【猫の口内炎】よだれ・口臭・ごはんを食べないのは痛みのサイン?原因・治療・抜歯について解説|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

「最近、ねこちゃんのよだれが増えた」
「ごはんを食べたそうなのに、口にするとやめてしまう」
「口臭が強くなった気がする」

このような症状はありませんか?

ねこちゃんの口内炎は、口の中に強い炎症や痛みを起こす病気です。

症状が進むと、ごはんを食べたいのに痛くて食べられなくなったり、よだれや口臭が強くなったりすることがあります。

猫の口内炎のなかでも、広い範囲に強い炎症が続くものは猫慢性歯肉口内炎(Feline Chronic Gingivostomatitis:FCGS)と呼ばれます。

この記事では、猫の口内炎について、症状や原因、検査、治療方法、抜歯が必要になる理由などをわかりやすく解説いたします。

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目次

猫の口内炎とは?

口の痛みで食事をとりにくそうな猫を描いたイラスト|猫の口内炎をイメージ

猫の口内炎とは、口の中の粘膜に炎症が起こっている状態です。

歯ぐきだけに炎症がみられる「歯肉炎」とは異なり、口内炎では頬の内側や口の奥、舌など、歯ぐき以外の粘膜にも炎症が広がることがあります。

特に猫慢性歯肉口内炎(FCGS)では、口の奥を含む広い範囲に赤みや腫れ、潰瘍などの強い炎症がみられ、強い痛みを伴います。

一見すると歯がきれいに見えるねこちゃんでも、口の奥に強い炎症が起こっていることがあります。

猫の口内炎でみられる症状

口内炎では、次のような症状がみられることがあります。

  • よだれが増える
  • よだれに血が混じる
  • 口臭が強くなる
  • ごはんを食べにくそうにする
  • 食べようとして途中でやめる
  • ドライフードを嫌がる
  • 食べ物を口から落とす
  • 口の周りを気にする
  • 毛づくろいをしなくなる
  • 体重が減る
  • 元気がなくなる

猫の口内炎では、「食欲がない」のではなく、「食べたいけれど口が痛くて食べられない」ことがあります。

ごはんのところまで行くのに食べない、食べ始めると突然やめる、口を気にして顔を振るといった行動がみられる場合には、口の中に痛みがないか確認することが大切です。

猫の口内炎の原因

猫慢性歯肉口内炎がなぜ起こるのかは、現在のところ完全には解明されていません。

単純に「口の中に細菌がいるから起こる」という病気ではなく、歯垢などの口腔内抗原に対する免疫反応の異常など、複数の要因が関係していると考えられています。

また、

  • 猫カリシウイルス(FCV)
  • 猫免疫不全ウイルス(FIV)
  • 猫白血病ウイルス(FeLV)
  • 歯周病
  • 歯の吸収病巣

などとの関連がみられることもあります。

特に猫カリシウイルスと猫慢性歯肉口内炎には関連が報告されていますが、「カリシウイルスに感染したから必ず口内炎になる」という単純な関係ではありません。

歯肉炎・歯周病とは違うの?

歯肉炎は、主に歯と歯ぐきの境目に炎症が起こっている状態です。

一方、猫慢性歯肉口内炎では、歯ぐきだけでなく、口の奥や舌などの粘膜にも強い炎症がみられます。

また、猫では歯周病や歯の吸収病巣と口内炎が同時にみられることもあります。

見た目だけでは口の中の状態をすべて確認できないこともあるため、必要に応じて麻酔下で詳しく検査します。

猫の口内炎の診断方法

まずは口の中を確認し、炎症が起きている場所や程度、歯の状態などを調べます。

ただし、口の痛みが強いねこちゃんでは、起きた状態で口の奥まで詳しく確認することが難しい場合があります。

必要に応じて、

  • 血液検査
  • FIV・FeLVなどの感染症検査
  • 麻酔下での口腔内検査
  • 歯科レントゲン検査
  • 組織検査(生検)

などを行います。

歯科レントゲンでは、見た目だけでは分からない歯根の状態や歯の吸収病巣などを確認します。

口の中のできものや治りにくい潰瘍などがある場合には、腫瘍などほかの病気との区別のために組織検査を行うこともあります。

猫の口内炎の治療方法

口内炎の程度や全身状態によって治療方法は異なります。

痛みを和らげる治療や炎症を抑える治療などを行うことがありますが、猫慢性歯肉口内炎ではお薬だけで長期間コントロールすることが難しい場合があります。

特に歯や歯垢などが炎症を引き起こす刺激の一部となっている場合には、抜歯が重要な治療選択肢になります。

痛みを抑える治療

口内炎は強い痛みを伴うことがあります。

そのため、症状に応じて鎮痛薬などを使用し、痛みを和らげます。

食事を十分にとれず脱水や体重減少がみられる場合には、点滴や栄養管理などが必要になることもあります。

抜歯

猫慢性歯肉口内炎では、状態によって奥歯(前臼歯・後臼歯)を抜歯する方法や、すべての歯を抜く全顎抜歯を行うことがあります。

「口内炎なのに、どうして歯を抜くの?」と思われる飼い主さまも多いかもしれません。

抜歯の目的は、歯そのものが悪いから抜くだけではなく、歯垢など口腔内の抗原による刺激を減らし、炎症を改善させることです。

どの範囲を抜歯するかは、炎症の場所や歯の状態などを確認して判断します。

歯を全部抜いてもごはんは食べられる?

「全部の歯を抜いたら、ごはんを食べられなくなるのでは?」と心配される飼い主さまもいらっしゃいます。

しかし、抜歯後に口の痛みが改善すれば、歯がなくてもごはんを食べられるねこちゃんは多くいます。

猫はヒトのように食べ物を細かくすりつぶして食べる動物ではないため、抜歯後も状態に合わせたお食事をとることができます。

むしろ、強い口内炎がある状態では、歯を残すことよりも痛みを軽減してお食事をとれるようにすることが重要になる場合があります。

抜歯をすれば必ず治る?

抜歯によって症状が大きく改善するねこちゃんは多くいますが、すべてのねこちゃんが抜歯だけで完全に治るわけではありません。

抜歯後も炎症が残り、継続的な内科治療が必要になる場合があります。

そのため、抜歯後も定期的に口の中や食欲、体重などを確認していくことが大切です。

自宅で歯磨きをした方がいい?

健康なねこちゃんでは、歯垢を減らすための歯磨きは口腔ケアとして大切です。

一方、すでに強い口内炎があるねこちゃんに無理に歯磨きをすると、強い痛みを与えてしまう可能性があります。

口をさわられることを嫌がる場合は無理をせず、まずは動物病院へご相談ください。

こんな症状は受診しましょう

次のような症状がみられる場合は、一度動物病院へご相談ください。

  • よだれが増えた
  • よだれに血が混じる
  • 口臭が強い
  • ごはんを食べにくそうにしている
  • 食べ物を口から落とす
  • 口を気にしている
  • 毛づくろいをしなくなった
  • 体重が減ってきた

特に、食べたい様子はあるのに口にすると痛がって食べられない場合や、ほとんど食事をとれていない場合には、早めに受診してください。

ねこちゃんではお食事をとれない状態が続くこと自体が大きな問題になるため、「口が痛いだけだから」と長期間様子を見ないことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 猫の口内炎は自然に治りますか?

A. 原因や程度によって異なりますが、猫慢性歯肉口内炎では自然に完全に改善することは期待しにくく、治療が必要になることがあります。
口の痛みやよだれ、食欲低下などがみられる場合は動物病院へご相談ください。

Q. 猫の口内炎はほかの猫にうつりますか?

A. 猫慢性歯肉口内炎そのものが、ほかのねこちゃんへ直接うつる病気というわけではありません。
ただし、口内炎との関連が指摘されている猫カリシウイルスなどの感染症は猫同士で感染することがあります。

Q. 抗菌薬を飲めば治りますか?

A. 猫慢性歯肉口内炎は、単純な細菌感染だけで起こる病気ではありません。
抗菌薬を使用することもありますが、抗菌薬だけで根本的に改善するとは限りません。
口の中の状態に合わせて治療方法を検討します。

Q. 抜歯は必ず必要ですか?

A. すべての口内炎で抜歯が必要になるわけではありません。
ただし、猫慢性歯肉口内炎では抜歯が重要な治療選択肢になります。
炎症の範囲や歯の状態、全身状態などを確認したうえで治療方法を検討します。

Q. 全部の歯を抜いても大丈夫ですか?

A. 全顎抜歯後も、ごはんを食べて生活できるねこちゃんは多くいます。
強い口内炎がある場合には、歯を残すことよりも、慢性的な痛みを軽減して生活の質(QOL)を改善することが重要になる場合があります。

Q. 口内炎を予防する方法はありますか?

A. 猫慢性歯肉口内炎を確実に予防する方法は、現在のところ確立されていません。
健康なうちから口の中を定期的に確認し、歯垢・歯石や歯肉炎などの異常を早めに発見することが大切です。

まとめ

猫の口内炎は、口の中に強い炎症や痛みを起こす病気です。

特に猫慢性歯肉口内炎(FCGS)では、歯ぐきだけでなく口の奥などにも強い炎症がみられ、よだれや口臭、食べにくそうにする、体重が減るなどの症状が現れることがあります。

原因は完全には解明されておらず、口腔内の抗原に対する免疫反応など、複数の要因が関係していると考えられています。

治療では痛みや炎症を抑える治療を行うほか、症状や炎症の範囲によっては抜歯が重要な治療選択肢になります。

「ごはんを食べたいのに食べられない」
「最近よだれや口臭が増えた」
「口を触られるのを嫌がるようになった」

といった様子がみられる場合は、早めにご相談ください。

池田動物病院では、ねこちゃんの口の中や歯の状態を確認し、それぞれの状態に合わせた検査・治療をご提案いたします。

猫の口内炎のご相談なら池田動物病院へ|池田動物病院電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:松本 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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