地域密着のホームドクターとして35年
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川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。
「おなかに小さなしこりがある」
「乳首の周りが腫れている気がする」
「最近しこりが大きくなった気がする」
このような変化はありませんか?
ねこちゃんの乳腺腫瘍は、特に避妊手術をしていない女の子で多く見られる腫瘍です。
猫の乳腺腫瘍は悪性の割合が高いとされているため、早期発見と早めの治療がとても大切です。
今回は、猫の乳腺腫瘍の症状・原因・診断・治療法・予防について解説いたします。


乳腺腫瘍とは、ねこちゃんの乳腺にできるしこりや腫瘍のことをいいます。
特に、避妊手術を受けていない女の子や高齢(7歳以上)のねこちゃんで発症のリスクが高まります。
実際に、避妊手術をしていない女の子のねこちゃんでは、乳腺腫瘍が発生する確率が25~30%ともいわれています。
わんちゃんの乳腺腫瘍では約半数が良性とされていますが、ねこちゃんの場合は80~90%が悪性(乳がん)とされており、早期発見・早期治療が極めて重要です。
ねこちゃんの乳腺はおなかに左右並んでおり、どの部分にも腫瘍ができる可能性があります。
腫瘍が進行すると、肺やリンパ節などに転移することもあり、放置すると命にかかわる病気です。
良性か悪性かは、見た目や触っただけでは判断できません。
ただし、次のような変化がある場合は注意が必要です。
| 特徴 | 良性腫瘍 | 悪性腫瘍(がん) |
| 大きさ | ゆっくり成長 | 急激に大きくなる |
| 硬さ | しこりが柔らかく、動く | しこりが硬く、動かない |
| 皮膚の状態 | 皮膚の変化なし | 皮膚がただれたり潰瘍ができる |
| リンパ節 | 腫れなし | リンパ節が腫れる |
気になる変化がある場合は、早めに動物病院で確認しましょう。
乳腺腫瘍では、小さなしこりだけの段階で見つかることも少なくありません。
初期に見られるサインについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

乳腺腫瘍の発生には、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が深く関係しています。
そのため、発情を繰り返している未避妊のねこちゃんでリスクが高まります。
乳腺腫瘍の主な原因は、上記にもあるように、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)です。
避妊手術の時期によって乳腺腫瘍の発生リスクが大きく変わります。
避妊手術の時期が早いほど、乳腺腫瘍の発症リスクを下げられるとされています。
特に若い時期の避妊手術は、将来的な乳腺腫瘍の予防につながる可能性があります。
ただし、避妊手術の適切な時期は、年齢や体調、生活環境によって異なるため、獣医師と相談して決めることが大切です。
特定の猫種では乳腺腫瘍の発生率が高いことが報告されています。
シャムやペルシャなどで発症リスクが高いとされますが、どのねこちゃんでも発生する可能性があります。
肥満も乳腺腫瘍のリスク要因のひとつと考えられています。
特に若いうちから肥満傾向がある場合は、乳腺腫瘍の発症リスクに関係する可能性があります。
日頃から適切なお食事管理や適度な運動を心がけましょう。
乳腺腫瘍では、初期には目立った症状が少ないこともあります。
そのため、日頃のスキンシップやおなかのチェックで気づかれることがあります。
乳腺のあたりに、小さなしこりを触れることがあります。
しこりがだんだん大きくなる、硬くて動きにくい、複数ある場合は注意が必要です。
ただし、良性か悪性かは見た目や触っただけでは判断できません。
乳頭から血やにごった分泌物が出ることがあります。
腫瘍が炎症を起こしていたり、内部で変化が起きていたりする可能性があります。
皮膚が赤くなったり、ただれたり、潰瘍ができたりすることがあります。
腫瘍が大きくなると、皮膚が破れて出血する場合もあります。
進行すると、元気がなくなる、食欲が落ちる、呼吸が苦しそうになるなどの全身症状が見られることがあります。
肺へ転移している場合には、咳や呼吸の変化が見られることもあります。
ねこちゃんの乳腺腫瘍は、早期発見が何よりも重要です。
乳腺腫瘍を診断するために、以下の検査を組み合わせて行います。
乳腺部のしこりの大きさ・硬さ・動きやすさを確認します。
小さな腫瘍は発見が難しいため、触診のみでは判断が難しいこともあります。
細い針でしこりから細胞を採取し、顕微鏡で確認します。
腫瘍の性質を推測する参考になりますが、最終的な診断には病理検査が必要になることがあります。
確定診断のために、腫瘍の一部を切除し、より詳しい病理検査を行います。
良性か悪性かを判断し、治療方針を決定します。
肺やリンパ節への転移がないかを確認します。
進行が速い場合、転移を伴うケースが多いため重要な検査です。
転移のチェックが重要!
ねこちゃんの乳腺腫瘍はリンパ節や肺に転移しやすいため、診断時には全身の検査を行うことが推奨されます。
治療方法は、腫瘍の大きさや転移の有無によって異なります。
乳腺腫瘍の主な治療法
| 治療法 | 内容 | 適応例 |
| 外科的切除(手術) | 腫瘍とその周囲の乳腺を切除する | 早期発見時、転移がない場合 |
| 化学療法(抗がん剤) | 抗がん剤を用いて腫瘍の成長を抑える | 転移がある場合、再発予防 |
| 放射線療法 | 局所的に放射線を当てる | 手術ができない場合 |
最も一般的な治療法で、腫瘍を含む乳腺組織を手術で取り除きます。
小さい段階で発見できた場合、外科手術によって良好な経過が期待できることがあります。
手術で取り切れなかった場合、悪性度の高い腫瘍や転移がある場合、再発防止のために、手術と併用して抗がん剤治療を行うことがあります。
副作用(食欲低下・嘔吐など)が出ることもあるため、ねこちゃんの体調を見ながら進めます。
手術後の再発予防や、腫瘍が大きく手術ができない場合に適応されます。
早期に治療を開始することで、予後や生活の質の維持につながる場合があります。
「余命はどのくらい?」と不安になる飼い主さまも多いと思います。
乳腺腫瘍の大きさや転移と予後の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。

早い時期に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発症リスクを下げられるとされています。
ただし、手術の時期は年齢や体調によって異なるため、獣医師と相談して決めましょう。
月に1回、ねこちゃんのおなかをやさしく触り、しこりがないか確認しましょう。
少なくとも年に1~2回は動物病院で健康チェックを受けましょう。
当院では、年に2回【春と秋】に健康診断キャンペーンを行っています。

バランスの取れたお食事管理で肥満を防ぎましょう。
A. 早期発見・早期治療ができた場合には、完治する可能性もあります。
小さい段階で発見できた場合には、手術によって良好な経過が期待できることがあります。
悪性度や転移の有無によって治療方針が変わるため、できるだけ早く診察を受けましょう。
A. 初回発情前(生後6か月未満)に行うのが最も効果的ですが、2回目の発情前でもリスクを大きく下げられます。
それ以降でも無意味ではありません。
高齢猫でも、獣医師の判断のもとで手術が可能な場合がありますので、あきらめずにご相談ください。
A. 非常にまれですが、去勢していないオス猫にも発生することがあります。
全体の1%未満とされており、去勢手術によって発生リスクを下げることができます。
ねこちゃんの乳腺腫瘍は悪性の割合が高く、進行が早いことがあるため注意が必要です。
しかし、小さい段階で発見し、適切な治療につなげることで、良好な経過が期待できる場合もあります。
小さなしこりでも、気づいた時点で早めに動物病院へご相談ください。
腫瘍科診察は、石井院長が担当しております。
しこりや腫瘍に関するご相談、がん治療、セカンドオピニオンなどにも対応しております。
初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。

この記事の執筆・監修
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:石井院長 獣医師
菊地(さ)愛玩動物看護師
ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。
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