【ファンシーラットの呼吸器疾患】くしゃみ・呼吸音に注意|寒暖差が大きい季節の体調管理を解説|池田動物病院・武蔵小杉・川崎市

川崎市中原区の飼い主のみなさま、こんにちは。
武蔵小杉駅からすぐの池田動物病院です。

「最近、くしゃみをすることが増えた」
「呼吸するときに音が聞こえる気がする」
「寒くなってから元気がないけれど大丈夫?」

このような変化はありませんか?

ファンシーラットさんでは、呼吸器疾患が比較的よくみられます。

特に秋から冬にかけては、昼夜の寒暖差が大きくなり、暖房を使い始めることで室温や湿度などの飼育環境も変化しやすくなります。

寒暖差そのものが呼吸器疾患の原因になるわけではありませんが、もともと呼吸器に問題を抱えているラットさんでは、環境の変化などをきっかけに症状が目立つこともあります。

この記事では、ファンシーラットにみられる呼吸器疾患の症状や原因、寒暖差が大きい季節に気をつけたい飼育環境、受診の目安についてわかりやすく解説いたします。

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目次

ファンシーラットは呼吸器疾患が多いの?

毛布の上で過ごすファンシーラットを描いたイラスト|ファンシーラットの呼吸器疾患をイメージ

ファンシーラットさんでは、呼吸器疾患は比較的よくみられる病気のひとつです。

なかでも代表的なのが、マイコプラズマ(Mycoplasma pulmonis)などが関係する慢性呼吸器疾患です。

マイコプラズマに感染していても、必ずしもすぐに症状が現れるとは限りません。

ほかの病原体との混合感染やストレス、飼育環境など、さまざまな要因が重なることで症状が現れたり、悪化したりすることがあります。

一度症状が落ち着いても再び症状がみられることもあるため、日頃から呼吸の様子や体調の変化を観察することが大切です。

呼吸器疾患ではどんな症状がみられるの?

ファンシーラットさんの呼吸器疾患では、

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 目やに
  • 鼻を鳴らすような音
  • ゼーゼー、プツプツなど普段とは違う呼吸音
  • 呼吸が速い、浅い
  • 呼吸するときにおなかや身体が大きく動く
  • 元気がない
  • 食欲が落ちる
  • 体重が減る
  • 目や鼻の周りに赤褐色の汚れ(ポルフィリン)がみられる

などの症状がみられることがあります。

初めは「たまにくしゃみをする」「少し鼻が鳴っている」という程度でも、進行すると呼吸が苦しそうになったり、食欲や元気が低下したりすることがあります。

普段の呼吸音や食欲、活動量を知っておくと、小さな変化にも気付きやすくなります。

目や鼻の周りが赤いのは血?

ファンシーラットさんでは、目や鼻の周りに赤褐色の分泌物が付着することがあります。

これは必ずしも血液ではなく、ハーダー腺から分泌されるポルフィリンという色素を含んだ分泌物であることがあります。

体調不良やストレスなどによって目立つことがあるため、

「鼻血が出ている?」
「目から血が出ている?」

と驚かれる飼い主さまもいらっしゃいます。

少量が一時的にみられるだけでなく、くり返し目立つ場合や、くしゃみ・呼吸音・元気や食欲の低下などを伴う場合には、動物病院へご相談ください。

寒暖差があると呼吸器疾患になるの?

寒暖差だけが原因で呼吸器疾患になるわけではありません。

ファンシーラットさんの呼吸器疾患には、マイコプラズマなどの感染をはじめ、複数の要因が関係しています。

一方で、急激な温度変化などの飼育環境の変化は、ラットさんにとって負担になることがあります。

特に秋から冬は、昼間は暖かくても朝晩に急に冷え込んだり、暖房をつけている時間と消している時間で室温に差が出たりしやすい季節です。

そのため、「とにかく暖かくする」というより、急激な温度変化をできるだけ避け、安定した飼育環境を整えることを意識しましょう。

秋冬の室温はどのくらいがいい?

当院では、ファンシーラットさんの飼育環境として、室温20~24℃前後をひとつの目安としてご案内しています。

ただし、年齢や体調などによって適した環境は異なります。

秋から冬にかけては、飼い主さまが過ごしている場所が暖かくても、ケージ周辺が思った以上に冷えていることがあります。

特に、

  • 窓の近く
  • 床に近い場所
  • 玄関や廊下に近い場所
  • 外壁に近い場所
  • エアコンの風が直接当たる場所

などは、温度が変化しやすいため注意しましょう。

温度計は部屋の離れた場所ではなく、実際にラットさんが生活しているケージの近くに設置すると確認しやすくなります。

また、エアコンやヒーターを使用するときは、温風が直接ラットさんに当たらないようにしてください。

寒いからケージを毛布で覆ってもいい?

保温方法のひとつとしてケージの一部を覆うことはありますが、ケージ全体を密閉するように覆うことは避けましょう。

ファンシーラットさんの飼育では、保温だけでなく通気性も大切です。

ケージを完全に覆ってしまうと、湿気やにおい、尿から発生するアンモニアなどがこもりやすくなる可能性があります。

寒さが気になる場合には、

  • 室温そのものを調整する
  • ケージの設置場所を見直す
  • 必要に応じてヒーターを使用する
  • 隠れ家や巣材を用意する

などを組み合わせ、暖かさと通気性の両方を確保することを意識しましょう。

ヒーターを使用する場合には、ケージ全体を一様に暖めすぎず、ラットさん自身が暖かい場所とそうでない場所を選べるようにするとよいでしょう。

ケージを清潔に保つことも大切

ファンシーラットさんの呼吸器を守るためには、温度管理だけでなくケージ内の衛生管理も重要です。

尿などから発生するアンモニアがケージ内にたまると、呼吸器への刺激になります。

当院では日頃のお世話として、毎日トイレ部分を掃除し、週1回程度はケージ全体の掃除と床材の交換を行うことをご案内しています。

ただし、汚れ方は飼育頭数やケージの大きさなどによって異なります。

においや汚れが目立つ場合には、その都度掃除を行い、清潔な環境を保ちましょう。

寒い季節だからとケージを閉め切りすぎず、適度な通気性を確保することも大切です。

床材にも気をつけよう

ファンシーラットさんは呼吸器が敏感なため、床材選びも大切です。

当院では、ホコリの出にくい紙製チップやペーパーベースの床材をおすすめしています。

木製チップの中には、粉じんや香りなどが呼吸器への刺激になるものもあります。
特に香りの強い床材やホコリの出やすい床材は避け、紙製チップやペーパーベースなど、刺激の少ない床材を選びましょう。

床材を選ぶときには、

  • ホコリが出にくい
  • 香りが強くない
  • 清潔に保ちやすい

といった点を確認するとよいでしょう。

新しい床材に変更してからくしゃみが増えた場合には、床材との関連も確認してみましょう。

こんな呼吸をしていたら早めに受診を

次のような変化がみられる場合には、早めに動物病院へご相談ください。

  • くしゃみが何度も続く
  • 鼻水が出ている
  • 普段とは違う呼吸音がする
  • 呼吸が速い、浅い
  • 呼吸するときにおなかや身体が大きく動く
  • 食欲が落ちている
  • 元気がない
  • 体重が減ってきた
  • 目や鼻の周りの赤褐色の分泌物が増えている

特に、口を開けて苦しそうに呼吸している、呼吸するたびに身体全体が大きく動いている、ぐったりしているといった場合には、早めの受診が必要です。

呼吸器疾患は進行すると治療が長期化することもあるため、「いつもと呼吸が違う」と感じたら早めにご相談ください。

ファンシーラットの呼吸器疾患はどうやって診断するの?

動物病院では、

  • いつから症状があるか
  • くしゃみや鼻水の有無
  • 呼吸音の変化
  • 元気や食欲
  • 体重の変化
  • 飼育環境
  • ケージ周辺の温度
  • 使用している床材
  • 同居しているラットさんの状態

などを確認します。

そのうえで全身状態や呼吸の様子を診察し、必要に応じて画像検査などを検討します。

呼吸器症状はマイコプラズマだけが原因とは限らないため、症状や経過、身体検査、必要な検査などを組み合わせて判断します。

受診の際に、普段とは違う呼吸音が自宅では聞こえるものの病院では聞こえないこともあります。

可能であれば、気になる呼吸や音をスマートフォンで動画に撮っておくと診察時の参考になることがあります。

呼吸器疾患はどうやって治療するの?

治療方法は、症状や原因、全身状態によって異なります。

マイコプラズマや細菌などの関与が疑われる場合には、状態に応じて抗菌薬などを使用することがあります。

また、呼吸状態や食欲などに応じて、必要な治療や支持療法を行います。

慢性呼吸器疾患では、一度症状が落ち着いても再び症状が現れることがあります。

そのため、お薬による治療だけでなく、温度管理、ケージの衛生状態、通気性、床材などの飼育環境を見直すことも大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. くしゃみをしたら呼吸器疾患ですか?

A. くしゃみをしただけで呼吸器疾患とは判断できません。
床材のホコリなど、一時的な刺激でくしゃみをすることもあります。
ただし、何度もくり返す、鼻水や呼吸音がある、食欲や元気が低下しているなど、ほかの症状もみられる場合には動物病院へご相談ください。

Q. 寒くなるとマイコプラズマになりますか?

A. 寒さそのものによってマイコプラズマに感染するわけではありません。
ただし、急激な温度変化などの飼育環境の変化は、ラットさんにとって負担になることがあります。
秋冬は室温20~24℃前後をひとつの目安に、急激な温度変化を避けるようにしましょう。

Q. 目や鼻の周りの赤いものは血ですか?

A. 血液とは限りません。
ファンシーラットさんでは、ポルフィリンという赤褐色の色素を含んだ分泌物が、目や鼻の周りに付着することがあります。
量が多い、何日も続く、呼吸器症状や元気・食欲の低下を伴うといった場合にはご相談ください。

Q. 冬はヒーターを使ったほうがいいですか?

A. 室温やケージの設置場所などによって異なります。
まずはケージ付近の温度を確認し、必要に応じてヒーターなどを使用しましょう。
使用する場合には、熱くなりすぎたり、コードをかじったりしないよう安全面にも注意してください。

Q. 呼吸器疾患は治りますか?

A. 原因や状態によって異なります。
特にマイコプラズマなどが関係する慢性呼吸器疾患では、治療によって症状が改善しても、再び症状が現れることがあります。
症状をコントロールしながら、飼育環境も整えていくことが大切です。

まとめ

ファンシーラットさんでは、呼吸器疾患が比較的よくみられます。

くしゃみや鼻水だけでなく、呼吸音の変化、呼吸が速い・浅い、元気や食欲の低下、目や鼻の周りの赤褐色の分泌物などがみられることがあります。

また、寒暖差そのものが呼吸器疾患の原因になるわけではありませんが、急激な温度変化を避け、安定した飼育環境を整えることは大切です。

秋から冬は、室温20~24℃前後をひとつの目安に、実際にラットさんが過ごしているケージ周辺の温度を確認しましょう。

温度管理だけでなく、ケージを清潔に保つこと、通気性を確保すること、ホコリや刺激の少ない床材を選ぶことも大切です。

「最近くしゃみが増えた」
「呼吸すると音がする」
「寒くなってから元気や食欲が落ちた」

といった変化がありましたら、池田動物病院へお気軽にご相談ください。

ファンシーラットさんを含むエキゾチックアニマルの一般診療やお手入れは、松本獣医師が対応できる場合もございます。
病状が複雑なケースや専門的な診療が必要な場合は、主に石井院長が担当しております。
初診の方は、お電話(044-433-2274)でのご予約をお願いいたします。

ファンシーラットの呼吸器疾患のご相談なら池田動物病院へ|池田動物病院電話番号|044-433-2274

この記事の執筆・監修 
執筆:菊地(さ) 愛玩動物看護師
監修:松本 獣医師

投稿者プロフィール

菊地(さ)愛玩動物看護師

ペンギンが好きです。ジェンツーペンギンも好きですが、アデリーペンギンが一番のお気に入りです。

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