【ファンシーラットの腫瘍・しこり】乳腺腫瘍が多い?原因・症状・治療について解説|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

「ファンシーラットの身体にしこりを見つけた」
「少しずつ大きくなっている気がする」
「乳腺腫瘍かもしれないけれど、手術した方がいいの?」

このようなことで心配されていませんか?

ファンシーラットさんでは、身体に腫瘍やしこりがみられることがあります。

特に乳腺由来の腫瘍は比較的よくみられますが、身体にできたしこりがすべて乳腺腫瘍とは限りません。

皮膚や皮下にできるほかの腫瘤や膿瘍など、さまざまな可能性があります。

また、良性の腫瘍であっても大きくなることで歩きにくくなったり、皮膚が傷ついたりすることがあります。

「元気だから大丈夫」「小さいから様子を見よう」と判断せず、しこりを見つけたら、大きさや場所、成長の速さなどを確認することが大切です。

この記事では、ファンシーラットの腫瘍・しこりについて、考えられる原因、乳腺腫瘍、検査、治療、手術を検討する際のポイントなどを分かりやすく解説いたします。

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目次

ファンシーラットにしこりができる原因は?

ファンシーラットのやさしい水彩イラスト|ファンシーラットの腫瘍・しこりをイメージ

ファンシーラットさんの身体にしこりを見つけた場合、さまざまな原因が考えられます。

代表的なものには、

  • 乳腺由来の腫瘍
  • 皮膚・皮下などにできる腫瘍
  • 膿瘍
  • 炎症による腫れ
  • その他の腫瘤

などがあります。

見た目やさわった感触だけで、「良性だから大丈夫」「悪性の腫瘍だろう」と正確に判断することは困難です。

また、同じようなしこりに見えても、原因によって治療方法が異なります。

そのため、しこりを見つけた場合には、まず何ができている可能性があるのかを確認することが重要です。

ファンシーラットでは乳腺腫瘍がよくみられます

ファンシーラットさんでみられる腫瘍の中でも、特に注意したいもののひとつが乳腺腫瘍です。

ラットでは乳腺組織が身体の広い範囲に分布しています。

そのため、ヒトがイメージする「胸」や「おなか」だけではなく、首の周辺からおなか、足の付け根付近まで、身体の広い範囲に乳腺由来の腫瘤ができることがあります。

乳腺腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。

ラットでは線維腺腫などの良性の乳腺腫瘍が比較的多くみられますが、「良性なら放っておいても大丈夫」というわけではありません。

良性の乳腺腫瘍でも注意が必要なの?

「良性の腫瘍なら手術しなくても大丈夫ですか?」と心配される飼い主さまもいらっしゃると思います。

良性腫瘍は一般的に悪性腫瘍のように周囲へ浸潤したり、ほかの臓器へ転移したりする性質は強くありません。

しかし、ファンシーラットさんの乳腺腫瘍では、良性であっても大きく成長することがあります。

腫瘍が大きくなると、

  • 歩きにくくなる
  • 毛づくろいがしにくくなる
  • 食事や排泄などの日常生活に影響する
  • 腫瘍を床に擦る
  • 表面の皮膚が傷つく
  • 出血する
  • 腫瘍そのものが身体への負担になる

などの問題が起こる可能性があります。

そのため、「良性か悪性か」だけではなく、大きさ、場所、成長速度、生活への影響なども含めて治療を検討することが大切です。

乳腺腫瘍はメスだけにできるの?

乳腺腫瘍というと、女の子だけの病気というイメージがあるかもしれません。

女の子のファンシーラットさんで多くみられますが、男の子のファンシーラットさんでも乳腺由来の腫瘍が発生することがあります。

そのため、性別にかかわらず身体にしこりを見つけた場合には注意しましょう。

「男の子だから乳腺腫瘍ではない」とご家庭で判断することはできません。

乳腺腫瘍以外のしこりもあります

ファンシーラットさんのしこりがすべて乳腺腫瘍とは限りません。

皮膚や皮下などに別の腫瘍ができることもあります。

また、細菌感染などによって膿がたまる膿瘍が、しこりのようにさわれることもあります。

膿瘍では、

  • 腫れている
  • 赤くなっている
  • 熱をもっている
  • 痛がる
  • 膿が出る

などの変化がみられることがあります。

ただし、見た目だけで腫瘍と膿瘍を区別できない場合もあります。

しこりを強く押したり、ご家庭で針を刺したり、つぶしたりすることは避けましょう。

しこりを見つけたら何を確認すればいい?

ファンシーラットさんの身体にしこりを見つけたら、まず次のような点を確認しましょう。

  • どこにあるのか
  • いつ気付いたのか
  • どのくらいの大きさか
  • 大きくなっているか
  • 赤みや出血がないか
  • 本人が気にしているか
  • 歩き方に影響していないか
  • 元気や食欲に変化がないか

写真を定期的に撮っておくと、大きさや見た目の変化を比較しやすくなります。

ただし、写真だけでは実際の大きさが分かりにくいため、定規などと一緒に撮影して記録しておく方法もあります。

小さいしこりなら様子を見ても大丈夫?

小さなしこりを見つけたとき、「もう少し大きくなってから病院へ行こう」と考えることもあるかもしれません。

しかし、小さいうちに一度動物病院へ相談することをおすすめします。

しこりが大きくなってからでは、手術を行う場合に切除する範囲が広くなったり、身体への負担が大きくなったりすることがあります。

もちろん、しこりを見つけたら必ずすぐに手術をするという意味ではありません。

年齢や全身状態、しこりの種類・大きさ・場所などを確認したうえで、治療するのか、経過を観察するのかを検討します。

「小さいうちに診てもらうこと」と「すぐに手術すること」は別です。

まず状態を把握しておくことが大切です。

ファンシーラットの腫瘍・しこりの検査

動物病院では、まずしこりの場所や大きさ、硬さ、周囲との関係、皮膚の状態などを確認します。

また、

  • 年齢
  • 性別
  • いつからあるのか
  • 大きくなるスピード
  • 元気や食欲
  • 呼吸状態
  • これまでの病歴

なども確認します。

状態に応じて、さらに検査を行うことがあります。

細胞を調べる検査

しこりの状態によっては、細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で確認する検査を行うことがあります。

ただし、採取できた細胞や腫瘤の種類によっては、この検査だけでは確定診断が難しい場合もあります。

レントゲン検査

手術を検討する場合や、ほかの病気の有無を確認する必要がある場合には、レントゲン検査を行うことがあります。

胸部や腹部などを確認し、全身状態を評価します。

血液検査

手術や麻酔を検討する場合には、全身状態を確認するために血液検査を行うことがあります。

ファンシーラットさんは身体が小さいため、実施する検査については体格や状態を考慮して判断します。

病理組織検査

腫瘤を手術で切除した場合には、必要に応じて病理組織検査を行います。

病理組織検査によって、どのような種類の腫瘍なのか、良性・悪性などについて詳しく調べます。

ファンシーラットの腫瘍・しこりの治療

治療方法は、しこりの種類、大きさ、場所、成長速度、年齢、全身状態などによって異なります。

手術による切除

乳腺腫瘍などでは、状態に応じて手術による切除を検討します。

腫瘍が比較的小さい段階では、大きくなってからと比べて手術の負担を抑えられる可能性があります。

一方、すべての腫瘍で手術が適しているわけではありません。

腫瘍の位置や大きさ、全身状態などを確認し、手術によって得られるメリットと麻酔・手術の負担を考えながら判断します。

膿瘍などの場合

しこりの原因が膿瘍などの場合には、腫瘍とは治療方法が異なります。

状態に応じて処置や薬による治療などを行います。

原因によって治療が異なるため、まずしこりの状態を確認することが重要です。

高齢のファンシーラットでも手術できる?

ファンシーラットさんは寿命が比較的短いため、しこりが見つかったときに高齢になっていることもあります。

「もう高齢だから手術はできないのでは?」と心配される飼い主さまもいらっしゃいます。

しかし、年齢だけで手術ができる・できないを判断するわけではありません。

手術を検討する際には、

  • 元気や食欲
  • 体重
  • 呼吸状態
  • 心臓などの全身状態
  • 腫瘍の大きさや場所
  • 成長するスピード
  • 現在の生活への影響

などを確認します。

一方で、高齢になるほどさまざまな病気を抱えている可能性もあるため、麻酔や手術のリスクについて十分に検討する必要があります。

その子にとって手術をするメリットがどの程度あるのかを考えながら治療方針を決めていきます。

腫瘍が大きくなってから手術すればいい?

腫瘍が小さいうちは生活にほとんど影響がないため、「大きくなって困ってから手術すればいい」と考えることもあるかもしれません。

しかし、腫瘍が大きくなると、

  • 手術範囲が広くなり、傷口も大きくなる
  • 出血などのリスクが高くなる
  • 手術時間が長くなる可能性がある
  • 皮膚を閉じることが難しくなる
  • 高齢になり全身状態が変化する

など、手術の条件が変わることがあります。

そのため、手術を選択する可能性がある場合には、腫瘍が小さい段階から相談しておくことが大切です。

手術をしても再発することはある?

腫瘍の種類によっては、切除後に別の場所に新たなしこりができたり、同じ場所に再発がみられたりすることがあります。

特に乳腺組織は身体の広い範囲に存在するため、一か所の腫瘍を切除したあとも、新たな乳腺腫瘍が発生する可能性があります。

そのため、手術後も定期的に身体を触り、新しいしこりができていないか確認しましょう。

ご家庭でできる「しこりチェック」

ファンシーラットさんでは、日頃から身体をさわる習慣をつけておくと、小さなしこりに気付きやすくなります。

だっこやふれ合いの際に、

  • 首周り
  • わきの下
  • おなか
  • 脇腹
  • 足の付け根

などをやさしくさわって確認しましょう。

ただし、強く押したり揉んだりする必要はありません。

普段からさわっていると、「前にはなかったものがある」という変化にも気付きやすくなります。

また、体重を定期的に測っておくことも健康管理に役立ちます。

こんな場合は動物病院へ相談しましょう

次のような変化がみられる場合には、動物病院へご相談ください。

  • 身体に新しいしこりを見つけた
  • しこりが少しずつ大きくなっている
  • 急に大きくなった
  • しこりが赤くなっている
  • 出血や膿がみられる
  • しこりを気にしている
  • 歩きにくそうにしている
  • 食事や排泄の邪魔になっている
  • 元気や食欲が低下している
  • 体重が減っている

しこりが小さく、本人が元気にしていても、一度大きさや状態を確認しておくと、その後の治療方針を考えやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. ファンシーラットのしこりは乳腺腫瘍ですか?

A. ファンシーラットでは乳腺腫瘍が比較的よくみられますが、すべてのしこりが乳腺腫瘍とは限りません。
ほかの腫瘍や膿瘍などの可能性もあるため、しこりを見つけた場合には動物病院へご相談ください。

Q. 乳腺腫瘍は良性が多いですか?

A. ファンシーラットでは、線維腺腫など良性の乳腺腫瘍が比較的多くみられます。
ただし、良性であっても大きくなることで歩行や日常生活に支障をきたしたり、皮膚が傷ついたりすることがあります。
「良性だから治療は必要ない」と一律に判断するのではなく、状態に応じて治療方針を検討します。

Q. しこりが小さければ様子を見ても大丈夫ですか?

A. 小さいから問題がないとは限りません。
また、手術を検討する場合には、大きくなってからより小さい段階の方が対応しやすいことがあります。
まず一度診察を受け、大きさや場所などを確認しておくことをおすすめします。

Q. 高齢のファンシーラットでも腫瘍の手術はできますか?

A. 年齢だけで手術の可否を判断するわけではありません。
全身状態や腫瘍の大きさ・場所、現在の生活への影響などを確認し、麻酔や手術のリスクとメリットを考えて判断します。

Q. 乳腺腫瘍は手術すれば治りますか?

A. 腫瘍の種類や状態によって異なります。
完全に切除できる場合もありますが、切除後に別の場所に新しい乳腺腫瘍ができることもあります。
切除した腫瘍については、必要に応じて病理組織検査を行います。

Q. しこりを自宅でつぶしてもいいですか?

A. しこりを押しつぶしたり、針を刺したりすることは避けてください。
腫瘍なのか膿瘍なのかなどをご家庭で判断することは難しく、出血や感染、痛みにつながる可能性があります。

まとめ

ファンシーラットさんでは、身体に腫瘍やしこりがみられることがあります。

特に乳腺腫瘍は比較的よくみられますが、しこりがすべて乳腺腫瘍とは限りません。

ほかの腫瘍や膿瘍、炎症などがしこりとして触れることもあります。

また、乳腺腫瘍には良性のものも多くみられますが、良性であっても大きくなることで歩きにくくなったり、皮膚が傷ついたり、日常生活に影響したりすることがあります。

そのため、「良性か悪性か」だけではなく、しこりの大きさ、場所、成長速度、全身状態、生活への影響などを含めて治療を考えることが大切です。

手術を検討する場合には、腫瘍が大きくなってからよりも、小さい段階の方が対応しやすいこともあります。

「まだ小さいから」と長期間様子を見ず、しこりを見つけた段階で一度ご相談ください。

池田動物病院では、ファンシーラットの腫瘍やしこりについて、身体検査や必要に応じた各種検査を行い、年齢や全身状態、腫瘤の状態などを考慮して治療方針をご提案しています。

「身体をさわっていたらしこりを見つけた」
「以前よりしこりが大きくなってきた」
「高齢なので手術をするべきか迷っている」

など、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

ファンシーラットさんを含むエキゾチックアニマルの一般診療やお手入れは、松本獣医師が対応できる場合もございます。
病状が複雑なケースや専門的な診療が必要な場合は、主に石井院長が担当しております。
初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。

ファンシーラットの腫瘍・しこりのご相談なら池田動物病院へ|池田動物病院電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:松本 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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