飲」は、身近な環境の中で起こりやすい事故のひとつです。
特に、チョコレートやネギ類、ブドウなどの食品や、おもちゃ・ビニール袋・ヒモ類といった異物の「誤食・誤飲」には十分注意が必要です。
万が一、愛犬・愛猫が危険なものを口にしてしまった場合は、迅速に状況を確認し、動物病院に相談することが大切です。
また「誤食・誤飲」を未然に防ぐためには、生活環境の見直しや日常的な監視、適切なしつけを行うことが効果的です。
飼い主さんがしっかりと対策をとり、ペットが安全に過ごせる環境を整えてあげましょう。
菊地(さ)愛玩動物看護士
ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。
IKEDA ANIMAL HOSPITAL
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