うさぎの骨折について

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。​

うさぎさんは、その愛らしい姿と穏やかな性格で多くの飼い主さまに親しまれています。

もともと野生では、敵からすばやく逃げる必要があったので、ジャンプ力を保つために骨が軽く進化してきました。
しかし、骨が細くて軽いために、ちょっとした衝撃で骨が折れやすい特徴があります。
特にだっこ中の落下やケージ内の事故は、日常的に起こり得るため注意が必要です。

この記事では、うさぎさんの骨折に関する基礎知識から治療法、予防策までを詳しく解説し、飼い主さまが安心してうさぎさんと暮らせるヒントをお届けします。

目次

うさぎの骨の特徴と骨折しやすい理由

うさぎさんのは、敵から素早く逃げるために進化した「軽量で繊細な構造」です。
そのため、ちょっとした衝撃やねじれでも骨折が起こりやすくなっています。
とくに前足後ろ足背骨骨盤は骨折のリスクが高い部位です。

骨折しやすい部位

うさぎさんがよく骨折する部位は次のようなところです。

  • 前足
    落下時に着地で衝撃が集中
  • 後ろ足
    ジャンプの衝撃を受けやすい
  • 背骨
    抱っこしたときのねじれに注意
  • 骨盤
    高いところから落ちたとき

うさぎの骨折が起こる主な原因

  1. だっこ中の落下
    うさぎさんは「だっこが苦手」な子が多いです。
    驚いて暴れた際に飛び降りて、足を骨折する事故がよくあります。
    うさぎさんは高所から落下すると、特に後ろ足に大きな負担がかかり骨折しやすくなります。
    実際に骨折の原因で最も多いのが「だっこ中の落下」です。

  2. ケージ内での事故
    段差やロフト、トイレとの隙間で足を滑らせたり引っかけたりして骨折するケースがあります。
    特に元気な若いうさぎさんほど活発に動くため注意が必要です。

  3. 飼い主さんとの接触事故
    足元に寄って来たうさぎさんをうっかり踏んでしまった、ドアを閉めたときに挟んでしまった、といった不注意による事故も少なくありません。

うさぎの骨折によく見られる症状

  • 足を上げたまま着地せず、使わなくなる
  • 片足を引きずるような歩き方をする
  • さわると痛がる
  • 元気がなくなり、動きが減る
  • 食欲が急に落ちる

うさぎさんは「痛みを隠す習性」があるので、症状が出たときにはすでに重度の場合もあります。
ですので、こうした症状が見られた場合は、すぐに動物病院での診察が必要です。
レントゲン検査で骨折の有無や程度を調べ、治療方針を決定します。

骨折治療の選択肢とその違い

治療は、骨折の場所やうさぎさんの年齢・体力などによって変わります。

  1. 外科的治療(手術)
    金属製のピンやプレートを用いて骨を固定します。
    正確な整復が可能で、治癒も早いですが、全身麻酔や入院が必要です。

  2. 保存的治療(安静・ギプス)
    軽度な骨折であれば、ケージ内での安静(ケージレスト)を行い、必要に応じて包帯などで固定する方法もあります。
    ただし、うさぎさんの皮膚は緩く動きやすいため、固定が難しい場合もあります。

  3. 自然治癒を待つ
    軽度の骨折や手術が難しい場合や高齢のうさぎさん・持病があるうさぎさんなどには、骨が多少ずれて癒合しても生活に支障がないと判断されるケースで選択されます。

治療中に飼い主さんが気をつけること

骨折の治療中は、飼い主さんの協力がとても大切です。

  • ケージは最小限の広さにして、段差のないレイアウトにしましょう。
    動き過ぎないようにしましょう。
  • しっかり食事を摂らせ、カルシウムやタンパク質の摂取量も見直すとより良いです。
    栄養不足だと治りが遅くなります。
  • 投薬や通院のスケジュールを守りましょう。
    痛み止めや抗生剤を忘れず与えましょう。
  • ストレスを与えないように静かな環境を整えましょう。
    ストレスが少ないと回復が早くなります。

うさぎの骨折を防ぐためにできること

  • ケージやサークル内に段差や隙間を作らないように工夫しましょう。
  • 滑りやすい床材は避けて、滑り止めマットを敷きましょう。
  • だっこの際は必ず座った状態で行い、突然の動きに備えて両手でしっかり支えましょう。
  • 必ず後ろ足とおしりをしっかりと支えて、暴れたときに落下しないように注意しましょう。
  • 子どもがいる家庭では、うさぎさんに触れるときの注意点を必ず教えましょう。
  • 適度な運動は骨を丈夫にしますが、過度なジャンプや急な動きを避けるようにしましょう。

うさぎの骨折のまとめ

うさぎさんは痛みを隠す習性があるため、骨折していても一見するとわかりにくいことがあります。
うさぎさんの骨折は、適切な知識と注意で予防することが可能です。
​日頃からうさぎさんの行動や健康状態を観察し、「いつもと違う」と感じたら早めに動物病院に相談しましょう。

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護士

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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