猫のノミアレルギー性皮膚炎について

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

最近、愛猫が背中や腰を頻繁にかいていませんか？
愛猫がしきりに身体を舐めたり、毛が抜けたりする症状にお悩みの方も多いのではないでしょうか？

もし、ねこちゃんが「背中」「腰」「尾の付け根」をしつこく舐めたり噛んだりしているなら、それはノミアレルギー性皮膚炎の可能性があります。
この病気は、たった1匹のノミに刺されただけでも、強いかゆみや炎症を引き起こす皮膚病です。

完全室内飼いのねこちゃんでも油断できません。
ヒトの衣服や玄関マットに付着したノミが家に持ち込まれるケースが多いため、ノミの対策が必要になります。

この記事では、ねこちゃんのノミアレルギー性皮膚炎の症状や原因、治療法、予防策について解説します。

猫のノミアレルギー性皮膚炎とは？

ノミアレルギー性皮膚炎（FAD：Flea Allergy Dermatitis）とは、ねこちゃんがノミの唾液に対して過剰なアレルギー反応を示す疾患です。
ねこちゃんがノミに刺されることで、強いかゆみや皮膚炎を引き起こし、重症化すると脱毛や感染症を伴うこともあります。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の発症のメカニズム

ノミがねこちゃんの皮膚を刺した際に唾液を注入します。
このノミの唾液に含まれる成分に対して、ねこちゃんの免疫系が異常に反応すると、皮膚に炎症を起こし、かゆみや湿疹、脱毛などの症状が現れます。

健康なねこちゃんの場合は、軽いかゆみ程度で済みますが、アレルギーを持つねこちゃんの場合は、強いかゆみ・発疹・脱毛・皮膚炎が発生してしまいます。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の症状

初期症状：こんなサインに注意

• 強いかゆみ
  頻繁に身体をかく・なめる

• 毛が抜ける
  脱毛が目立つ

• 小さな赤い発疹
  皮膚が赤くなったり、湿疹やかさぶたができる

• 元気がなくなる・食欲が減る
  ストレスの影響

重症化してしまうと…

• 皮膚がただれてジュクジュクする

• 皮膚の黒ずみ
  慢性的な炎症による色素沈着

• 細菌感染
  皮膚を過剰にかいて傷ができ、膿が発生する（二次感染）

特に「背中」「腰」「尾の付け根」に症状が集中するのが特徴です。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の原因

主な原因はノミの寄生ですが、ノミアレルギーがあるねこちゃんはたった1匹のノミに刺されただけでも強いアレルギー反応を示すことがあります。

「うちは完全室内飼いだから大丈夫！」と思っていませんか？
実は、ノミは以下のような経路で室内にも侵入します。

ノミの感染経路

• 他の動物からの感染
  お外で過ごすねこちゃんや多頭飼育の場合、他のねこちゃんやお散歩後のわんちゃんからノミをもらう可能性があります。

• 環境からの感染
  ノミの卵や幼虫は、玄関マットやカーペット、寝床などに潜んでおり、そこから成虫が発生しねこちゃんに寄生することがあります。

• 外からの持ち込みによる感染
  飼い主さんの衣服や靴に付着したノミが室内に侵入するケースもあります。

特に川崎市・中原区のような都市部では、屋外でノミが発生しやすいため、定期的なノミ対策が不可欠です。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の診断方法

獣医師が以下の方法で診断を行います。

視診・問診

症状の部位やかゆみの程度、ノミがいるかを確認します。

ノミチェック

ノミ取りコームを使って、被毛の間にノミやノミのフン（黒い粒）があるかチェックします。

皮膚検査

皮膚の状態・細胞を顕微鏡などで観察し、他の皮膚疾患との鑑別を行います。

アレルギーテスト

必要に応じてアレルギーテストを行う場合もあります。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の治療方法

ノミの駆除

ノミがいる限り、アレルギー反応は続きます。
ノミを完全に駆除することが最も重要です！

獣医師の指導のもと、以下のような駆除薬を使用します。

• スポットタイプ（滴下式）（フィプロスポットプラスキャット・レボリューション・レボリューションプラスなど）
  首の後ろ（肩甲骨間）に垂らすタイプで、1ヶ月に1回の使用が一般的です。

• 内服薬（錠剤やチュアブルタイプ）
  飲み薬で即効性があり、ノミの成長を阻害します。こちらも、1ヶ月に1回の使用が一般的です。
  滴下タイプが苦手なねこちゃんや、お外に行くねこちゃんは雨に濡れても効果が変わらないのでおすすめです。

• ノミ取りシャンプー（あくまで補助的に使用）
  すでにノミが多数寄生している場合に有効です。

かゆみ・炎症のコントロール

ノミを駆除しても、炎症が治まるまでに時間がかかるので、症状が重い場合は、以下のようなかゆみを抑える治療を行います。

• ステロイド剤
  炎症やかゆみを抑えます。

• 抗ヒスタミン薬
  アレルギー反応を軽減させます。

• 抗生物質の投与
  二次感染を防ぎます。

• オメガ3脂肪酸の補給
  皮膚の健康をサポートします。

環境のノミ駆除

ノミの再感染を防ぐために、お家の中のノミを駆除することも重要です。

• 掃除機をこまめにかけましょう（特にカーペットや布製の家具）
• ノミ駆除スプレーを使用しましょう
• 猫の寝床をこまめに洗いましょう

猫のノミアレルギー性皮膚炎の予防策

ノミアレルギー性皮膚炎を防ぐためには、定期的なノミ予防が欠かせません。

月1回のノミ予防薬を必ず使用

川崎市・中原区では年間を通してノミが発生しやすいため、1年中予防薬の投与が推奨されます。

※多頭飼育の場合は、全頭に予防をしましょう。

室内環境を清潔に保つ

カーペット・布団・猫用ベッドを定期的に洗濯し、掃除機をかけましょう。

玄関や窓際をこまめに掃除しましょう。

ノミ駆除スプレーを活用する

特にソファの下や家具の隙間など、ノミが潜みやすい場所に使うと効果的です。
必ずペットに安全なものを使用してくださいね。

猫のノミアレルギー性皮膚炎のまとめ

ノミアレルギー性皮膚炎は、適切な予防と対策を行うことで発症リスクを大幅に減らすことができます。

愛猫がかゆみで苦しまないよう、定期的なノミ対策を習慣化しましょう。

川崎市中原区では、ノミが1年中発生するため、年間を通した予防が必要です。

もし、愛猫にかゆみや脱毛の症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

当院では、お得な通年予防パックもございます。詳細はスタッフにお気軽にご相談ください。