【フレンチブルドッグに多い病気】呼吸器・皮膚・目・脊椎のトラブルに要注意|症状と予防を獣医師が監修|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

愛嬌のある表情と、明るく人懐っこい性格で人気のフレンチブルドッグさん。
家族の一員として、ともに暮らす幸せを感じさせてくれる魅力的な犬種です。

一方で、独特の身体のつくりや遺伝的な背景から、フレンチブルドッグさんに多くみられる病気があります。
当院に来院される子たちを見ていても、特に呼吸器・皮膚・目・脊椎の病気に関してご相談いただく機会が多い印象です。

この記事では、フレンチブルドッグさんに多い病気と、日常で気づきたい初期症状、ご家庭でできるケアについてまとめました。
健康で長く一緒に過ごすために、ぜひ参考になさってください。

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目次

フレンチブルドッグに多い病気

フレンチブルドッグ2頭が並んで座っているイラスト

短頭種気道症候群(BOAS)

フレンチブルドッグさんの大きな特徴は、鼻が短い短頭種であるという点です。
短頭種では、鼻腔や気道が狭く、呼吸がしにくい構造を持っています。
そのため、以下のような症状が見られることがあります。

よくある症状

  • ガーガー・ゼーゼーといった呼吸音
  • いびきが大きい
  • 興奮・運動・暑さで呼吸が苦しくなる
  • 寝ている途中で起きて呼吸を整える
  • 失神してしまうことがある

症状が進行すると、十分な酸素が取り込めず、熱中症のリスクも高くなります。
「普段から息づかいが荒いからフレブルはこんなもの」と思ってしまうのが危険です。
「いつもより苦しそう」「お散歩の途中で止まる」など、変化にお気づきになった時は早めの受診をおすすめします。

当院での治療

  • レントゲン・内視鏡での気道評価
  • 体重管理と生活環境の調整
  • 必要に応じて外科手術(軟口蓋切除・鼻孔拡大など)

皮膚炎・アレルギー

フレンチブルドッグさんは皮膚トラブルがとても多い犬種です。
皮膚が弱く、アレルギーや細菌・真菌感染が起こりやすい特徴があります。

よくある皮膚トラブル

  • アトピー性皮膚炎
  • 膿皮症(細菌感染)
  • マラセチア皮膚炎(赤み・べたつき・におい)
  • 食物アレルギー

症状のサイン

  • かゆがる・お顔をこする
  • 脇や内股部分の赤み
  • お耳が汚れやすい、お耳を振る
  • 皮膚がベタつき、においが強くなる

皮膚病は慢性化しやすく、季節や湿度によって悪化と改善をくり返すのが特徴です。
そのため、早い段階で生活ケアと治療方針を整えることが重要になります。

目の病気(角膜炎・角膜潰瘍・結膜炎)

鼻先が短いことで、目が前方に出やすい構造になっています。
そのため、眼が傷つきやすく、角膜潰瘍になりやすいというリスクがあります。

注意したいサイン

  • 片目をしぱしぱさせる
  • こする仕草が増えた
  • 目が赤い・痛そう
  • 涙が多い

角膜の傷は放置すると短期間で悪化し、治療が難しくなる場合があります。
「いつもと違うな」と思ったら早めにご相談ください。

椎間板ヘルニアと、関連する脊椎の病気

フレンチブルドッグさんは、椎間板ヘルニアの発症が比較的多い犬種です。
さらに、脊椎奇形(半椎・くさび椎)や変形性脊椎症といった脊椎の異常を併せ持っていることが多く、それが神経症状を引き起こす要因となります。

脊椎奇形(半椎・くさび椎)とは?

背骨の骨の形が生まれつき左右非対称になっている状態で、胸椎に多く見られます。
背骨が曲がり、椎間板ヘルニアを起こしやすくなることがあります。

変形性脊椎症とは?

背骨の関節部分が変形し、骨の出っ張りが神経にふれて痛みや麻痺を起こす病気です。

よくある症状

  • お散歩で歩きたがらない、途中で座り込む
  • 腰をさわると嫌がる
  • 後ろ足がふらつく
  • 立ち上がりにくい
  • 排尿・排便がうまくできない

早期の治療介入で、進行を抑えたり、麻痺を防げるケースも多くあります。
症状に気づいたら早めの受診をおすすめします。

熱中症

呼吸機能が弱い短頭種は、他の犬種よりも熱中症リスクが格段に高いと言われています。

特に、

  • 気温が25℃を超える
  • 湿度が高い
  • 興奮しやすい
  • 太り気味

という条件がそろうと急激に悪化することがあります。

危険なサイン

  • 舌を大きく出してハァハァする
  • よだれが大量に出る
  • フラつく・倒れる

夏はもちろん、秋の残暑や冬の暖房でも注意が必要です。

ご家庭でできる予防ケア

  • 体重管理(肥満は呼吸器・皮膚・脊椎すべてに負担)
  • 室内の温度・湿度管理
  • お散歩は気温の低い時間帯に
  • 皮膚とお耳のこまめなチェック
  • 目は汚れを優しくふき取る
  • 無理のない運動と環境作り(滑らない床)

当院での検査・治療

池田動物病院では、フレンチブルドッグさんの多い疾患に合わせた診療を行っています。

主な検査

  • 呼吸器検査(レントゲン・内視鏡)
  • 皮膚検査(細菌・真菌・アレルギー検査)
  • 眼科検査(角膜染色)
  • 神経・脳脊髄検査
  • 必要に応じ整形外科手術

気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

まとめ

フレンチブルドッグさんは、身体の構造や遺伝的背景から呼吸器・皮膚・目・脊椎の病気が起こりやすい犬種です。
日常の小さな変化に早く気づくことで、重症化を防ぎ、元気な時間を長く保つことができます。

「いつもより咳が多い気がする」
「歩き方が気になる」
「皮膚が赤くなっている」

そんな時は、無理せず早めにご相談ください。
飼い主さまとわんちゃんが、安心して毎日を過ごせるようサポートいたします。

池田動物病院の電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:名取 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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